「CRMには何万件も入っているけれど、どのデータを誰が使っているか分からない」。そんな状態では、セキュリティの議論もマーケティング施策の議論も、勘に頼りやすくなります。
顧客データの棚卸しとは、単に古いレコードを削除する作業ではありません。利用目的と実際の活用状況を並べ、次の判断をできる状態にすることです。
まずデータを4つに分類する
最初はシステム別のファイル一覧ではなく、使い道別の分類がおすすめです。
| 分類 | 例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 顧客との連絡 | 連絡先、配信許諾、商談履歴 | 今も連絡目的と対象が適切か |
| サービス提供・契約 | 契約情報、取引履歴 | 業務や法令上の保存が必要か |
| 分析・改善 | サイト行動、集計指標 | 個別データである必要があるか |
| 休眠・重複 | 長期間未利用の宛先、重複登録 | 更新・統合・削除の候補か |

「どの部署が責任を持つか」「外部サービスに渡しているか」も記録しておきましょう。データ種別によって同意・契約・保存ルールが異なるため、マーケティング部門だけで即断しないことが重要です。
保有・削除・活用の判断基準
棚卸し表には、少なくとも「データ種別」「利用目的」「直近利用日」「管理者」「保存の根拠」「今後の活用案」「判断保留の理由」を設けます。
判断は次の3方向で行えます。
- 保有して活用する:契約履行、顧客対応、継続的な分析など、目的が明確なもの。
- 内容や保有方法を見直す:重複、古い情報、個別情報を持たずに集計で代替できるもの。
- 必要性を確認して消去する:利用目的がなく、保存する合理的な理由もないもの。
個人情報保護法は全データに一律の保有期限を設けていません。個人データが不要になった場合は遅滞なく消去するよう努める一方、法令で定められた保存などの事情も考慮します。
マーケティング部門は「成果との関係」を加える
情報管理の観点だけでは、データを活かす意思決定につながりにくくなります。そこで、各データがどの施策に使われ、何が分かったのかを追記します。
例えば、特定の細かな顧客属性を収集しているのに、実際のセグメント分けには一度も使っていない場合。その情報を自社で持つ必要性を再検討できます。逆に、購買履歴が再購入予測の判断に役立っているなら、品質を維持して活用する価値があります。
自社データを補完するIM-DMPの活用例
「顧客の興味関心を詳しく知りたい」という目的に対しては、すべての属性を自社で直接収集する以外にも、IM-DMPなどの外部データを使い、集団の傾向や新しいターゲット仮説を検討する方法があります。
ただし、外部データの利用は無条件に可能ではありません。データの取得経緯、照合の方法、同意・契約・法令上の条件を確認したうえで、利用目的に合う方法を選びます。
まずは1施策でPoCを設計する
棚卸し後、全社の仕組みを一度に変える必要はありません。例えば「休眠リストの再接触」や「新規見込み層への配信」を一つ選び、従来のデータだけで行う方法と、外部データを補完的に使う方法の条件を整理します。
比較するのは、利用データ、管理工数、対象リーチ、配信後の反応など。どの情報が必要で、どの情報は不要かを検証できれば、次の全社的な棚卸しにも根拠が生まれます。
まとめ
棚卸しのゴールは削除件数ではなく、持つ理由・使う理由・管理する理由を説明できることです。情報管理とマーケティングの成果を同じ表で評価することが、次のデータ戦略につながります。
あわせて読みたい
データの棚卸しから、活用の検証まで一緒に考えませんか?
インティメート・マージャーでは、データの持ち方と外部データの活用可能性を検討するPoC共創パートナー企業を募集しています。
展示会でデータ×AIを体験 インティメート・マージャーのブースでは、データとAIを活用したマーケティングの可能性をご案内します。自社の課題について、ぜひスタッフにお聞かせください。具体的なデモ内容は当日の展示をご確認ください。 ※デモ内容は当日の環境・利用条件によって異なります。
DXPO東京’26(秋)で、データ活用の可能性を探りませんか?
番外編|iM(アイム)くんの休日
iM(アイム)くんが冷蔵庫の奥から賞味期限の違うジャムを5瓶発見。
iM(アイム)くん「全種類そろった!」と喜ぶと、Mia(ミア)がひと言。
Mia(ミア)「そろえるのが目的だったの? 食べるのが目的だったの?」
iM(アイム)くん「……まずは朝ごはんのメニューから決めるね。」
参考資料・出典
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- インティメート・マージャー「IM-DMPとは」 https://dmp.intimatemerger.com/service/materials/

iM(アイム)くん|IMマーケティングニュースのデータ活用ナビゲーター
好奇心旺盛で、いつも前向き。「まずやってみよう!」がモットーなんだ!
IM-DMPをはじめとするデータやAIの活用方法を、マーケティングの身近な課題や具体例を交えながらわかりやすく解説するよ。
冷静で分析が得意なパートナー・Mia(ミア)と一緒に、データから新しい仮説やインサイトを発見し、マーケティングの次のアクションにつなげていくんだ!


