「検索経由の流入が伸びにくくなっている」「広告費を増やしても新規顧客を獲得できない」「AI検索への対応を進めているが、事業成果との関係が見えない」。
AI検索の普及や広告運用の自動化に伴い、新規顧客獲得では、検索や広告を個別に改善するだけでなく、顧客がどのように情報を集め、比較し、意思決定するのかを考える必要があります。
結論から言うと、広告・SEO・AI検索対応・データ活用は、どれか一つに絞る施策ではありません。顧客との接点を作る役割、理解を深める役割、成果を検証する役割を整理し、組み合わせることが重要です。
本記事では、インティメート・マージャーの過去セミナーで扱われたAI検索の変化や広告運用におけるAIと人の役割分担を踏まえ、これからの新規顧客獲得戦略を解説します。
検索行動が変わる時代の、新しい顧客獲得を考える
AI検索・CPA高騰・データ活用を横断して顧客獲得を考える「データドリブンマーケティング2026秋」の関連情報をご案内します。
AI検索時代に新規顧客獲得の考え方を見直す理由
情報収集がWebサイト訪問だけで完結しなくなる
従来の検索では、検索結果に表示されたWebサイトへ移動し、複数のページを読み比べる行動が一般的でした。
一方、生成AIを使う情報収集では、ユーザーがAIの回答を読んで候補を理解したり、比較の前提を整理したりする場合があります。
ただし、すべての検索がAI検索へ置き換わるわけではありません。従来の検索結果、比較サイト、公式サイト、レビューなどを併用する行動も考えられます。
このため、自然検索のクリック数だけでは、顧客が自社を知った経路や、その後の行動を十分に説明できない場合があります。
広告の自動化が進んでも戦略判断は必要になる
広告プラットフォームでは、AIによる入札や配信の最適化が活用されています。しかし、自動化が進んでも、どの顧客を獲得したいのか、何を成果として評価するのかという事業上の判断は必要です。
2026年3月11日のインティメート・マージャーの共催セミナーでは、広告運用におけるAIと人の役割分担が議論されました。実行業務の自動化が進む一方、人が判断すべき領域をどう整理するかが一つの論点となっています。
広告・SEO・AI検索対応・データ活用の役割を比較
| 施策 | 主な役割 | 向いている課題 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Web広告 | 新しい顧客との接点を作る | 対象顧客へ情報を届けたい | CPAだけでなく獲得の質を確認する |
| SEO・コンテンツ | 検索ユーザーの疑問に応える | 情報収集中の顧客と接点を持ちたい | 記事閲覧後の導線を設計する |
| AI検索対応 | AIを使った情報収集で自社情報を理解してもらう | AI回答での認知・比較機会を考えたい | 言及だけを成果と断定しない |
| データ活用 | 顧客理解と施策改善の判断を支える | 誰に何を届けるかを見直したい | データの品質・利用条件を確認する |
| セミナー・ウェビナー | 専門性のある情報を詳しく伝える | 比較検討や理解を深めたい | 参加後のフォロー設計が必要 |
重要なのは、各施策を単独の獲得手段として評価するのではなく、顧客の情報収集や検討を支える接点として整理することです。
インティメート・マージャーの過去セミナーから考えるAI検索と顧客獲得
2025年8月19日のLLMOに関する共催セミナーでは、AI検索によって検索マーケティングの考え方が変わる可能性や、AI上の言及・参照元情報・指名検索などをどう捉えるかが議論されました。
ここで注目したいのは、顧客がAIの回答を見たあと、必ずしもその場で企業サイトへ移動するとは限らないという点です。
例えば、AIの回答で企業名を知り、後から企業名で検索する行動も考えられます。この場合、通常のアクセス解析だけでは、最初の認知接点を把握できない可能性があります。
ただし、指名検索が増えたからといって、その原因がAI検索だと断定することもできません。広告、SNS、口コミなど、ほかの施策の影響も含まれるためです。
新規顧客獲得を評価する際は、複数の指標を組み合わせて変化を捉えることが重要です。
新規顧客獲得戦略を設計する実践手順
獲得したい顧客と成果を定義する
最初に、どの顧客層を獲得したいか、どの行動を成果とするかを整理します。
- 新しい顧客層への認知を広げたい
- 資料請求や問い合わせを増やしたい
- 商談化しやすいリードを獲得したい
- 既存の広告に依存した集客構造を見直したい
目的が異なれば、優先すべき施策も変わります。
顧客が接触する情報を整理する
次に、顧客が課題を認識してから問い合わせに至るまで、どのような情報を必要とするかを考えます。
| 顧客の状態 | 必要な情報 | 接点候補 |
|---|---|---|
| 課題を認識している | 原因、背景、基本的な考え方 | SEO記事、広告、AI検索 |
| 解決方法を探している | 具体的な手順や実践方法 | 実務解説、資料、動画 |
| 複数の方法を比較している | 判断基準、メリット・注意点 | 比較記事、ウェビナー |
| 導入を検討している | 運用体制、費用、導入条件 | 事例、個別相談 |
すべての顧客が同じ順序で進むわけではありませんが、検討段階ごとに必要な情報を考えることで、チャネルの役割を整理できます。
自社データと外部データから顧客仮説を更新する
自社データには、実際に接点を持った顧客の反応が蓄積されています。一方、外部データは、まだ自社と接点のない顧客層の関心や市場の傾向を考える材料になります。
これらを組み合わせることで、「従来どの顧客層を獲得していたか」と「これからどの顧客層を検討するか」を分けて考えやすくなります。
獲得チャネルごとの成果を比較する
広告・自然検索・メール・ウェビナーなどの成果を比較するときは、単純な流入数だけでなく、獲得後の行動も確認します。
例えば、流入数が少ないチャネルでも、問い合わせ率や商談化率が高い場合があります。逆に、クリック数が多くても事業成果に結び付かない場合もあります。
各チャネルで何を担うのかを決め、目的に応じた指標で評価することが重要です。
新規顧客獲得で確認したいKPI
| 評価領域 | 主な指標 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 検索接点 | 表示回数、クリック数、指名検索 | 顧客との接点に変化があるか |
| 広告成果 | CPA、CVR、獲得件数 | 効率と獲得量のバランス |
| コンテンツ | 読了状況、資料・セミナー送客数 | 読者の次の行動につながっているか |
| 営業成果 | 有効リード、商談率、受注率 | 獲得した顧客の質 |
| AI検索 | 観測可能な言及・参照、AI経由流入 | 情報接点の一部を把握できるか |
これらの指標は、すべての接点を完全に計測できるという意味ではありません。各指標が示す範囲と限界を理解したうえで、施策全体を評価します。
新規顧客獲得戦略のチェックポイント
- 新規顧客獲得の最終目標を定義している
- 広告とSEOの役割を整理している
- AI検索での情報接点も考慮している
- 顧客の課題・関心に合わせたコンテンツがある
- 自社データだけでは見えない顧客層を検討している
- 流入数と商談・受注などの成果を分けて評価している
- 記事から資料・ウェビナー・相談への導線を用意している
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まとめ|新規顧客獲得はチャネル単位ではなく顧客起点で考える
AI検索時代の新規顧客獲得では、広告費や検索順位だけを見て施策を判断することは難しくなります。
広告は新しい接点づくり、SEO・コンテンツは情報提供、AI検索対応は情報探索環境への対応、データ活用は顧客理解と施策改善を支える役割として考えられます。
まずは自社の顧客がどのように情報を収集し、どの接点で理解を深めているかを整理します。そのうえで、複数のチャネルを組み合わせ、獲得後の成果を確認しながら戦略を改善していくことが重要です。
検索が減る時代、広告はどう伸ばす?
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AI検索時代の新規顧客獲得に関するよくある質問
AI検索が普及するとSEOは不要になりますか?
不要になるわけではありません。従来の検索を利用するユーザーも存在し、Webサイトの情報はAI検索を含む情報探索においても重要です。検索意図に沿った質の高い情報を整備することが基本になります。
検索流入が減った場合、広告予算を増やすべきですか?
一律に予算を増やすのではなく、減少した検索流入の内容、広告のCPA、獲得後の成果を確認して判断します。
広告とSEOはどのように使い分ければよいですか?
広告は能動的に接点を作りやすく、SEOはユーザーが情報を探す場面への対応に向いています。顧客の状態と施策目的に合わせて組み合わせます。
AI検索からの成果はどのように評価できますか?
計測可能なAI経由流入や、観測可能な言及・参照情報などを確認します。ただし、別経路で発生した流入やCVをAI検索の成果と直接結び付けることは難しいため、複数指標から慎重に判断します。
データドリブンマーケティングの導入には大規模なシステムが必要ですか?
必ずしも必要ではありません。まずは自社で取得しているデータと成果指標を整理し、一つの施策から仮説検証する方法も考えられます。
ウェビナーは新規顧客獲得にどのように活用できますか?
専門的なテーマを詳しく説明し、顧客の理解や比較検討を支援する接点として活用できます。記事や広告からの送客に加え、参加後の情報提供まで設計することが重要です。

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