「AIエージェントが商品を比較して、そのまま購入する場合、コンバージョン(CV)はどこで計測すればよいのか」「生成AIを経由した売上を、従来の広告成果とどう区別すればよいのか」。
AI検索やAIエージェントの活用が進むなか、マーケティング担当者にとって新たな課題となるのが、購買プロセスの計測です。
これまでのWebマーケティングでは、広告や検索結果のクリック、Webサイトへの訪問、問い合わせ、購入といった行動を計測し、成果を評価してきました。
一方、AIエージェントが情報収集や比較検討を代行する場合、ユーザーが企業サイトへ訪問する前に、購買候補の絞り込みが進む可能性があります。また、対応する購買システムでは、Webサイトへの通常の訪問を伴わずに注文が成立するケースも考えられます。
結論から言うと、AIエージェントによる購買を計測する際は、「購買結果を正確に記録すること」「AIが関与した経路を把握すること」「広告が成果に貢献したかを評価すること」を分けて考える必要があります。
この記事では、海外AdTech企業ID5が2026年3月に公開した問題提起を起点に、従来のCV計測との違い、Agentic Commerceの計測方法、Identityとインテントデータの役割、日本企業が準備すべきことを解説します。
- AIエージェントによる購買は何を計測すべきか?
- 従来のCV計測とAIエージェントによる購買計測の違い
- ID5が指摘するAIエージェント時代のIdentityと広告計測の課題
- Agentic Commerceでは実際にどのような購買データを取得できるのか?
- AIエージェントのCV計測をGA4やCRMでどう設計する?
- AIエージェントのアトリビューションはどう評価する?
- IM視点|Identityとインテントデータを組み合わせて顧客理解を深める
- 日本企業はAIエージェントによる購買計測にどう備えるべきか?
- AIエージェント計測の実務チェックリスト
- まとめ|AIエージェント時代はCVの数だけでなく計測の仕組みを見直す
- FAQ|AIエージェントの購買計測に関するよくある質問
AIエージェントによる購買は何を計測すべきか?
AIエージェントとは、人間から与えられた目的に沿って、情報収集、比較、判断の支援、外部システムの操作などを実行するAIの仕組みです。
AIエージェントが商品やサービスの購入を支援・実行する仕組みは、Agentic Commerce(エージェンティック・コマース)と呼ばれます。
ここで重要なのは、AIエージェントが関与したからといって、すべての購買が自動実行されるわけではないことです。
AIが候補を提示した後に人間が購入するケースもあれば、ユーザーの承認を経て、対応するシステム上でAIが注文処理を進めるケースもあります。
計測すべき3つの対象
- 購買結果:注文、購入金額、問い合わせ、契約などのCVが実際に発生したか
- 購買経路:AI検索、AIエージェント、広告、検索エンジンなど、確認できる接点が何か
- 成果への貢献:各接点が購買判断や売上にどの程度関係していると考えられるか
購買結果は、自社の受注システムやCRMなどで確認できる場合があります。しかし、その購入者がAI上で何を比較したか、どの情報を参考にしたかまで確認できるとは限りません。
そのため、CVの発生を確認することと、CVに至るすべての経路を把握することは別の課題として扱います。
従来のCV計測とAIエージェントによる購買計測の違い
従来のCV計測は、人間がWebサイトやアプリで行動することを前提に設計されてきました。
広告をクリックし、ランディングページを閲覧し、フォームを送信する。このような行動は、計測タグやアクセス解析ツールを利用して一定範囲で把握できます。
一方、AIエージェントによる購買では、商品情報の取得、比較、候補提示などが企業サイトの外側で進む場合があります。
| 比較項目 | 従来のCV計測 | AIエージェントが関与する購買計測 |
|---|---|---|
| 主な行動主体 | 人間のユーザー | 人間とAIエージェント |
| 情報収集 | 検索・広告・Webサイト閲覧 | AIによる検索・情報取得・比較 |
| 主な計測接点 | 広告クリック、ページ閲覧、フォーム送信 | AI経由流入、注文API、受注イベント、CRM記録など |
| CVの記録 | Web・アプリイベント、受注データ | Web・アプリイベントに加え、API・受注データの重要性が高まる |
| 識別の課題 | ブラウザ、Cookie、デバイス間の接続 | AIの行動と購買主体の関係、チャネル間の接続 |
| 見えにくい行動 | サイト外での比較検討 | AI内部での比較、候補選定、判断過程 |
| 成果評価 | クリック起点のアトリビューションなど | 観測可能な接点、受注データ、増分効果の組み合わせ |
ただし、AIエージェントを利用したすべての購買で従来の計測が使えなくなるわけではありません。
最終的に人間がWebサイトへ遷移して購入する場合は、これまでと同様にアクセス解析や購入イベントを計測できる場合があります。
違いは、従来の計測方法だけでは把握できない購買前の行動や、サイト外で発生する取引を考慮する必要があることです。
ID5が指摘するAIエージェント時代のIdentityと広告計測の課題
Digital Identity関連の技術を提供するID5は、2026年3月18日公開の記事「The 2026 Identity Gap: Is Your Strategy Built for Machines?」で、AIエージェントの普及と広告計測の関係を取り上げています。
同記事は、ユーザーがAIに商品を推薦してもらう場合、従来の検索結果から企業サイトへ訪問する購買経路とは異なる行動が生まれると問題提起しています。
企業サイトへの訪問が発生しなければ、サイト上で取得する識別情報や行動データだけでは、顧客がどのように商品を検討したかを説明しにくくなります。
AIによって従来のIdentityの接続が難しくなる可能性
Identityとは、広告やデータ分析の文脈では、ユーザーやデバイスなどを識別・関連付けるための情報や仕組みを指します。
Identity Resolutionは、異なる環境に存在する識別情報を、適切な根拠に基づいて関連付ける技術です。
ID5は、AIが検索や比較を代行すると、従来のWebサイト訪問を起点としたIdentityの接続が難しくなり、広告のアトリビューションにも影響する可能性があると指摘しています。
アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでの広告やマーケティング接点について、成果への貢献を評価する考え方です。
AI内部で商品情報の比較が進んだ場合、企業が確認できる最初の行動が商品閲覧ではなく、問い合わせや購入になっていることも考えられます。
Machine-to-Machine広告とAgentic IDの構想
ID5はさらに、人間だけでなくAIエージェントが広告や商品情報を受け取る、Machine-to-Machine(M2M)型の広告・購買についても言及しています。
こうした環境を想定し、ID5は、LLMと既存のIdentity基盤をつなぐ「Agentic ID」というアプローチを提示しています。
ただし、これはID5による提案・構想であり、すべてのAIエージェントや広告プラットフォームに共通する標準仕様ではありません。
また、AIエージェントを識別できたとしても、それだけで購買者の本人確認や広告成果への貢献度が分かるわけではありません。
日本企業にとっては、特定の識別技術を導入するかどうかを検討する前に、自社で把握できる購買データと把握できない情報を整理することが重要です。
出典:ID5「The 2026 Identity Gap」(2026年3月18日)
Agentic Commerceでは実際にどのような購買データを取得できるのか?
AIエージェントによる購買計測を考える際、参考になるのが、AIとEC事業者のシステムを接続する仕組みです。
2026年10月時点のOpenAI公式開発者資料では、Agentic Commerce Protocol(ACP)が、AIと販売事業者を接続するための仕様として紹介されています。
また、Agentic Checkoutの仕様では、対応する事業者がチェックアウトセッションを作成・更新し、注文確定や注文状況を管理する仕組みが示されています。
これは、AIが関与する取引であっても、販売事業者側に注文や取引状態を記録する接点が存在し得ることを示しています。
なお、ChatGPT内のInstant Checkoutは、確認時点では承認されたパートナー向けに提供されており、すべての販売事業者が同一の機能を利用できるわけではありません。利用可能な国・地域や提供条件は別途確認が必要です。
購買プロセスをイベントごとに分ける
AIエージェント経由の購買を分析するには、一つの「購入」だけではなく、確認可能な取引イベントを段階別に整理する方法が考えられます。
| 購買段階 | 計測したい内容 | データ例 |
|---|---|---|
| 情報取得・比較 | AIが自社情報へ接触したか | 取得可能なAPIログ、AI検索上の可視性 |
| 商品候補の提示 | 自社商品が候補になったか | プラットフォームが提供する表示・推薦情報 |
| 購入手続き開始 | 注文処理が始まったか | チェックアウトセッションID |
| 注文作成 | 注文レコードが作成されたか | 注文ID、作成日時、注文ステータス |
| 受注・決済確定 | 定義したCV条件を満たしたか | 受注確定情報、決済情報、売上金額 |
| 注文後 | キャンセルや返金があったか | 注文更新、返金、キャンセル履歴 |
この表は、公式資料で確認できる取引構造を参考にした実務上の計測設計例です。AI内部の比較内容や推薦情報が、すべてのプラットフォームから取得できるという意味ではありません。
特に重要なのは、注文が作成された時点と、売上が確定した時点を分けることです。
例えば、注文作成をCVとして計測していても、後からキャンセルされた場合は、実際の売上と広告管理画面の成果に差が生じることがあります。
AI経由であるかどうかにかかわらず、広告CVと確定売上の定義を統一しておくことが、正確な成果評価の出発点です。
参考:OpenAI公式「Agentic Checkout Spec」
AIエージェントのCV計測をGA4やCRMでどう設計する?
Agentic Commerceの計測方法を検討するとき、最初から新しい計測ツールを導入する必要があるとは限りません。
まずは既存のGA4、受注管理システム、CRM/SFAで何が記録できているかを確認します。
GA4で確認できる情報と限界
GA4では、Webサイトに訪問したユーザーの流入元、ページ閲覧、購入などを計測できます。
例えば、ChatGPTなどからWebサイトへ遷移した場合、取得された参照元情報やキャンペーンパラメータを使って流入を分析できる場合があります。
一方、AIがWebサイトへ通常の訪問を行わず、外部システムから注文を実行した場合、従来のページ閲覧イベントだけでは、その取引を十分に把握できません。
Google AnalyticsのMeasurement Protocolは、サーバー側やオフラインで発生したイベントをGA4へ送信するための仕組みです。
ただし、Measurement Protocolは既存の計測を補完するものであり、導入しただけでAI内部の比較行動や流入元が自動的に分かるわけではありません。利用には仕様に応じた識別子や計測設定が必要です。
注文IDを基準にCVの二重計上を防ぐ
AIエージェント経由の注文でも、人間による通常購入と同じく、イベントの重複を防ぐ設計が重要です。
例えば、注文完了画面で購入イベントを送信し、同じ注文についてサーバー側からも購入イベントを送信した場合、実装方法によっては成果が重複する可能性があります。
GA4のEC計測では、purchaseイベントにtransaction_idという注文を識別するパラメータを設定します。
そのため、次の情報を注文管理システム側で整理しておくと、照合しやすくなります。
- 注文IDとチェックアウトセッションID(取得できる場合)
- 注文作成日時とCV確定日時
- 注文金額・通貨・商品情報
- 注文ステータスと返金・キャンセル情報
- 確認できた流入元と、その判定根拠
- CRM/SFAへ連携する顧客・商談の管理ID
なお、これらは企業内の計測データ設計例であり、AIエージェント共通の標準項目ではありません。
取引処理における再試行対策や冪等性(同じ処理を繰り返しても結果が重複しない性質)も、API連携時の確認項目となります。
参考:Google Analytics公式「Measure ecommerce」
AI経由と判断できないCVをどう扱うか
すべての購入に対して、AI経由かどうかを確実に判定できるとは限りません。
そこで、分析上は次のように判定根拠を区別する方法が考えられます。
- 連携情報によって確認:利用する購買プラットフォームやAPIから取引経路を確認できる
- 流入元によって確認:AIサービスからのWebサイト流入を確認できる
- 申告などによる推定:アンケートや顧客ヒアリングでAI利用が示唆されている
- 不明:利用可能な情報だけでは経路を判断できない
ここで注意したいのは、AIサービスからの流入が確認できた場合でも、AIが購入を実行したと断定しないことです。
また、AI経由流入が確認できない購入について、AIの影響がなかったと判断することも適切ではありません。
観測できた事実と推定した情報を分けることで、過度な成果計上や誤解を抑えられます。
AIエージェントのアトリビューションはどう評価する?
アトリビューションとは、購入や問い合わせなどのCVに対して、広告やマーケティング接点の貢献を評価する考え方です。
従来は、クリックやWebサイト訪問など、取得できた接点を基準に評価する方法が一般的でした。
しかし、AIエージェントが情報収集や比較検討に関与すると、企業が確認できる接点だけでは、購買までの過程を十分に説明できない場合があります。
アトリビューションと増分効果を区別する
例えば、広告をクリックした後にAIエージェントで商品を比較し、後日購入したユーザーがいたとします。
この場合、広告クリックと購入が関連付けられても、広告がなければ購入しなかったかどうかまでは、そのデータだけでは分かりません。
そこで重要になるのが、Incrementality(増分効果)という考え方です。
増分効果は、広告やマーケティング施策を実施したことで、実施しなかった場合と比較して成果がどの程度増えたかを評価するものです。
実務では、取得可能な接点を整理するアトリビューションと、可能な範囲で比較対象を設定する増分効果の検証を分けて考えます。
| 評価の種類 | 答える問い | 主な情報 |
|---|---|---|
| CV計測 | 購入・問い合わせは発生したか | 注文、フォーム、受注データ |
| アトリビューション | どの接点が成果に関係したか | 広告接触、流入元、観測できた行動 |
| 増分効果 | 施策によって成果がどの程度増えたか | テスト群・比較群などの検証結果 |
AIエージェントによる購買では、特に「取得できなかった行動を、どのように推定・補完しているか」を明確にする必要があります。
AI内部の行動をすべて追跡しようとするのではなく、観測できる成果を正しく記録し、分析方法の限界を明示することが現実的です。
IM視点|Identityとインテントデータを組み合わせて顧客理解を深める
ここからは、ID5のIdentityに関する問題提起を、インティメート・マージャーが重視する顧客理解・データ活用の観点へ広げて考えます。
広告計測の課題を、単に識別子を増やすことで解決しようとすると、顧客がなぜ商品を選んだのかという理解が不足する可能性があります。
そのため、Identityとインテントデータは役割を分けて整理することが重要です。
Identityとインテントデータの違い
| 項目 | Identity | インテントデータ |
|---|---|---|
| 主な役割 | ユーザーやデバイスなどの識別・関連付け | 関心や検討の兆候を把握 |
| 答える問い | 誰・どのユーザーやデバイスなのか | 何に関心があり、どの程度検討している可能性があるか |
| 活用する情報 | 適切に利用できる識別情報や接続シグナル | 閲覧、検索、資料請求、比較行動など |
| 主な用途 | データの関連付け、配信・計測 | 顧客理解、優先順位付け、施策改善 |
| 注意点 | 識別できても関心や意図は分からない | 関心の兆候だけで本人や購買意思を断定できない |
例えば、ある企業の担当者がAIを使って複数のMAツールを比較しているとします。
Identityに関連する情報だけでは、その担当者が何を重視して比較しているのか、購入時期が近いのかまでは判断できません。
一方、Web行動データや資料請求履歴、インテントデータが利用できれば、関心テーマや検討状況について、追加の仮説を立てられます。
ただし、AI内部での検索や比較内容が企業に共有されない場合、その内容を取得できるわけではありません。観測できる自社データと、利用条件を満たす外部データを基に判断します。
Identityから営業・マーケティングアクションまでをつなぐ
IM視点では、以下のようなデータ活用の流れが考えられます。
- Identity:適切な範囲でユーザーや企業との接点を整理する
- Web行動データ:閲覧ページや資料請求など、観測できた行動を確認する
- インテントデータ:関心テーマや検討度の変化について仮説を立てる
- CRM/SFA:問い合わせ、商談、受注などの事業成果を確認する
- AI:複数の情報を分析し、判断材料を整理する
- マーケティング・営業アクション:情報提供、施策改善、営業対応の優先順位を検討する
AIは、Identity Resolutionにおけるシグナルの分析だけでなく、行動データの整理、関心テーマの分類、営業優先順位の検討などにも活用できます。
ただし、AIによる推定結果が実際の購買意思と一致するとは限りません。顧客への対応を決定する際は、取得データの品質や根拠、人による確認も重要です。
関連記事:インテントデータとAIエージェント|次世代購入プロセスに対応するBtoBマーケティング戦略
日本企業はAIエージェントによる購買計測にどう備えるべきか?
海外のAgentic Commerceの動向を、そのまま日本市場へ当てはめることは適切ではありません。
日本では、企業ごとのデータ保有状況、EC・決済システムの構成、広告媒体との連携、個人情報保護法への対応などを確認する必要があります。
EC企業では購入・受注の整合性を確認する
EC企業では、Webサイト上の購入イベントと、受注管理システムで確定した注文の整合性を確認することが出発点です。
AI経由の販売チャネルが追加された場合も、既存の注文管理と別々に売上を集計すると、重複計上や集計差異が発生する可能性があります。
AI経由の判定情報は別項目として保持し、注文IDを基準に購入・キャンセル・返金を管理する方法が考えられます。
BtoB企業ではCVと受注を分けて評価する
BtoB企業の場合、AIエージェントが比較検討を支援しても、その場で契約が成立するとは限りません。
例えば、AIが複数のサービスを比較した後、担当者が問い合わせを行い、その後に商談や社内稟議を経て受注するケースが考えられます。
この場合は、問い合わせをCVとして計測するだけでなく、CRM/SFAで商談化、受注、売上まで確認することが重要です。
AIが関与した可能性を示す情報と、実際の受注成果を区別することで、検索流入だけでは分からない顧客行動を考察できます。
個人情報保護と適切なデータ利用を前提にする
AIエージェントによる購買を計測するために、すべての識別情報を取得・結合してよいわけではありません。
日本の個人情報保護法では、閲覧履歴などが個人関連情報に該当する場合があります。また、情報の取得・利用・第三者提供などについては、実際のデータの性質や利用形態に応じた確認が必要です。
そのため、データ連携の設計時には、利用目的、必要な同意・確認、アクセス権限、保存期間、委託先や第三者への提供条件などを確認します。
AIエージェント経由の注文であっても、購買者の個人情報やAIへの入力内容を、計測目的で無制限に取得することは適切ではありません。
AIエージェント計測の実務チェックリスト
以下の項目を「はい/いいえ」で確認し、対応が不足している部分から計測設計を見直してみてください。
- □ Webサイト以外で注文が成立する販売経路を把握している
- □ 問い合わせ、注文作成、受注確定など、CVとするイベントを定義している
- □ 注文IDを用いて、複数の計測経路による購入の重複を確認できる
- □ AIサービスからのWebサイト流入をGA4などで確認している
- □ AI経由と判定できる注文と、経路不明の注文を区別している
- □ APIやサーバー側で発生した注文イベントを取得できるか確認している
- □ 注文のキャンセル・返金を成果集計へ反映できる
- □ Web上のCVとCRM/SFAの商談・受注データを照合できる
- □ Identityとインテントデータを異なる目的の情報として管理している
- □ データの取得目的や連携条件を個人情報保護の観点から確認している
すべての項目を最初から整備する必要はありません。
まずは自社の主要CVについて、どのシステムで記録され、どの注文・顧客・商談情報と照合できるかを明確にすることが重要です。
まとめ|AIエージェント時代はCVの数だけでなく計測の仕組みを見直す
AIエージェントによる購買が広がると、従来のクリックやWebサイト訪問を前提とした広告計測だけでは、顧客の購買プロセスを十分に説明できない場面が生まれる可能性があります。
ID5は、こうした変化をIdentityとAIエージェントの接続という観点から問題提起しています。
一方、日本企業の実務では、Identityの技術だけでなく、購買イベント、受注データ、インテントデータ、CRM/SFAなどを組み合わせて考えることが重要です。
特に確認したいのは、次の3点です。
- 購入・問い合わせ・受注を、どのシステムで確実に記録するか
- AIが関与したと判断できる情報と、推定にとどまる情報をどう分けるか
- 広告接点、顧客の検討行動、事業成果をどの範囲まで関連付けられるか
AIエージェント時代の計測で重要なのは、見えない行動を無理にすべて追跡することではなく、観測できる事実を正確に記録し、顧客理解と成果評価につなげることです。
AI・データ活用をマーケティング実務に落とし込みたい方へ
AI検索やAIエージェントの普及によって、企業が取得できる顧客データや、マーケティング成果の評価方法も変化していく可能性があります。
インティメート・マージャーでは、AI、データ活用、顧客理解、マーケティングに関するセミナー・ウェビナー情報を紹介しています。
自社の広告計測やデータ活用を見直す際の参考情報として、ぜひご覧ください。
FAQ|AIエージェントの購買計測に関するよくある質問
AIエージェントによる購買はGA4で計測できますか?
Webサイトやアプリで購入イベントが発生する場合は、通常のGA4計測を利用できることがあります。また、条件に応じてMeasurement Protocolを用いたサーバー側イベントの送信も可能です。ただし、AI内部での比較や商品推薦の内容まで、GA4だけで自動的に把握できるわけではありません。
Agentic CommerceのCVとは何ですか?
AIエージェントが関与する購買において、企業が成果として定義したイベントを指します。購入、注文確定、問い合わせ、契約などが考えられます。AIによる商品比較や候補提示は、通常は購入CVとは区別して扱います。
AIエージェントが購入したことを識別できますか?
利用する販売プラットフォームやAPIから取引経路を示す情報を取得できる場合は、識別できる可能性があります。ただし、すべての購買システムが共通のAIエージェント識別情報を提供しているわけではありません。流入元からの推定と、取引システムによる確認は分けて扱う必要があります。
AIエージェントによるCVと従来の広告CVは何が違いますか?
最終的な購入や問い合わせという成果自体は共通です。違いは、成果に至る過程で、AIが人間に代わって情報収集や比較を行ったり、サイト外のシステムで取引が発生したりする可能性があることです。そのため、従来のクリック・訪問データだけでは、経路を説明しにくい場合があります。
AIエージェント時代にアトリビューションは不要になりますか?
不要になるわけではありません。観測できる広告接点や流入元の分析には引き続き役立ちます。ただし、AI内部での検討行動を把握できない場合があるため、CRM上の成果や増分効果の検証など、異なる評価方法を組み合わせることが重要です。
IdentityとインテントデータはAI購買の計測にどう役立ちますか?
Identityは、ユーザーやデバイスなどを識別・関連付けるための情報です。インテントデータは、顧客の興味や検討状況を考えるための情報です。両者に観測可能な行動データやCRM/SFAの成果を組み合わせることで、顧客理解や施策改善の判断材料を増やせます。ただし、AI内部の未取得情報まで復元できるわけではありません。
日本のBtoB企業は何から計測を見直すべきですか?
まず、問い合わせ、商談化、受注の定義を整理し、各イベントをCRM/SFA上の顧客・商談情報と照合できるか確認します。そのうえでAI経由の流入や、取得できる範囲の検討行動を分析します。AIエージェント経由の購買がまだ発生していない場合でも、既存CVと受注の整合性を整えることから始められます。

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