DSA(動的検索広告)とAI Maxの違いは、検索語句とのマッチングに利用する情報と、広告素材・ランディングページの最適化方法にあります。DSAはWebサイトの内容をもとに広告見出しと遷移先を動的に生成します。一方、AI Maxは既存キーワードや広告素材なども活用し、検索キャンペーン全体の最適化を支援します。
「DSAは廃止されるのか」「AI Maxへいつ移行するのか」「現在設定している動的広告ターゲットやページフィードは引き継がれるのか」と疑問を感じている検索広告担当者もいるのではないでしょうか。
Googleは、DSAをAI Maxへ移行する方針を発表しています。当初は2026年9月に自動移行を開始する予定でしたが、その後変更され、2027年2月から自動移行を開始する予定となっています。
移行時には、動的広告グループや動的検索広告の構造が変わり、一部のURLルールも編集できなくなるため、事前準備が重要です。
本記事では、Google公式情報をもとに、DSAとAI Maxの機能比較、移行スケジュール、引き継がれる設定と変更される項目、管理画面での移行手順、移行前後のチェックリストを整理します。
2026年6月にGoogleが延期を発表
動的広告グループから構造が変更
DSAからRSAへ変換される
- DSAとAI Maxとは?それぞれの仕組みを解説
- DSAとAI Maxの違いを機能比較表で確認
- DSAからAI Maxへの移行はいつ?2027年2月の自動移行予定
- DSAからAI Maxへの移行で変わる設定とは?
- DSAのURLターゲティング・ページフィードは移行後どうなる?
- DSAからAI Maxへ移行する手順|Google広告管理画面での操作
- DSAからAI Maxへ今すぐ移行すべき?判断基準を整理
- DSAからAI Maxへの移行後は何を確認する?効果測定のポイント
- DSAからAI Maxへの移行前チェックリスト
- DSAとAI Maxの移行に関するよくある質問
- まとめ|DSAからAI Maxへの移行は広告構造とURL設定の確認が重要
- 関連記事|AI Maxの仕組みと主要機能
- 参考情報|Google公式発表・ヘルプ
DSAとAI Maxとは?それぞれの仕組みを解説
DSA(動的検索広告)とは?
DSAは「Dynamic Search Ads」の略で、日本語では「動的検索広告」と呼ばれます。
GoogleがWebサイトの内容を読み取り、ユーザーの検索語句と関連するページを判断して広告を表示する仕組みです。
通常の検索広告では、広告主が検索キーワードや広告見出しを設定します。
一方、DSAでは、Webサイト上のコンテンツを利用して広告の表示対象や広告見出し、遷移先URLを動的に決定できます。
例えば、複数の商品やサービスを扱う企業では、商品ページの内容に応じて検索広告を表示できるため、すべての検索キーワードと広告見出しを手動で作成する負担を減らせる可能性があります。
DSAで自動化される主な項目
Webサイトのコンテンツを利用し、広告の表示対象となる検索を判断します。
検索内容と関連ページに基づいて広告見出しを動的に生成します。
検索ユーザーの意図に関連するページを広告の遷移先として選択します。
URL、ページカテゴリ、ページタイトル、ページフィードなどで対象ページを管理します。
DSAでは、広告見出しや最終ページURLなどが自動生成される一方、説明文は広告主が作成します。
Webサイトの情報を利用して広告配信を広げる仕組みのため、サイト構造、ページタイトル、コンテンツの内容、対象URLの管理が重要です。
AI Maxとは?検索キャンペーンを強化するAI機能群
AI Maxは、Googleの検索キャンペーン向けに提供されているAI最大化設定です。
DSAと同様に、Webサイトの情報を利用した検索需要への対応が可能ですが、AI Maxではさらに、既存キーワード、広告素材、ランディングページなどを組み合わせて検索語句の関連性を判断します。
また、テキストのカスタマイズによる広告見出し・説明文の生成や、最終ページURLの拡張なども利用できます。
AI Maxは独立したキャンペーンタイプではなく、検索キャンペーンに適用する機能群です。
なぜGoogleはDSAをAI Maxへ移行するのか
DSAは、キーワードに依存しない検索広告の拡張手段として利用されてきました。
一方、検索ユーザーの入力内容が複雑化するなかで、GoogleはWebサイトの内容だけでなく、より広範な情報を利用して検索意図を理解する方向へ機能を拡張しています。
AI Maxでは、Webサイトや広告素材などを活用し、検索語句との関連性を判断します。
さらに、ブランドの制御、地域に関する設定、テキストガイドラインなどを利用することで、AIによる最適化の範囲を調整できます。
Googleは、このAI MaxをDSAの次世代に当たる仕組みとして位置付けています。
DSAとAI Maxの違いを機能比較表で確認
DSAとAI Maxの主な機能比較
| 比較項目 | DSA(動的検索広告) | AI Max |
|---|---|---|
| 位置付け | 検索広告の動的な広告形式 | 検索キャンペーン向けのAI機能群 |
| 広告グループ | 動的広告グループ | 標準広告グループ |
| 広告形式 | 動的検索広告 | レスポンシブ検索広告(RSA)を中心に利用 |
| 検索語句とのマッチング | 主にWebサイトのコンテンツから判断 | キーワード、広告素材、URLなどを活用 |
| 検索キーワード | 動的広告ターゲットを中心に管理 | 既存キーワードとAIによる検索語句の拡張を利用 |
| 広告見出し | Webサイトの内容から動的生成 | RSAのアセットとテキストカスタマイズを利用 |
| 広告説明文 | 広告主が作成 | 広告主が作成した内容やAI生成アセットを利用 |
| ランディングページ | 動的広告ターゲットに基づいて選択 | URLの追加・除外、最終ページURLの拡張などで管理 |
| ページフィード | URLやカスタムラベルを利用 | 移行時にURLの追加・除外など対応する設定を確認 |
| ブランド制御 | 主に既存のキャンペーン制御を利用 | ブランドの関連付け・除外などの機能を利用可能 |
| 広告文の表現制御 | 説明文やWebサイトの内容を管理 | テキストガイドラインなどの対応機能を利用可能 |
| レポート | 動的検索広告の検索語句・動的広告ターゲットなど | 検索語句、マッチタイプ、ソース、アセット、LPなど |
DSAからAI Maxへの移行は名称変更だけではない
DSAとAI Maxには、Webサイトの内容を利用して検索需要を獲得するという共通点があります。
しかし、移行時には広告グループと広告形式の構造が変わります。
DSAで利用していた動的広告グループは、標準広告グループへ変換されます。また、DSAの広告はRSAへ変換され、Googleが必要な広告素材を生成する仕組みが案内されています。
そのため、移行は単なる設定項目の名称変更ではなく、広告運用の管理方法が変わる対応として捉える必要があります。
AI Maxへの移行で新しく検討できる機能
DSAからAI Maxへ移行すると、主に次のような機能を利用できます。
- 検索語句とのマッチング
- テキストのカスタマイズ
- 最終ページURLの拡張
- ブランドの関連付け・除外
- 関心対象地域などの地域関連設定
- テキストガイドライン
- 検索語句や広告アセットの詳細レポート
ただし、これらの機能をすべて有効にすることが、すべての広告主にとって適切とは限りません。
既存DSAで設定していた配信対象や広告表現の制御条件を確認し、必要な機能を選択することが重要です。
DSAからAI Maxへの移行はいつ?2027年2月の自動移行予定
DSA移行スケジュールの変更履歴
Googleは、DSAや旧機能をAI Maxへ統合する方針を発表しました。当初は2026年9月から自動移行を開始する予定でした。
広告主が移行準備を行う時間を確保するため、DSAの終了・自動移行開始時期を2027年2月へ延期しました。
自動作成アセット(ACA)やキャンペーン単位の部分一致設定については、当初のスケジュールに沿ってAI Maxへの移行対象となりました。
DSAを利用する対象キャンペーンのAI Maxへの自動移行開始が予定されています。対象条件や実施状況はアカウントの通知と公式情報を確認してください。
DSA・ACA・部分一致設定は別の移行対象
| 移行対象 | 開始時期 | 確認すること |
|---|---|---|
| DSA(動的検索広告) | 2027年2月予定 | 動的広告グループ、広告形式、URLルール |
| 自動作成アセット(ACA) | 2026年9月から | AI Maxのテキストのカスタマイズ設定 |
| キャンペーン単位の部分一致設定 | 2026年9月から | AI Maxの検索語句とのマッチング設定 |
これらはすべてAI Maxに関連する移行ですが、対象となる機能と開始時期は異なります。
例えば、2026年10月時点でAI Maxの設定が有効になっている検索キャンペーンでも、DSAの動的広告グループ自体はまだ移行前という場合があります。
そのため、AI Maxの有効・無効だけでなく、現在の広告グループと広告形式を確認することが重要です。
Googleの2026年4月15日付の移行発表ページでは、記事冒頭やAI生成要約などに「2026年9月」と表示される場合があります。
ただし、本文の2026年6月11日付更新でDSAの移行開始が2027年2月へ延期されたことが明記されています。最新の修正内容を優先して確認してください。
DSAからAI Maxへの移行で変わる設定とは?
動的広告グループは標準広告グループへ変換される
Google公式ヘルプによると、DSAからAI Maxへのアップグレードでは、動的広告グループが標準広告グループへ変換されます。
これまで動的広告ターゲットを使って運用していた構造が、AI Maxの機能を利用する標準広告グループへ移行する形です。
そのため、移行後は広告グループの管理方法や、関連する設定項目を確認する必要があります。
DSAの広告はレスポンシブ検索広告(RSA)へ変換される
DSAでは、Googleが広告見出しや遷移先を動的に生成し、説明文は広告主が用意します。
一方、AI Maxへの移行では、Googleが既存のDSAをRSAへ変換します。
その際、テキストのカスタマイズを利用して、RSAに必要な最小限の静的アセットを生成する仕組みです。
広告形式が変わるため、移行後は生成された広告見出し・説明文を確認する必要があります。
特に、価格、提供条件、効果に関する表現など、広告主側で確認が必要な内容が含まれていないか注意しましょう。
移行直後はDSAとRSAが一時的に並行する
Googleは、DSAからAI Maxへアップグレードした直後に広告配信を途切れさせないための移行期間を設けています。
新しいRSAが生成され、広告ポリシーの審査を受けている間は、旧DSAが引き続き配信される場合があります。
RSAが承認され、配信可能になると、旧DSAは自動的に一時停止され、閲覧専用の状態になります。
この仕組みは配信継続を支援するものですが、インプレッション数やCPAなどの広告成果を保証するものではありません。
移行前後の設定対応を整理する
| DSAで利用していた項目 | AI Max移行時の変化 | 実務上の確認 |
|---|---|---|
| 動的広告グループ | 標準広告グループに変換 | 広告グループ構成・対象範囲 |
| 動的検索広告 | RSAに変換 | 広告文・アセットの内容と審査状況 |
| 動的な広告見出し | テキストのカスタマイズなどを利用 | 自動生成文の正確性 |
| 動的広告ターゲット | AI Maxの対応設定へ移行 | 対象URL・条件・サポートされないルール |
| URLの包含・除外条件 | 一部の旧ルールが閲覧専用に | 移行後も編集できるか |
| ページフィード | 移行内容を個別確認 | URL一覧・カスタムラベル・対象範囲 |
| 検索語句レポート | AI Maxのレポート機能で分析 | 検索語句・マッチング元・CPAなど |
| 既存の成果データ | Googleがデータ引き継ぎの仕組みを案内 | 移行前後の数値とレポートの連続性 |
Googleは移行時に既存の設定やデータを引き継ぐ方針を示していますが、移行前後のすべての設定項目が同じ名称・構造で残るわけではありません。
特に、移行に対応しない旧ルールがある場合は、移行画面で警告が表示されるため、その内容を確認してから操作する必要があります。
DSAのURLターゲティング・ページフィードは移行後どうなる?
DSAで利用できる主なターゲティング
DSAでは、Webサイト内のどのページを広告配信に使用するかを、動的広告ターゲットで管理できます。
代表的な設定には次のものがあります。
| DSAの設定 | 内容 | 移行前の確認項目 |
|---|---|---|
| URL_Equals | 特定URLを対象にする | URLが現在も有効か |
| URL_Contains | 特定文字列を含むURLを対象にする | 意図しないページが含まれないか |
| Page_Title | ページタイトルの内容で対象を絞る | 移行後に閲覧専用となる可能性 |
| Page_Content | ページ本文に含まれる内容で対象を絞る | 移行後に閲覧専用となる可能性 |
| カテゴリ | Googleが分類したページ群を対象にする | 対象ページの構成 |
| ページフィード | URL一覧やカスタムラベルを利用する | 登録URL・ラベル・適用範囲 |
| 動的広告ターゲットの除外 | 特定ページを配信対象から外す | 重要な除外条件が保持されるか |
ページタイトル・ページ本文による旧ルールは編集できなくなる
Google公式ヘルプでは、DSAからAI Maxへのアップグレード後、「ページタイトルに特定の文字列を含む」「ページ本文に特定の文字列を含む」といった旧URLルールが閲覧専用になると説明しています。
閲覧専用になったルールは削除できますが、新しく追加したり、既存の条件を編集したりすることはできません。
そのため、これらのルールを利用している場合は、移行前に設定条件を記録し、今後どのように制御するかを整理しましょう。
例えば、ページタイトルに「導入事例」を含むページだけを対象にしている場合、その条件を移行後も同じ方法で変更できるとは限りません。
必要に応じてURLの追加・除外など、AI Maxで対応する設定方法を検討してください。ただし、旧条件と完全に同じ対象範囲になるとは限らないため、実際の配信結果の確認が必要です。
ページフィードとカスタムラベルを確認する
ページフィードとは、広告の対象として利用するWebページのURLを一覧で指定できる仕組みです。
DSAでは、URLとカスタムラベルを設定することで、サービスカテゴリや商品分類ごとの対象ページを管理できます。
移行前には、次の項目を確認することが重要です。
- 登録されているURLの一覧
- カスタムラベルの名称と意味
- 対象URLの追加・除外条件
- ページフィードのみを使用しているか
- Webサイト全体のインデックスも対象にしているか
- 削除済み・リダイレクト済みのURLが含まれていないか
Googleは旧URL制御の引き継ぎを案内していますが、ページフィードやラベルの運用条件がすべて自動的に同じ構造へ変換されると断定することはできません。
移行画面での警告、移行後のURL条件、実際の遷移先を確認してください。
AI Maxの最終ページURLの拡張に注意
AI Maxでは、最終ページURLの拡張を利用すると、ユーザーの検索内容に関連する別のページが広告の遷移先として選ばれる場合があります。
この機能は、テキストのカスタマイズを有効にしている場合に利用できます。
また、URLの追加を利用していても、最終ページURLの拡張が有効であれば、登録したURL以外の関連ページが使われる可能性があります。
DSAで配信対象を限定していた広告主は、移行後に対象URLが想定以上に広がっていないか確認することが重要です。
除外しておきたいページの例
- 資料請求や問い合わせの完了ページ
- 採用情報・IR情報など広告目的と異なるページ
- 掲載が終了した商品・サービスのページ
- 公開情報が古い料金ページ
- 広告審査に適さない情報を含むページ
- リダイレクトやエラーが発生するページ
配信対象ページの確認は、広告成果だけでなく、ユーザー体験やブランド表現を管理するうえでも重要です。
DSAからAI Maxへ移行する手順|Google広告管理画面での操作
Google公式ヘルプでは、DSAからAI Maxへの手動アップグレード手順が案内されています。
ここでは、その基本的な操作を紹介します。実際の画面表示はアカウントの状態によって異なる場合があります。
Google広告で対象キャンペーンを選択する
Google広告にログインし、移行対象となるDSAを利用中の検索キャンペーンを開きます。
最初に、対象キャンペーンが正しいことを確認しましょう。
キャンペーン設定を開く
設定画面から、対象となるキャンペーンを選択します。
「動的検索広告」の設定でアップグレードを選択する
「動的検索広告」の設定パネルに、AI Maxへのアップグレードに関する案内が表示されます。
案内に表示される「アップグレード」を選択します。
広告グループ・広告形式の変更内容を確認する
確認画面で、動的広告グループが標準広告グループへ変換されること、DSAがRSAへ変換されることなどを確認します。
生成される広告素材の扱いも確認しましょう。
サポートされない旧ターゲットやURLルールを確認する
移行に対応していない旧DSAターゲットが存在する場合は、警告が表示されます。
特に、移行後に閲覧専用となるルールや変更できなくなる条件がないか確認してください。
アップグレードを確定する
変更内容と運用上の影響を確認したうえで、アップグレードを確定します。
広告グループの構造や配信方法に関わる変更のため、必要に応じて社内承認や変更履歴を残しましょう。
移行後のRSAと配信状態を確認する
新しいRSAの作成・審査状況を確認します。
旧DSAは一定期間並行して配信される場合があり、RSAが配信可能になると一時停止・閲覧専用へ移行します。
検索語句・URL・コンバージョンを確認する
移行後に、検索語句、広告アセット、遷移先URL、コンバージョン、CPA、ROASなどの変化を確認します。
特定の期間だけで判断せず、予算や検索需要の変動も考慮して評価しましょう。
既存検索キャンペーンでAI Maxをオンにする操作と、DSAの動的広告グループを標準広告グループへ変換するアップグレード操作は、同じ意味ではありません。
DSAの移行を確認したい場合は、AI Maxが有効かどうかだけでなく、広告グループや広告形式が変換されているかを確認してください。
DSAからAI Maxへ今すぐ移行すべき?判断基準を整理
先行移行を検討しやすいケース
次のような場合は、先行してAI Maxへの移行を検討する意味があります。
- DSAの設定構造が比較的シンプルである
- 対象URLや除外条件を整理できている
- 広告アセットの自動生成を確認する体制がある
- コンバージョン計測が適切に動作している
- 移行前後の成果を比較するためのデータがある
- Google広告の実験機能などを利用して検証できる
先行して移行すれば、AI Maxの設定やレポートに早い段階で慣れることができます。
ただし、先に移行したほうが必ず成果が改善するという意味ではありません。
慎重に移行したいケース
一方、次のような場合は、移行前の確認に十分な時間を確保する必要があります。
- 動的広告ターゲットが多数存在する
- ページタイトルや本文を使ったターゲティングを多用している
- ページフィードとカスタムラベルで対象URLを管理している
- 広告見出しや説明文に厳格な法務確認が必要である
- サービスごとに異なるランディングページを使用している
- 広告運用をGoogle Ads APIや自動化ツールで管理している
- 現在のDSAが重要なコンバージョン獲得源になっている
このような場合は、アップグレード前にURL条件、広告アセット、連携ツールなどを整理し、移行後の管理方法を確認することが重要です。
DSAとAI Maxを実験で比較する方法
Google公式ヘルプでは、DSAとAI Maxを比較するための実験方法も案内されています。
代表的な方法は、カスタムテストを利用する方法と、AI Maxの実験テンプレートを利用する方法です。
ただし、すべてのDSAキャンペーンがAI Maxの実験テンプレートを利用できるわけではありません。
| 実験方法 | 利用の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| カスタムテスト | 実験用キャンペーンでDSAからAI Maxへの変更を指定する | 実験設定とアップグレード操作を確認する |
| AI Max実験テンプレート | AI Maxを利用する条件を比較する | 動的広告グループだけのキャンペーンには利用できない |
| DSAと標準広告グループが混在 | テンプレートで標準広告グループをAI Maxへ変更できる場合がある | 動的広告グループはそのまま残る |
特に、DSAのみで構成されたキャンペーンでは、AI Maxの実験テンプレートを利用できない点に注意が必要です。
実験を行う場合は、どの広告グループが変更対象となるかを確認してください。
DSAからAI Maxへの移行後は何を確認する?効果測定のポイント
まず広告の配信状態と審査を確認する
移行後は、RSAが正しく生成されているか、広告ポリシーの審査を通過しているかを確認します。
Googleは、RSAが配信可能になるまで旧DSAの配信を継続する移行期間を設けています。
ただし、これはあらゆる広告成果の維持を保証する仕組みではありません。
旧DSAが一時停止された後も、新しいRSAが適切な検索語句で配信されているかを確認しましょう。
検索語句レポートでマッチングの変化を確認する
AI Maxでは、検索語句レポートやキーワード関連レポートから、検索語句とのマッチング状況を確認できます。
移行前のDSAで成果が出ていた検索語句と、移行後に新しく発生した検索語句を比較すると、配信対象の変化を把握しやすくなります。
ただし、検索語句レポートはすべての検索を必ず表示するものではありません。報告されるデータの範囲や仕様も考慮して分析しましょう。
ランディングページ別の成果を確認する
DSAからAI Maxへ移行すると、URLの追加・除外や最終ページURLの拡張など、ランディングページの管理方法が変わります。
そのため、広告経由のユーザーがどのページに遷移しているかを確認することが重要です。
特に、次のような変化を確認しましょう。
- DSA時代と異なるページへの流入が発生していないか
- 広告目的と異なるページが遷移先になっていないか
- 問い合わせフォームまでの導線が維持されているか
- URL除外の対象ページに流入していないか
- ランディングページごとのCVRが変化していないか
移行前後に記録したいKPI
| 評価項目 | 確認する指標 | 見るべき変化 |
|---|---|---|
| 配信量 | 表示回数、クリック数 | 移行後に配信量が大きく変化したか |
| 広告への反応 | CTR、CPC | 広告と検索語句の関連性に変化があるか |
| 獲得成果 | CV数、CVR、CPA | 獲得効率が変化したか |
| 売上への貢献 | コンバージョン値、ROAS | 費用対効果に変化があるか |
| 検索需要 | 検索語句、マッチング元 | 新しい関連検索が増えたか |
| 広告素材 | RSAアセットの内容・掲載結果 | 生成広告文の正確性と成果 |
| ランディングページ | ページ別クリック数、CVR | 意図しない遷移先が増えていないか |
| BtoBの成果 | 有効リード率、商談化率 | 問い合わせの質が維持されているか |
移行前後の数値は単純比較だけで判断しない
DSAからAI Maxへ移行した前後では、検索需要、広告予算、入札、広告審査などの状況が異なる場合があります。
そのため、移行後のクリック数やコンバージョン数だけを見て、AI Maxの効果を断定することは適切ではありません。
可能であれば実験機能を利用し、難しい場合は同じ期間条件や広告予算を踏まえながら、変化の要因を切り分けて確認しましょう。
DSAからAI Maxへの移行前チェックリスト
キャンペーン・広告グループの確認
- DSAを使用しているキャンペーンを一覧化した
- 動的広告グループの構成を記録した
- DSAと標準広告グループの混在を確認した
- キャンペーンの予算・入札戦略を確認した
- コンバージョン目標を確認した
- 広告審査の状況を確認した
- 移行前の主要KPIを保存した
- 変更作業の担当者を決めた
URL・ページフィードの確認
- すべての動的広告ターゲットを確認した
- ページタイトル条件の利用状況を確認した
- ページ本文条件の利用状況を確認した
- ページフィードのURL一覧を保存した
- カスタムラベルを記録した
- URLの除外条件を記録した
- 404やリダイレクトのあるURLを確認した
- AI MaxのURL拡張の利用方針を決めた
広告アセット・計測の確認
- 移行後のRSAを確認する担当者を決めた
- 広告表現の確認基準を整理した
- 生成アセットの利用条件を確認した
- コンバージョン計測が正常に動作している
- トラッキングテンプレートを確認した
- Google Ads APIや外部ツールの連携を確認した
- 移行後の検証期間とKPIを決めた
- 移行後の変更履歴を記録する準備ができた
キャンペーン名、広告グループ名、DSAターゲット、ページフィード、URL除外、広告文、主なKPI、移行予定日、確認担当者を一覧にしておくと、移行後の差分確認がしやすくなります。
複数のDSAキャンペーンを運用している場合は、成果への影響が大きいキャンペーンから優先して確認することを推奨します。
DSAとAI Maxの移行に関するよくある質問
DSAはいつ廃止されますか?
Googleは、DSAからAI Maxへの自動移行を2027年2月から開始する予定です。当初の2026年9月から延期されています。これは自動移行の開始予定であり、すべてのDSAが同日に停止するという意味ではありません。各アカウントの通知と公式情報を確認してください。
DSAとAI Maxの違いは何ですか?
DSAはWebサイトの内容を利用して広告見出しや遷移先を動的に生成する広告形式です。AI Maxは既存キーワードや広告素材なども利用し、検索語句の拡張や広告文・URLの最適化を行う検索キャンペーン向けの機能群です。
DSAからAI Maxへ自動移行されますか?
Googleは、対象となるDSAキャンペーンを2027年2月からAI Maxへ自動移行する方針を発表しています。ただし、すべてのキャンペーンが同じ日時に移行されるわけではありません。対象条件や実施状況はGoogle広告の管理画面で確認してください。
DSAの動的広告グループはどうなりますか?
Google公式ヘルプによると、AI Maxへのアップグレード時に動的広告グループは標準広告グループへ変換されます。既存のDSA広告はRSAへ変換されるため、移行後は広告グループの構造と広告素材を確認する必要があります。
DSAのページフィードは引き継がれますか?
Googleは移行時に旧URL制御を引き継ぐ方針を示しています。ただし、ページフィードやカスタムラベルのすべてが、移行後も同じ方法で管理できると断定することはできません。移行前にURLとラベルを保存し、移行画面の警告と移行後の設定を確認しましょう。
DSAのURLルールは移行後も編集できますか?
一部の旧ルールは編集できなくなります。Google公式ヘルプでは、ページタイトルやページ本文に特定文字列を含む条件などが移行後に閲覧専用となり、削除はできるものの、新規追加や編集はできないと説明されています。
移行中に広告が配信されなくなることはありますか?
Googleは新しいRSAの生成と審査が完了するまで、旧DSAの配信を継続する移行期間を設けています。ただし、配信量や成果が必ず維持されるわけではありません。移行後は広告審査、配信状態、コンバージョンを確認する必要があります。
DSAを利用している場合、今すぐAI Maxへ移行すべきですか?
すべての広告主が今すぐ移行すべきとは限りません。DSAの設定構造がシンプルで、URL制御と計測環境を確認できる場合は先行移行を検討できます。一方、複雑なURLルールやページフィードを使用している場合は、影響を整理してから移行することが重要です。
DSAとAI Maxは実験で比較できますか?
Google公式ヘルプでは、カスタムテストなどを利用して比較する方法が案内されています。ただし、DSAのみで構成されたキャンペーンはAI Maxの実験テンプレートを利用できないなどの制限があります。対象キャンペーンの構造に応じて実験方法を選択してください。
まとめ|DSAからAI Maxへの移行は広告構造とURL設定の確認が重要
本記事のポイントは次のとおりです。
- DSAはWebサイトの内容から広告見出しや遷移先を動的に生成する広告形式です。
- AI Maxは検索語句とのマッチングや広告素材・URLの最適化を行う機能群です。
- DSAのAI Maxへの自動移行開始は2027年2月予定です。
- ACAとキャンペーン単位の部分一致設定は2026年9月から移行対象となっています。
- DSA移行時には動的広告グループが標準広告グループへ変換されます。
- DSAの広告はRSAへ変換され、必要な広告素材が生成されます。
- ページタイトルや本文を使用した旧URLルールの一部は、移行後に閲覧専用となります。
- ページフィードやURL除外条件は移行前に記録しておくことが重要です。
- 移行後は検索語句・広告素材・遷移先URL・コンバージョンを確認しましょう。
特に、複数のサービスページや商品ページを対象としてDSAを運用している企業では、移行後のURL制御が重要な確認項目となります。
また、AI Maxでは検索語句とのマッチングや広告文の最適化が広がる一方で、広告主による監視と評価が不要になるわけではありません。
DSAからAI Maxへ移行する前に、現在の配信対象・広告文・除外設定・成果指標を整理し、移行後も意図した広告配信が維持されているか確認することが重要です。
Google広告では、DSAからAI Maxへのアップグレード手順と、移行時に変換される設定が案内されています。実際の移行前には、最新の公式ヘルプをご確認ください。
Google公式|DSAからAI Maxへの移行手順を見る →関連記事|AI Maxの仕組みと主要機能
AI Maxの基本的な仕組みや検索語句とのマッチング、テキストのカスタマイズ、最終ページURLの拡張などについては、以下の記事も参考にしてください。
AI Maxの全体像から、機能・導入メリット・P-MAXとの違い・運用時の注意点まで解説しています。
参考情報|Google公式発表・ヘルプ
本記事では、Googleの公式発表と広告ヘルプを参照し、DSAからAI Maxへの移行について整理しています。
- Google|We’re upgrading Dynamic Search Ads to AI Max
2026年4月15日発表、6月11日更新。DSAの自動移行時期と旧機能の移行方針
- Google広告ヘルプ|動的検索広告について
DSAの仕組み、検索語句とのマッチング、動的な広告生成、移行予定
- Google広告ヘルプ|検索キャンペーン向けAI最大化設定をセットアップする
DSAからの移行手順、広告グループ・RSAへの変換、旧URLルールの扱い
- Google広告ヘルプ|動的検索広告のターゲットについて
URL、ページタイトル、ページ本文、カテゴリ、カスタムラベルなどの設定
- Google広告ヘルプ|フィードを使用して動的検索広告とP-MAXをターゲット設定する
ページフィード、URL一覧、カスタムラベル、フィードの管理
- Google広告ヘルプ|動的検索広告の検索語句レポートについて
DSAの検索語句、広告見出し、ランディングページの分析
- Google広告ヘルプ|AI最大化設定のレポートについて
AI Maxの検索語句・広告アセット・ランディングページの効果測定
本記事は2026年10月21日時点で確認できるGoogle公式情報に基づいて作成しています。DSAの自動移行開始予定は2027年2月ですが、実施条件や対象キャンペーン、管理画面で利用できる機能は変更される可能性があります。ページフィードの引き継ぎ状況や設定変換の詳細は、実際の移行画面で確認してください。本文の移行準備、チェックリスト、評価方法は広告運用担当者向けの実務上の提案であり、移行後の成果を保証するものではありません。

「IMデジタルマーケティングニュース」編集者として、最新のトレンドやテクニックを分かりやすく解説しています。業界の変化に対応し、読者の成功をサポートする記事をお届けしています。

