「その施策、なぜ提案するのですか?」——AIが答えを出す時代だからこそ、この問いが重みを増しています。
広告のターゲティング、訴求軸、クリエイティブ、予算配分。生成AIは多くの施策案を短時間で並べられます。しかし、「なぜその顧客に、なぜその訴求なのか」まで説明できるでしょうか。
ad:tech Tokyo 2026のインティメート・マージャーのブース(C-21)で、AIリサーチエージェントのデモを体験した広告代理店様から、印象的な反応がありました。今回はその声をヒントに、10月23日(金)Day2の注目セッションを「根拠ある施策提案」という視点から紹介します。
※来場者の反応は、会場でのヒアリングメモを匿名化・要約したものです。施策効果や導入成果を検証した実績ではありません。
AIが施策を提案してくれたら、企画の準備が一気に進みそうだね!
……その案をクライアントに説明するとき、根拠は何と答えるの?
そこなんだ! 施策の理由をデータで示せると、提案の質が変わるかもしれない。
1. 広告代理店様が評価したのは、分析ではなく「提案の根拠」
当日のヒアリングでは、広告代理店様から、一般的な生成AIではリサーチに時間がかかることと、生成AIの回答が意図からズレる場合があることへの課題感が挙がりました。
一方、AIリサーチエージェントのデモ体験では、施策立案部分について、「提案の根拠をデータで示せるのが使えそう」という評価が寄せられました。特に注目されたのは、競合との比較結果から、ターゲットや広告施策の提案理由を考えられる点です。
これまでの悩み
リサーチに時間がかかる。生成AIの回答がズレて、施策案の妥当性を説明しにくい。
デモで期待された価値
顧客や競合に関するデータを手掛かりに、なぜその施策を提案するのかを説明しやすくする。
これは一人の来場者から得られた定性的な反応ですが、AIによる「調査の時短」だけでなく、提案の説得力を支える根拠へのニーズを考えるうえで示唆があります。

データを使っているなら、その提案は必ず正しいの?
そうとは限らないよ。データで確認できた事実と、そこから立てた施策仮説は分けて考えるんだ。
なるほど。「根拠がある」と「効果が確定している」は別なのね。
2. 根拠を持ったAI提案に必要な「3つの層」
提案を説得的にするには、AIが出した結論をそのまま採用するのではなく、「事実」「解釈・仮説」「検証計画」を切り分けることが大切です。
① データで確認できたこと
自社と競合の関心層の違いや共通点。母数・取得条件・利用可能なデータ範囲を確認する。
② AIが考えた施策仮説
どの顧客層を狙い、どんな訴求が響く可能性があるかを検討する。
③ 実際に確かめる方法
配信テスト・KPI・判断基準を設定し、効果を検証する。
例えば、仮に「自社と競合の両方に関心を示すユーザー層」が確認できたとします。そこから「比較広告が有効かもしれない」と考えるのは仮説です。実際に効果があるかは、配信や顧客調査などで確かめなければ分かりません。

この順番なら、クライアントから「なぜこのターゲットなのか」「なぜこの訴求なのか」と問われた際にも、説明の筋道を整理しやすくなります。
3. Day2で考えたい、AI時代の施策提案を変える4セッション
今回の広告代理店様の声と重なるDay2の見どころは、分析を意思決定に変えること、何を指標にするか決めること、そして顧客の兆しをどう読み取り、表現へつなげるかの3点です。
14:35〜15:25|“分析止まり”から脱却する ── データを意思決定に変える方法(DT-6)
「分析はしたがアクションにつながらない」「数値は見えても意思決定に使えない」という現場の課題から、データを価値ある判断へ変える実践ポイントを議論するセッションです。
提案に生かす問い:分析結果を、誰がいつ何を実行するかまで落とし込めているか。
セッションの詳細は公式プログラムへ。
13:30〜14:20|KPIは何を捨て、何を見るべきか(DT-5)
日々追っているKPIが本当に事業成長に役立っているのかを問い、運用指標の罠や、良いKPIの考え方を掘り下げます。
提案に生かす問い:CTRやCPAの改善だけでなく、提案先の事業成果とどう結びつけるか。
セッションの詳細は公式プログラムへ。
14:35〜15:25|顧客の“兆し”を捉える ── 行動・ソーシャルデータと現場感覚から見つける新しいニーズ(BM-6)
行動・ソーシャルデータと現場の情報を組み合わせ、新しい顧客ニーズの仮説をどう組み立てるか。バイアスへの対処や施策化もテーマです。
提案に生かす問い:競合関心層の特徴を、思い込みではなく複数の手掛かりから考えられるか。
セッションの詳細は公式プログラムへ。
15:40〜16:30|AIはクリエイティブの質を高めるのか ── 量産時代における“選び抜く力”(DT-7)
コンテンツの大量生成が進むなか、クリエイティブの質とリスクを見極める「選び抜く力」を考えるセッションです。
提案に生かす問い:数多くのAI案から、データとブランドの文脈に合う表現を選べるか。
セッションの詳細は公式プログラムへ。
※「顧客の“兆し”を捉える(BM-6)」と「“分析止まり”から脱却する(DT-6)」は、ともに14:35〜15:25の開催です。関心に合わせてどちらかを選んでください。時間・参加条件は公式プログラムをご確認ください。
「分析から施策へ」「良いKPI」「顧客の兆し」。全部、提案を強くするための話につながっているね!
ただし、セッションを聞いただけでは提案書は完成しないわ。
その通り! 聞いたことを自社の商材に置き換えて、実際に検証するところまで考えたいね。
4. ブースC-21では「提案の理由」まで考える3ステップを体験
インティメート・マージャーのブースでは、AIリサーチエージェントを使用したデモをご案内しています。IM-DMPのデータを手掛かりに、自社・競合のユーザー理解から、施策提案と優先順位付けまで考える流れです。
データ・ディスカバリー・エージェント(DDA)は、データをAIとの対話で探索し、顧客の特徴や施策の仮説を見つけるための考え方です。今回のブースデモで使用しているのはAIリサーチエージェントであり、すべてのDDA機能を体験できるという意味ではありません。

STEP 1|顧客理解
自社と競合の商品・ブランドに関心を持つ層の属性や興味関心を比較する。
STEP 2|施策の仮説
どの層へ、どんな訴求を行うかを検討し、その理由となるデータと推測を区別する。
STEP 3|意思決定
施策の期待効果・実行のしやすさを整理し、テスト計画やKPIに落とし込む。
例えば広告代理店様であれば、「競合商品への関心が高い層に、どのような広告訴求を試すべきか」という問いを持ち込むと、提案の進め方を具体的にイメージしやすくなります。EC支援、媒体社、事業会社などの立場でも、同じ考え方を応用できます。
※デモで示される評価や優先順位は、分析条件に基づく提案・仮説です。広告成果を保証するものではありません。利用可能なデータ、母数、媒体へのターゲティング適用にはそれぞれ条件があります。
「データを使っているから正しい」ではなく、「このデータから、こう考えた」と説明するのね。
うん! さらに「どう確かめるか」までセットなら、打ち合わせの次の一手が見えてくるんだ。
それなら、提案書の見栄えよりも、意思決定の質に近づけそうね。
その施策、「なぜ」をデータで説明できますか?
AIが施策を考えること自体は、特別なことではなくなりつつあります。これから大切になるのは、顧客と競合への理解を根拠に、実行する施策を選び、その理由を説明できることではないでしょうか。
Day2のセッションで得たヒントを、ぜひ自社の提案やマーケティング課題に置き換えてみてください。

「なぜこの施策なのか?」を、AIとデータで一緒に考えてみませんか。
番外編|iM(アイム)くんの休日
休日、iM(アイム)くんがMia(ミア)を新しいパン屋へ誘いました。
このパン屋、口コミがたくさんあるから絶対おいしいよ!
……まだ食べていないのよね?
うん。でも、調査はバッチリなんだ!
だったら、次のステップは試食ね。調査報告書だけでお腹はいっぱいにならないもの。

iM(アイム)くん|IMマーケティングニュースのデータ活用ナビゲーター
好奇心旺盛で、いつも前向き。「まずやってみよう!」がモットーなんだ!
IM-DMPをはじめとするデータやAIの活用方法を、マーケティングの身近な課題や具体例を交えながらわかりやすく解説するよ。
冷静で分析が得意なパートナー・Mia(ミア)と一緒に、データから新しい仮説やインサイトを発見し、マーケティングの次のアクションにつなげていくんだ!
