【ついに実用段階】テレビCMが“触れる広告”に変わる|インタラクティブCTV広告の勝ち筋
「インタラクティブCTV広告」は、長い間デモが先行しがちでした。
ところが最近、視聴者の行動習慣(リモコン操作・一時停止・同時にスマホを見るなど)と、広告配信・計測・運用の整備が噛み合い、現場で使える選択肢として存在感が増しています。
本記事では、デジタルマーケ担当者向けに、インタラクティブCTV広告の基本から、運用設計・クリエイティブの勘所・導入手順までを整理します。
一時停止・ホーム画面・オーバーレイなど、視聴体験と相性のよい枠から「当たり前の運用」に近づいています。
🗺️ 目次(クリックで移動)
イントロダクション
テレビCMに「クリック」や「購入導線」を載せる話は、昔からありました。
しかし実際の現場では、実装のばらつき、視聴体験の毀損リスク、計測と運用の難しさが壁になり、限定的な活用に留まりがちでした。
最近になって状況が変わりつつあります。CTV(コネクテッドTV)視聴が一般化し、広告枠・配信・計測・フォーマットが整理され、インタラクティブが「特別な企画」から「運用できる施策」へ近づいてきました。
🧪 これまで:デモは魅力的、運用は難しい
インタラクティブは“見栄え”が良い反面、デバイス・アプリ・配信面ごとに仕様が違い、制作や配信が属人化しやすい領域でした。
その結果、施策が一回限りになり、学びが積み上がりにくいケースも出ます。
🔍 いま:視聴者行動に合わせた「自然な接点」が増えた
視聴中の一時停止、ホーム画面、番組連動の投票・選択など、“操作が発生する場面”が明確になりました。
視聴者が自分の意思で操作するタイミングは、押し付け感が出にくく、インタラクティブと相性が良いです。
ただし、やみくもにボタンやQRを付けると逆効果になりやすいので、まずは“勝ちパターン”を押さえるのが近道です。
概要
インタラクティブCTV広告は、CTV上で表示される広告に「次の行動」を組み込み、視聴者がリモコンや画面操作を通じて反応できる広告フォーマットの総称です。
代表例としては、一時停止時に表示される広告、映像上に重なるボタン、ホーム画面・メニュー上の広告、視聴中に選択できる投票・参加型の体験などがあります。
🧩 インタラクティブCTV広告の“分類メモ”
- 一時停止(Pause)系:視聴者が止めた瞬間の“余白”に出る。視聴体験を壊しにくい
- オーバーレイ(Overlay)系:映像の上にボタンやカードを重ねる。導線は強いが出し方が重要
- ホーム/メニュー(Home & Menu)系:アプリ起動時や番組選択時の面。規格・サイズの違いが壁になりやすい
- 参加/選択(Participation)系:投票や選択で番組体験に関与。企画性が高いが設計次第で伸びる
- ショッパブル(Shoppable)系:商品情報や遷移導線を載せる。受け皿(LP/在庫/導線)設計が要
🧠 なぜ「いま」実用に寄ってきたのか
CTV広告に慣れた広告主が増え、フォーマット提案も活発になりました。さらに、計測や配信の基盤が整い、施策を“繰り返し回す”前提が作りやすくなっています。
つまり、インタラクティブは「技術がある」だけでなく「運用できる」条件が揃ってきたということです。
🧯 ここが難しい(初心者がハマる点)
インタラクティブは、動画広告よりも設計要素が増えます。
クリエイティブ、UI、配信面、計測、受け皿、運用ルールがつながっていないと、反応が伸びにくくなります。
まずは“少ない型”でスタートし、勝ち要素を増やすのが安全です。
※本記事は一般的な運用設計の考え方を整理したものです。個別のメディア仕様や配信可否は各プラットフォームの案内をご確認ください。
利点
インタラクティブCTV広告の価値は、「派手に見える」ことよりも、マーケ実務で扱いやすい“改善ポイント”が増えることにあります。
ここでは、説明しやすい利点を実務目線でまとめます。
-
🎯“視聴の余白”を使って行動を促せる
一時停止やメニューなど、視聴者が自分の意思で操作する場面は、広告が割り込みに見えにくい傾向があります。
無理に押さずとも「気になったら次へ進める」導線を置けるのが強みです。 -
🧩動画×導線がセットになり、設計の自由度が上がる
動画で興味を作り、同じ画面の中で次のアクションへつなげられます。
ただし、導線の出し方は繊細なので、段階的に強める設計が現実的です。 -
🔍“どこで反応が落ちたか”を見つけやすい
ボタン表示、選択、遷移などの中間行動があると、改善の仮説を作りやすくなります。
クリエイティブ改善も「刺さらない」だけではなく、具体的な手当がしやすいです。 -
🧠テレビ運用が“デジタルらしく”なる
企画一発勝負ではなく、運用で学びを積み上げる設計に寄せやすいです。
マーケティングのPDCAをテレビ領域にも持ち込みやすくなります。 -
🧰標準化が進むほど、制作・配信の負担が下がる
仕様が揃ってくるほど、毎回ゼロから作らずに回せます。
“型を作る→型を回す”に移行できると、社内説明もしやすくなります。
ただし成功の前提は、“視聴の邪魔をしない”こと。ここを外すと反応が伸びにくくなります。
応用方法
ここからは、インタラクティブCTV広告を「どの目的で使うか」を、よくある現場シーンに落とし込みます。
それぞれ、設計の勘所と注意点をセットでまとめます。
🧭 認知→検討の“橋渡し”に使う
狙い:テレビ視聴で興味が生まれた瞬間に、比較・理解へ進む導線を用意する。
勘所:押し付けない。「もっと知りたい人だけが進める」余白を残す。
注意:情報を詰め込みすぎると読まれにくいので、1画面1メッセージを意識する。
🛒 ショッパブルで“迷いを減らす”
狙い:興味を商品理解へつなげ、次の行動を軽くする。
勘所:テレビ側では「商品を決めさせる」よりも、「選びやすくする(比較の入口を作る)」が現実的。
注意:受け皿(LPや商品一覧)が弱いと、せっかくの関心がこぼれやすい。
🧩 一時停止面で“自然に目に入る”導線
狙い:視聴の余白に、視線を邪魔せず情報を置く。
勘所:「今すぐ」より「気になったら」。軽いCTAで十分なケースも多い。
注意:派手な演出より、視認性と読みやすさを優先する。
🎮 参加型で“記憶に残す”
狙い:投票・選択などの参加体験で、ブランドの想起を強める。
勘所:参加のハードルを下げる(選択肢は少なく、迷わない)。
注意:企画が強い分、運用の再現性を持たせるために“型”を作る。
✍️ グラレコ風:インタラクティブCTVの“勝ち筋フロー”
(現場で説明しやすいように、設計の順序を可視化しています)
🎯 目的を決める
認知/検討/来店/問い合わせなど、
“どの一歩を増やすか”を先に固定します。
🕰️ 接点を選ぶ
一時停止/ホーム/オーバーレイ/参加型など、
視聴体験と相性のよい場面を選びます。
🧩 クリエイティブを整える
1画面1メッセージ。
“押せる”より“わかる”を優先します。
🧭 受け皿を用意する
遷移先の情報設計・速度・導線を確認。
迷いが増えると離脱が起きやすいです。
🔍 計測と改善を回す
反応が落ちる箇所を見つけ、
文言・表示タイミング・導線を調整します。
🧰 “型”として横展開
勝ち要素をテンプレ化し、
制作と運用の負担を下げます。
✅ 応用チェック(社内共有に便利)
- 視聴体験を壊さない“出す場所”になっているか
- 視認性(読みやすさ)を優先しているか
- CTAは強すぎず、次の行動が想像できるか
- 受け皿(LP/フォーム/商品一覧)が迷わない設計か
- 改善ポイント(どこを変えるか)が見える設計になっているか
導入方法
インタラクティブCTV広告の導入は、「いきなり凝った企画」をやるより、まずは運用しやすい型(例:一時停止面)から始めると成功確度が上がります。
ここでは、マーケ担当が主導しやすい導入ステップを、現場の粒度で整理します。
最初から全デバイス・全アプリを狙うと、仕様差分で疲弊しやすいので、まずは勝ち要素を固めましょう。
-
A
目的とKPIを“軽く”決める(迷わない程度でOK)
まずは「何を増やすか」を明確にします。
例:商品理解の進行、資料請求、店舗検索、ブランド想起など。
目的が決まると、どのインタラクティブが合うか(出す場所・導線)が選びやすくなります。 -
B
最初の枠は“視聴の邪魔をしにくい”ところから
一時停止面は、視聴者が自分で止めた瞬間に出せるため、割り込み感が出にくいケースがあります。
まずはここで「表示→反応→遷移」の一連を回し、勝ち要素を作ると次へ広げやすいです。 -
C
クリエイティブは“1メッセージ+1行動”に絞る
テレビ画面は情報を詰め込むほど読まれにくくなります。
伝えることは一つに絞り、ボタンや誘導は「何が起きるか」が想像できる表現にします。
例:詳細を見る/ラインナップを見る/近くの店舗を探す、など。 -
D
受け皿(LP/フォーム/商品一覧)を“迷わない”構造にする
クリックできても、遷移先で迷うと関心がこぼれます。
受け皿は、最初の一画面で「次に何をすれば良いか」がわかる構造にすると、改善が回しやすいです。 -
E
“改善点が分かる設計”で運用する
ボタン文言、表示タイミング、表示位置、遷移先の導線など、調整できるレバーを最初から持っておくと改善が楽になります。
いきなり多数の要素を変えず、少数のレバーを順に調整するのが現実的です。 -
F
うまくいった要素をテンプレ化して横展開
クリエイティブのレイアウト、文言の型、受け皿の構造、確認手順をテンプレにすると、施策が安定します。
標準化できるほど、企画に頼らず運用で成果を積み上げやすくなります。
🧰 導入で用意しておくと強い“運用セット”
- 出し分けルール:どの面・どのタイミングで出すか
- クリエイティブテンプレ:1メッセージ+1行動の型
- 受け皿テンプレ:迷わないLP構造(上部に結論+次の行動)
- 改善レバー表:文言・位置・タイミング・導線など
- 社内共有メモ:学び・次の仮説・注意点を短く残す
※インタラクティブの細かな仕様(表示条件・制作要件・計測可否)は、メディアやプラットフォームで異なります。導入時は、配信先の仕様確認を最初に行いましょう。
未来展望
インタラクティブCTV広告は、次のフェーズとして「標準化」と「在庫の広がり」が鍵になります。
特に、複数の配信先で同じ設計を再現しやすくなるほど、運用型のマーケ施策として扱いやすくなります。
🧩 標準化が進むほど“運用”に近づく
フォーマットが揃うと、制作コストや確認工数が下がり、検証サイクルが回りやすくなります。
今後は、ボタン、QR、オーバーレイなどの基本要素がより扱いやすくなり、導入の心理的ハードルが下がる可能性があります。
📺 次の注目枠は“ホーム/メニュー”
一時停止枠が普及すると、次はホーム画面・メニューなど、別の接点が注目されやすくなります。
ただしここはUI差分が大きい領域なので、当面は「どこまで共通化できるか」が課題になりやすいです。
🧠 既存動画資産の“使い回し”が重要になる
新規制作を増やすより、既存の動画資産にフレームやオーバーレイを足して再利用する発想が広がる可能性があります。
これが進むと、インタラクティブが“特別な制作”から“運用の拡張”に寄っていきます。
🔍 計測は“わかりやすい指標”から整備される
インタラクティブの価値を説明するためには、複雑な分析よりも、まずは分かりやすい反応指標が重要です。
現場では「改善につながる指標を持てるか」が採用の分岐点になります。
🧭 2026年の実務で意識したいポイント
- 「視聴者の操作タイミング」に合わせた設計ができているか
- 企画性よりも、継続運用のしやすさ(テンプレ化)を優先できているか
- 配信先の仕様差分を吸収する運用(確認・制作・QA)が整っているか
- 改善レバーが少数でも良いので、確実に回せる設計になっているか
まとめ
インタラクティブCTV広告は、長く「可能性の話」が先行してきました。
しかし、視聴者の操作行動に合う枠(例:一時停止)や、運用の標準化が進み、現場で試しやすい状況が整いつつあります。
重要なのは、派手な機能ではなく、視聴体験に溶け込む導線設計と、小さく始めて標準化する運用です。
✅ 今日の持ち帰り(要点)
- インタラクティブは「割り込み」ではなく「余白に置く」発想が合う
- 最初は一時停止など、視聴体験を壊しにくい枠から始める
- クリエイティブは“1メッセージ+1行動”で迷わせない
- 受け皿(LP/フォーム/一覧)が弱いと関心がこぼれやすい
- 勝ち要素をテンプレ化すると、施策が運用型に育つ
次のアクションに迷ったら、「目的を一つに絞る」「一時停止枠で小さく検証する」「勝ち要素をテンプレ化する」の3点から着手すると進めやすいです。
FAQ
インタラクティブCTV広告は、どの目的に向いていますか?
「認知」だけでなく、「検討に進ませる」「比較の入口を作る」「店舗検索や資料請求につなげる」といった“次の一歩”に向いています。
ただし、強い導線を前提にするより、「気になった人が進める」設計の方が、視聴体験を壊しにくく運用もしやすいです。
最初に選ぶべきフォーマットは何ですか?
初回は、一時停止面など「視聴者の操作が発生するタイミング」に出る枠が取り組みやすいです。
企画性の高い参加型は魅力がありますが、運用や制作の要素が増えるため、まずは型を作ってから拡張するのがおすすめです。
クリエイティブで失敗しやすいポイントは?
情報を詰め込みすぎることです。テレビ画面は、短い時間で理解してもらう必要があります。
「1画面1メッセージ」「CTAは1つ」「次に何が起きるかが分かる文言」を意識すると、改善の方向性も作りやすくなります。
“ショッパブル”は本当に機能しますか?
機能する可能性はありますが、テレビ側で完結させようとすると難易度が上がります。
現実的には、テレビでは興味を作り、遷移先で迷いを減らして行動につなげる設計が進めやすいです。受け皿(LPや商品一覧)の品質が重要になります。
運用を続けるために、何を標準化すべきですか?
まずは「出す場所(接点)」「1メッセージの型」「受け皿の型」「改善レバー(変える箇所)」をテンプレ化すると安定します。
仕様差分がある領域ほど、確認手順とQAの型もセットで整備すると、担当者が変わっても回しやすくなります。
“視聴の邪魔をしない”ための目安はありますか?
目安は「視聴者の操作が起点になっているか」「画面が散らかっていないか」「押さなくても視聴が継続できるか」です。
迷ったら、導線の強さを上げる前に、視認性とわかりやすさを優先して設計すると失敗が減ります。
参考サイト
本記事は、以下の英語記事を参考にしつつ、デジタルマーケ担当者向けに一般化して再構成しています。
- AdExchanger Interactive CTV Ads Were Mostly Talk – Until Now
※参考記事内の個別事例・数値・固有の表現は、本記事では表示せず、実務に使いやすい観点に整理しています。

「IMデジタルマーケティングニュース」編集者として、最新のトレンドやテクニックを分かりやすく解説しています。業界の変化に対応し、読者の成功をサポートする記事をお届けしています。

