Yahoo!広告 検索広告における入札戦略の最適化に使用するコンバージョンの選択機能

Yahoo広告
著者について

はじめに

デジタル広告の世界では、常に新しい機能や最適化の方法が登場しています。その中でも、Yahoo!広告の検索広告において、2024年秋頃に導入予定の新機能が注目を集めています。この新機能は、入札戦略の最適化に使用するコンバージョンをキャンペーン単位で選択できるようにするものです。この記事では、この新機能の詳細と、それがもたらす可能性について探っていきます。

新機能の概要

Yahoo!広告の検索広告に導入される新機能は、広告主がキャンペーンの目的に合ったコンバージョンのみで自動入札の学習を最適化できるようにするものです。これにより、広告効果の向上が期待されています。この機能では、コンバージョンの選択方法として2つのオプションが用意されています:

  1. 「コンバージョンの発生元」と「コンバージョン測定の目的」を指定する方法
  2. 「コンバージョングループ」を作成してキャンペーンに設定する方法

これらの方法を使うことで、広告主は自社のマーケティング目標に最も適したコンバージョンを選択し、入札戦略の最適化に活用することができます。

コンバージョンの発生元とは

「コンバージョンの発生元」は、この新機能で導入される新しい項目です。これは、コンバージョンが発生する場所を「ウェブサイト」「アプリ」「電話」のいずれかにシステムで分類するものです。

キャンペーン単位で使用するコンバージョンを「コンバージョンの発生元」と「コンバージョン測定の目的」で指定することで、条件に合致したコンバージョンのみが最適化に使用されるようになります。これにより、より精緻な入札戦略の最適化が可能になります。

コンバージョングループの活用

「コンバージョングループ」は、任意のコンバージョン設定をまとめて事前に作成し、キャンペーン単位で使用するコンバージョンとして設定できる機能です。この機能の特徴は、コンバージョンの発生元や目的にかかわらず柔軟に設定できる点です。

例えば、ECサイトを運営する広告主が、商品購入につながるコンバージョンのみを最適化に使用したい場合、「コンバージョンの発生元」を「ウェブサイト」、「コンバージョン測定の目的」を「購入」に設定することで、商品購入に関連するコンバージョンのみで入札戦略の最適化が行われるようになります。

また、アプリ内課金と広告収入の両方を目的とするアプリ関連のキャンペーンでは、「コンバージョングループ」を作成し、アプリ内課金と広告クリックのコンバージョン設定をまとめて設定することで、両方のコンバージョンを最適化に使用できます。

コンバージョン数の計上方法の変更

この新機能の導入に伴い、「コンバージョン数」の計上方法にも変更が加えられます。キャンペーン単位で最適化に使用するコンバージョンを選択した場合、広告管理ツールのパフォーマンスデータおよびパフォーマンスレポートの「コンバージョン数」には、選択したコンバージョン設定の数値のみが計上されるようになります。

この変更により、広告主はキャンペーンの目的に合ったコンバージョンの数値を正確に把握し、効果的な広告運用を行うことができるようになります。

注意点と推奨される使用方法

新機能の導入には注意点もあります。キャンペーン単位で使用するコンバージョンを選択すると、入札戦略の最適化に使用するコンバージョン数が少なくなり、学習が想定より進まないなどの事象が発生する可能性があります。

そのため、この機能は継続的に一定のコンバージョン数が見込めるキャンペーンでの利用が推奨されています。広告主は、自社のキャンペーン規模や目的を考慮しながら、この機能の活用を検討する必要があります。

機能の利用イメージ

この新機能の利用イメージをより具体的に理解するために、いくつかの例を見てみましょう。

  1. ECサイトの場合:
    商品購入につながるコンバージョンのみを最適化に使用したい場合、「コンバージョンの発生元」を「ウェブサイト」、「コンバージョン測定の目的」を「購入」に設定します。これにより、商品購入に関連するコンバージョンのみで入札戦略の最適化が行われます。
  2. アプリ運営企業の場合:
    アプリ内課金と広告収入の両方を目的とするキャンペーンでは、「コンバージョングループ」を作成し、アプリ内課金と広告クリックのコンバージョン設定をまとめて設定します。これにより、両方のコンバージョンを最適化に使用できます。
  3. リード獲得を目的とする企業の場合:
    ウェブサイトでのフォーム送信と電話問い合わせの両方をコンバージョンとしてカウントしたい場合、「コンバージョングループ」を作成し、ウェブサイトと電話のコンバージョン設定をまとめて設定します。

これらの例からわかるように、新機能を活用することで、より細かくキャンペーンの目的に合わせた入札戦略の最適化が可能になります。

まとめと今後の展望

Yahoo!広告 検索広告に導入予定の新機能は、広告主のキャンペーン目的に合わせたきめ細やかな最適化を可能にするものです。コンバージョンの選択機能を活用することで、より効果的な広告運用が実現できると期待されています。

今後、Yahoo!広告 検索広告では、AI技術の進歩などを背景に、さらに高度な最適化機能が提供されていく可能性があります。広告主は、自社のビジネス目標に合わせて、これらの機能を効果的に活用していくことが重要です。

適切なコンバージョンの選択と設定により、広告効果の向上と運用の効率化を実現できるでしょう。ただし、機能の特性や注意点を十分に理解した上で活用することが必要です。継続的に一定のコンバージョン数が見込めるキャンペーンでの利用を心がけ、効果を測定しながら運用を最適化していくことが成功への鍵となるでしょう。