GA4活用術:URLクエリパラメータ除外で統一されたデータ分析を実現

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はじめに

こんにちは、デジタルマーケティングの世界で日々奮闘している皆さん。今日は、Google Analytics 4(GA4)におけるURLクエリパラメータの除外について詳しくお話しします。この設定は、データ分析の精度を高める上で非常に重要な要素です。

皆さんも「同じページなのに、なぜか別々に計測されてしまう…」といった経験はありませんか?それは恐らく、URLクエリパラメータが原因かもしれません。今回は、この問題を解決し、より正確で統一されたデータ分析を実現する方法をご紹介します。

URLクエリパラメータとは

まずは基本から。URLクエリパラメータとは、URLの末尾に付加される追加情報のことです。通常、「?」や「&」で始まり、キーと値のペアで構成されます。

例えば、「https://example.com/page?utm_source=facebook&utm_medium=cpc」というURLがあった場合、「utm_source=facebook」と「utm_medium=cpc」がクエリパラメータです。

これらのパラメータは、広告キャンペーンの追跡や動的なコンテンツの表示など、様々な目的で使用されます。しかし、GA4ではこれらのパラメータを含むURLを別々のページとして認識してしまうため、データ分析が複雑になる可能性があります。

GA4でのURLクエリパラメータ除外の重要性

GA4では、従来のユニバーサルアナリティクスと異なり、URLクエリパラメータを簡単に除外する機能が標準では提供されていません。これは、多くのマーケターにとって頭の痛い問題となっています。

パラメータを除外しないと、以下のような問題が発生する可能性があります:

  1. 同一ページが複数のURLとして計測され、正確なページビュー数が把握できない
  2. コンバージョン率やユーザー行動の分析が困難になる
  3. レポートが複雑化し、重要なインサイトを見逃す可能性がある

これらの問題を解決するためには、URLクエリパラメータを適切に除外する設定が必要不可欠です。

GTMを使ったURLクエリパラメータ除外の方法

GA4でURLクエリパラメータを除外するには、Google Tag Manager(GTM)を使用するのが効果的です。以下に、その手順を詳しく説明します。

  1. GTMで新しい変数を作成:
    • 変数タイプとして「カスタム JavaScript」を選択
    • URLからパラメータを除去するスクリプトを記述
  2. GA4設定タグの修正:
    • page_locationパラメータに、先ほど作成した変数を指定
  3. テストと確認:
    • GTMのプレビューモードを使用して、設定が正しく機能しているか確認
    • GA4のDebugViewで、実際にパラメータが除外されているか確認
  4. 変更の公開:
    • テストが成功したら、GTMの変更を公開

この方法を使うことで、GA4でもURLクエリパラメータを効果的に除外し、より正確なデータ分析が可能になります。

除外すべきURLクエリパラメータの選定

すべてのURLクエリパラメータを無条件に除外するのは適切ではありません。分析に必要なパラメータもあるからです。以下に、一般的に除外を検討すべきパラメータと、保持すべきパラメータの例を挙げます。

除外を検討すべきパラメータ:

  • fbclid(Facebookのクリックトラッキング)
  • gclid(Google広告のクリックトラッキング)
  • utm_*(UTMパラメータ。ただし、別途トラッキングしている場合)

保持すべきパラメータの例:

  • product_id(商品IDなど、ページの内容を特定するためのパラメータ)
  • category(カテゴリページを識別するためのパラメータ)

パラメータの選定は、自社のウェブサイトの構造や分析の目的に応じて慎重に行う必要があります。

URLクエリパラメータ除外後のデータ分析のポイント

URLクエリパラメータを除外した後は、データ分析の方法も少し変わってきます。以下に、いくつかのポイントをご紹介します。

  1. ページビューの統合:
    同一ページのデータが統合されるため、より正確なページビュー数やユーザー行動が把握できます。
  2. コンバージョン率の再評価:
    パラメータ除外前後でコンバージョン率が変化する可能性があります。新しいデータを基に、目標や戦略の見直しを検討しましょう。
  3. ユーザーフローの分析:
    パラメータが除外されることで、よりクリーンなユーザーフローが可視化されます。これを基に、サイト内の導線改善を検討できます。
  4. キャンペーン効果の測定:
    UTMパラメータを除外した場合、別途キャンペーンデータを収集・分析する方法を確立する必要があります。

これらのポイントを押さえることで、より深い洞察を得ることができ、効果的なマーケティング戦略の立案につながります。

注意点とベストプラクティス

URLクエリパラメータの除外は強力なツールですが、いくつかの注意点があります:

  1. 過去データとの比較:
    パラメータ除外を実施すると、過去のデータとの直接比較が難しくなる場合があります。重要な指標については、除外前後のデータを別々に保管しておくことをおすすめします。
  2. 定期的な見直し:
    ウェブサイトの更新や新しいマーケティングキャンペーンの開始に伴い、除外すべきパラメータも変化する可能性があります。定期的に設定を見直しましょう。
  3. チーム内での共有:
    URLクエリパラメータの除外設定は、データ分析に大きな影響を与えます。設定内容や変更履歴をチーム内で共有し、認識を合わせることが重要です。
  4. テスト環境の活用:
    本番環境に適用する前に、テスト環境でパラメータ除外の影響を十分に確認しましょう。

これらの点に注意しながら、URLクエリパラメータの除外を実施することで、より信頼性の高いデータ分析が可能になります。

まとめ:データ分析の精度向上へ

GA4におけるURLクエリパラメータの除外は、正確なデータ分析を行う上で非常に重要な設定です。適切に実施することで、以下のようなメリットが得られます:

  • より正確なページビュー数の把握
  • ユーザー行動の深い理解
  • 効果的なコンバージョン率の分析
  • クリーンで洞察力のあるレポートの作成

しかし、この設定は単に技術的な作業ではありません。ビジネスの目標や分析の目的を十分に理解した上で、戦略的に実施する必要があります。

デジタルマーケティングの世界は日々進化しています。GA4の機能を最大限に活用し、常に一歩先を行くデータ分析を実現しましょう。皆さまのビジネスが、正確なデータに基づいて新たな成長を遂げることを心から願っています。データ駆動型マーケティングの新時代を切り開いていきましょう!