【現場あるある】データ分析で失敗する人が最初に見てる指標、だいたい間違い
データ分析の失敗は、ツールの使い方よりも「最初に見る指標の選び方」で起きやすいです。
特にデジタルマーケの現場では、手元に指標が多すぎて、つい“分かりやすい数字”から見てしまいがちです。
本記事では、ありがちな間違いパターンをほどきながら、最初に見るべき指標の決め方と、現場で使えるチェック手順をテンプレ化して紹介します。
イントロダクション
「まずはセッション数を見ます」
「最初にCTRを見ます」
「とりあえずCVRを確認します」
こうした“最初の一手”は分かりやすい一方で、状況によっては判断を誤らせます。
データ分析は、数字を並べる作業ではなく「意思決定のための確認作業」です。
だから、最初に見る指標は「見やすい指標」ではなく、問題の種類を切り分けられる指標が向いています。
🤹 “最初の指標”で失敗しやすい理由
- 見たいもの(期待)に引っ張られて指標を選ぶ
- 指標が多く、手元のダッシュボードに影響される
- 「現象」と「原因」を同じ指標で語ってしまう
- 指標の分母・分子の中身を見ないまま結論を急ぐ
🎯 本記事の結論(先に言う)
- 最初に見るべきは「入口」でも「出口」でもなく分解できる指標
- “良し悪し”判断より先に、どの工程で崩れているかを切り分ける
- 指標は「単体」ではなく、セット(組)で見ると誤読が減る
なぜなら、最初の一手で“どこが壊れているか”の見当がつくからです。
概要
「最初に見る指標」が間違いになる3つのパターン
ここでいう「だいたい間違い」とは、指標そのものが悪いのではなく、見る順番が合っていないという意味です。
特に次の3パターンで、分析が迷子になりやすくなります。
🧩 パターン:入口の指標から見て迷う
セッション数やクリック数など、入口の数字は把握しやすい一方で、原因の切り分けが難しいことがあります。
「増えた・減った」の事実は分かっても、どこを直すべきかが決まりにくいです。
🧯 パターン:出口の指標だけ見て焦る
CV数やCVRは重要ですが、最初に見ると「原因不明の焦り」になりやすいです。
まずは工程分解をして、どの段階で崩れているかを特定したほうが動きやすくなります。
🪄 パターン:単体指標で結論を出す
CTRが上がった=良い、CPAが下がった=良い、とは限りません。
分母・分子の構造が変わると、見かけの改善が起きることがあります。
分析の基本は「工程分解」と「指標セット」
迷いにくい分析は、次の2点を押さえています。
「どこで崩れたか」を工程で分解し、指標はセットで確認する。これだけで誤読がかなり減ります。
🖍️ グラレコ風:工程分解の考え方
露出(見える) 反応(クリック) 体験(LP) 行動(中間) 成果(CV) 継続(LTV)
「どの工程が崩れているか」が分かれば、見るべき指標も、やるべき施策も絞れます。
最初の目的は「原因を断定する」ではなく、原因の候補を狭めることです。
そのために、最初に見る指標は“分解力”があるものが向いています。
利点
「最初に見る指標」を変えるだけで、分析の質が上がる理由はシンプルです。
人は、最初に見た数字を基準に考え始めます。だから、最初の指標が“切り分けに向いている”ほど、次の判断が整理されます。
🧭 迷いが減る
入口や出口の数字だけを見ていると、要因が多すぎて論点が散らかります。
切り分けに向いた指標セットから入ると、論点が絞られます。
🧩 施策の優先順位が付けやすい
「どの工程が崩れているか」が分かると、施策候補が工程単位で整理されます。
いきなり全体を直そうとする動きが減ります。
🧯 関係者に説明しやすい
指標単体の増減より、「工程のどこで崩れたか」のほうが、共有しやすいです。
合意形成が早くなるケースがあります。
その意味で、“最初の指標”の選び方は実務のスピードに直結します。
応用方法
まず押さえる:「最初に見がちな指標」と、ズレやすい理由
ここでは、マーケ現場でありがちな「最初に見てしまう指標」を取り上げ、なぜズレやすいかを整理します。
目的は、指標を否定することではなく、いつ・どの順番で見ると良いかの感覚を作ることです。
🧨 ありがちな“最初の指標”と落とし穴
| 最初に見がち | ズレやすい理由 | 代わりに見ると良いセット |
|---|---|---|
| セッション数/ユーザー数 | 増減の要因が多く、工程のどこが崩れたかが分かりにくい | チャネル別の「入口→次工程」セット(流入+次の行動) |
| CTR | 分母(表示)と分子(クリック)の中身が変わると見かけが動く | CTR+クリック後の行動(LP到達・主要イベント) |
| CVR | 流入の質が変わるとCVRが動く。施策の良し悪しと混同しやすい | CVR+流入の構成(チャネル・検索語・広告訴求) |
| CPA | 費用の増減とCVの増減が混ざり、どちらが原因か分かりにくい | 費用+CV+工程別の落ち(どこで離脱したか) |
| 平均滞在時間 | ページ構成や計測条件でぶれやすく、目的と結びつかないことがある | 主要行動(スクロール・クリック・フォーム到達など) |
| 直帰率 | 定義や計測条件で解釈が揺れやすい。結論が雑になりがち | 入口ページ別の次行動(回遊・離脱ポイント) |
指標単体は「現象」を示すことが多いです。
最初は「現象」ではなく、工程のどこで崩れているかを示すセットから入ると迷いにくくなります。
分析を外しにくくする「最初の指標セット」5選
ここからは、現場で使いやすい「最初の指標セット」を紹介します。
いずれも、原因を断定するためではなく、崩れている工程を特定するためのセットです。
🧭 セット:入口の構成 × 次の行動
- 入口(チャネル/キャンペーン/検索語のまとまり)
- 次の行動(LP到達後の主要イベント、回遊、フォーム到達など)
- 目的:流入の「量」ではなく「質の変化」を掴む
🧩 セット:主要ページ × 入口の違い
- 主要ページ(LP・記事・カテゴリなど)
- 入口の違い(広告/検索/SNS/メルマガなど)
- 目的:同じページでも入口によって崩れ方が違うのを見つける
🧯 セット:工程別の落ち(ファネル)× 変化点
- 工程(閲覧→クリック→フォーム到達→送信 など)
- 変化点(いつから/どのセグメントで)
- 目的:崩れた工程を特定し、関係者に渡せる形にする
🪄 セット:費用の構成 × 成果の構成
- 費用(どこに使ったかの内訳)
- 成果(どの成果が増減したかの内訳)
- 目的:CPAの上下を「費用要因」と「成果要因」に分ける
🧠 セット:品質(確認項目)× 例外(外れ値)
数字を見始める前に、最低限の「確認項目」をチェックしておくと、誤読が減ります。
ここでいう品質とは、データの正しさを厳密に証明する話ではなく、分析に耐える状態かの確認です。
確認項目(例)
・主要イベントが想定通り発火しているか
・セグメント(チャネル/キャンペーン)の分類が変わっていないか
・計測対象のページや導線が直近で変わっていないか
例外(外れ値)を扱う
・特定日の急増/急減が、施策か運用変更かを切り分ける
・1つのセグメントだけが極端に動いていないかを見る
・原因が分からない外れ値は、まず隔離して全体判断から外す
“間違いにくい分析”の会話テンプレ
データ分析は一人で完結しないことが多いです。
関係者と会話する場面を想定し、誤解が起きにくいテンプレも用意します。
会話テンプレ(原因を決めつけない言い回し)
ポイントは「断定」ではなく「工程の候補を狭める」ことです。合意形成が進みやすくなります。
導入方法
ここでは、日々の分析業務に“最初の指標セット”を組み込む方法を、運用として落とします。
個人のスキルに依存しないように、チェック順とメモの型を用意します。
最初の5分でやる「分析スタート手順」
🧭 グラレコ風:最初の5分の動き
品質チェック 例外の隔離 工程の切り分け セグメントで比較 仮説を一文にする
この順番にすると、「結論を急ぐ」癖を抑えながら、打ち手につながる整理がしやすくなります。
チェックリスト(コピペして運用にする)
週次・日次で使えるチェックリストです。ダッシュボードの上に貼るだけでも効果があります。
✅ まず確認する(品質と前提)
- 主要イベントが想定通りに発生しているか
- 導線やページ構成に直近で変更がないか
- セグメントの分類が変わっていないか(チャネル/キャンペーン等)
- 急な外れ値があれば、まず隔離して扱う
🔎 次に確認する(工程の切り分け)
- 入口の構成が変わったか(どこが増えた/減ったか)
- 入口→次行動が崩れていないか(LP後の主要行動)
- 工程の落ちがどこにあるか(どこで離脱が増えたか)
- 費用と成果の内訳がどう動いたか(構成で見る)
分析メモの型(上司・チーム共有用)
分析結果は、数字よりも「何が起きて、次に何をするか」が伝わると実務が進みます。
以下は、共有しやすいメモの型です。
分析メモテンプレ(短くても伝わる)
共有時は「原因を断定しない」「工程と次の確認を明確にする」がポイントです。
分析を属人化させないために、“最初の5分”をルール化するのが有効です。
ルール化すると、分析の質が人によってブレにくくなります。
未来展望
今後、マーケのデータは増え続け、指標も細分化されます。
その環境で成果を出す分析は、「たくさん指標を知っている」よりも、「迷わない順番を持っている」ことが重要になりやすいです。
🧭 指標は増える、だから“順番”が価値になる
ツールが増えるほど、見られる数字は増えます。
そのとき、最初の指標選びができる人ほど、意思決定が速くなります。
🧩 “セットで見る文化”が重要になる
指標単体の議論は誤読を生みやすいです。
工程分解と指標セットで話す文化があると、改善が積み上がりやすくなります。
🧯 分析は「説明力」に寄っていく
現場の分析は、レポートのためではなく、合意形成のために行われることが増えます。
工程で説明できる分析は、意思決定の場で役に立ちやすいです。
そのために、最初に見る指標を“分解できる指標セット”へ寄せる価値が上がります。
まとめ
「最初に見る指標」を変えるだけで、分析の迷いは減らせます。
重要なのは、分かりやすい数字から入るのではなく、工程のどこが崩れているかを切り分けられる指標セットから入ることです。
✅ 要点まとめ
- 指標が間違いなのではなく、見る順番が合っていないと誤読が起きやすい
- 最初は「入口」や「出口」より、工程の切り分けを優先する
- 指標は単体ではなく、セット(組)で見ると原因候補が狭まる
- 品質チェックと外れ値の隔離を先にすると、誤解が減る
- 分析メモは「現象→工程→次の確認→打ち手」で短くまとめる
免責:本記事は一般的な分析の考え方と運用テンプレの解説です。指標の定義や計測条件は、利用しているツールや設定により異なる場合があります。
FAQ
Q. 最初に見る指標は、結局どれが正解ですか?
1つの正解はありません。目的は「原因を断定する」ではなく、工程のどこが崩れているかを切り分けることです。
そのため、入口・体験・行動・成果をつなげる指標セットから入るのが実務では安定しやすいです。
Q. 指標が多すぎて、毎回見るのが大変です。
最初に見る指標を固定し、必要なときだけ掘る運用がおすすめです。
まずは「最初の5分で見るセット」を定義し、そこから工程が崩れているところだけ詳細を見ると、負担が増えにくいです。
Q. CTRやCVRが良いのに、成果につながりません。
指標単体の見かけが良くても、分母・分子の中身が変わっていることがあります。
入口の構成や、クリック後の主要行動、工程別の落ち方をセットで確認すると、ズレが見つかりやすいです。
Q. 外れ値が多くて、どれを信じて良いか分かりません。
外れ値は、まず隔離して全体判断から外し、原因候補として扱うのが安全です。
施策・運用変更・導線変更など、外れ値が起きやすい要因を先に確認し、工程の切り分けに戻って判断すると迷いにくいです。
“分析が当たらない”ときの立て直し手順
🧩 立て直しの3ステップ
- 指標単体の議論を止めて、工程(入口→体験→行動→成果)に戻す
- セグメントを変えて比較し、崩れている範囲を特定する
- 仮説を一文にし、次の確認と打ち手を小さく試す
迷ったときほど、「工程」と「比較(セグメント)」に戻るのが効果的です。

「IMデジタルマーケティングニュース」編集者として、最新のトレンドやテクニックを分かりやすく解説しています。業界の変化に対応し、読者の成功をサポートする記事をお届けしています。


