データで進化するSNSマーケティング
SNS運用を成果につなげるために必要なデータ活用とは何か。本セミナーで語られた実践事例と戦略の考え方を解説します。
登壇者紹介
本セミナーには、データ活用とSNSマーケティングの最前線で活躍されている三名が登壇されました。株式会社インティメート・マージャーの代表取締役社長である簗島亮次氏は、データ分析やアルゴリズム開発の分野で豊富な実績を持ち、DMPを中心としたデータドリブンマーケティングを推進されています。株式会社ガイアックスの板谷昂洋氏は、ソーシャルメディアマーケティング事業部にて多様な企業のSNS戦略設計から運用までを支援してきた経験をお持ちです。そして株式会社CREAVAの星夏実氏は、インサイドセールスの立場から、企業が抱えるSNS運用のリアルな課題や現場の声を数多く見てこられました。
セミナーの背景と問題意識
近年、SNSは企業活動において欠かせないマーケティングチャネルとなっています。しかし実際の現場では、「どのSNSを使えばよいのかわからない」「フォロワーは増えているが売上につながっているのか判断できない」といった悩みを抱える企業が少なくありません。
本セミナーは、こうした課題に対して「データドリブンなSNSマーケティング」という視点から解決の糸口を探ることを目的として開催されました。SNSを単なる発信の場として捉えるのではなく、データを通じて顧客を理解し、戦略的に活用していく重要性が全体を通して共有されました。
キーメッセージと発言ハイライト
セミナーの中で繰り返し語られたキーワードは、「感覚ではなくデータで判断する」という姿勢でした。簗島氏は、SNS流入の質を把握する重要性について次のように述べています。
SNSから来てくれた人がどのような属性で、どのような興味関心を持っているのかを知ることが、次の施策を考える上で非常に重要です。(簗島氏)
また、板谷氏からはSNS媒体選定の考え方についての示唆がありました。
SNSは単体で考えるものではなく、ターゲットと目的に応じて複数を組み合わせて設計することが重要です。(板谷氏)
星氏は、企業から多く寄せられる相談内容として、次のような点を挙げています。
フォロワーが増えない、投稿の反応が伸びないという悩みの多くは、誰に向けたコンテンツなのかが整理されていないことに起因しています。(星氏)
実践的な取り組みと事例
セミナーでは、具体的な企業事例を通じて、データとSNSを掛け合わせた実践的な取り組みが紹介されました。CREAVAでは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したSNS運用を行い、エンゲージメント率やフォロワー転換率の大幅な向上を実現しています。UGCとは、企業が制作した広告素材ではなく、一般ユーザーやクリエイターが制作したコンテンツを指し、共感を得やすい点が特徴です。
ガイアックスでは、ソーシャルリスニングを活用した分析が紹介されました。ソーシャルリスニングとは、SNS上の投稿や口コミを分析し、消費者の本音や傾向を把握する手法です。これにより、ユーザーインサイトを捉えたコンテンツ設計が可能になります。
インティメート・マージャーでは、DMPを活用した顧客分析の事例が共有されました。DMPとは、さまざまなデータを統合・分析するための基盤であり、ファーストパーティデータ(自社で取得した顧客データ)やサードパーティデータ(外部から取得したデータ)を組み合わせることで、より立体的な顧客理解が可能になります。
今後の展望とまとめ
SNSマーケティングは今後、さらに複雑化していくと考えられます。フォロワー数やインプレッションといった表面的な指標だけでは成果を判断できず、「どのような人に届き、どのような行動につながったのか」を把握することが重要になります。
本セミナーを通じて示されたのは、SNSを売上に直結させる魔法の施策ではなく、データを活用して仮説検証を繰り返す姿勢の大切さでした。SNSはあくまでマーケティング施策の一部であり、データ分析や他チャネルとの連携によって初めて、その価値が最大化されます。
データを味方につけたSNSマーケティングに取り組むことが、今後の競争環境を勝ち抜くための大きな鍵になると言えるでしょう。
