ポストクッキー時代の成功法則 – IMUIDとロジカドの共通ID戦略
サードパーティークッキー規制の影響が広がる中、デジタルマーケティングの在り方が問われています。本記事では、株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏、SMN株式会社の松本剛氏、生野隆介氏の3名が登壇したセミナーの内容を基に、ポストクッキー時代に求められる共通ID戦略について解説します。
登壇者紹介
- 簗島亮次氏(株式会社インティメート・マージャー代表取締役)
- 松本剛氏(SMN株式会社)
- 生野隆介氏(SMN株式会社)
サードパーティークッキー規制の現状と影響
サードパーティークッキー規制には法律面とブラウザ提供事業者による規制の2種類があります。SafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)によって、すでにサードパーティークッキーを取得できるブラウザの割合は40%弱まで減少しており、特にiPhoneユーザーへのリーチが難しくなっているため、若年層や高所得者層へのアプローチに課題が生じています。(簗島氏)
※ITP…Safariに搭載された、サードパーティークッキーによるトラッキングを制限する機能。
ポストクッキー時代に求められる共通ID戦略
インティメート・マージャーではIMUID(Intimate Merger User ID)と呼ばれる共通IDを提供しています。これはファーストパーティークッキーを使わずにデジタルマーケティングを行うための基盤となっております。SMN株式会社のDSPであるロジカドでも、IMUIDを活用したリターゲティングやオーディエンスターゲティングが可能です。
IMUID…インティメート・マージャーが提供する共通ID。ファーストパーティークッキーに依存しない。
IMUIDを選んだ理由として累積型のIDであることと対応済みのメディアが多いことの2点があります。確定IDと比較してユーザー精度は若干劣るものの、配信ボリュームを出しやすいのが累積IDの特徴です。(生野氏)
IMUID導入による配信効果の事例
実際にIMUIDを導入したロジカドでは、iOS向けのリターゲティング配信でCVが大幅に改善しました。あるフィットネスクラブの案件では、導入前のCPAが2万5千円以上だったのが、導入後には4,200円まで下がりました。メディカルダイエットの案件でも、CPAが23,000円から22,000円まで改善し、KPIをクリアしつつ配信量を伸ばすことができました。
IMUIDの導入によってiOSのコンバージョンをしっかりと計測できるようになったことが、配信効果の改善につながったと分析しています。コンバージョンデータを機械学習に活用することで、より最適な配信が可能になると述べています。(松本氏)
まとめ
サードパーティークッキー規制が進む中、従来の手法に固執するのではなく、共通IDを活用した新たなアプローチが求められています。インティメート・マージャーとSMN株式会社の取り組みは、ポストクッキー時代のデジタルマーケティングの在り方を示す好事例と言えるでしょう。規制の影響を受ける前に、自社に合ったソリューションを見つけ、備えておくことが重要です。