【ケース別】Google広告のコンバージョン設定の具体例

Google広告

はじめに

Google広告におけるコンバージョン設定は、広告効果を正確に測定し、投資対効果(ROI)を向上させるために重要な要素です。ただし、ビジネスの種類や目的によって適切なコンバージョン設定は異なります。これらの事例を参考に、自社の広告運用を最適化し、より効果的なデジタルマーケティング戦略を構築しましょう。

ECサイトのコンバージョン設定

ECサイトの場合、主要なコンバージョンは商品の購入です。以下の設定例を参考にしてください。

  1. 購入完了ページのタグ設定
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」
    • カウント方法:「すべてのコンバージョン」
    • 値:「取引ごとに異なる値」(実際の購入金額を設定)
  2. 動的リマーケティング用のタグ設定
    • 商品ページ閲覧:ecomm_prodid、ecomm_pagetype、ecomm_totalvalue
    • カート追加:ecomm_addtocart
    • 購入:ecomm_purchase
  3. 拡張eコマーストラッキングの設定(Googleアナリティクスと連携)
    • 商品インプレッション、クリック、カート追加、購入などの詳細なデータを取得

ECサイトでは、購入金額を正確に追跡することで、広告費用対効果(ROAS)を算出し、より緻密な運用が可能になります。

リード獲得型ビジネスのコンバージョン設定

BtoBサービスや資料請求が主な目的のサイトでは、以下のようなコンバージョン設定が効果的です。

  1. お問い合わせフォーム送信
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」
    • カウント方法:「ユニーク」(重複カウントを避けるため)
    • 値:「1回のコンバージョンに関する固定値」(リードの平均値を設定)
  2. 資料のダウンロード
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」
    • カウント方法:「すべてのコンバージョン」
    • 値:「1回のコンバージョンに関する固定値」(資料の種類によって異なる値を設定)
  3. 電話問い合わせ
    • コンバージョンタイプ:「電話クリック」
    • カウント方法:「ユニーク」
    • 値:「1回のコンバージョンに関する固定値」(電話問い合わせの平均値を設定)

リード獲得型ビジネスでは、リードの質が重要です。CRMと連携し、最終的な成約率や顧客生涯価値(LTV)を考慮したバージョン値の設定が理想的です。

アプリ運営企業のコンバージョン設定

アプリのインストールや利用促​​進を目的とする場合、以下のようなコンバージョン設定が有効です。

  1. アプリインストール
    • コンバージョンタイプ:「アプリインストール」
    • カウント方法:「ユニーク」
    • 値:「1回のコンバージョン相当固定値」(ユーザー獲得上限を考慮して設定)
  2. アプリ内購入
    • コンバージョンタイプ:「アプリ内アクション」
    • カウント方法:「すべてのコンバージョン」
    • 値:「取引ごとに異なる値」(実際の購入金額を設定)
  3. 特定のアプリ内アクション(レベルアップ、記事閲覧など)
    • コンバージョンタイプ:「アプリ内アクション」
    • カウント方法:「すべてのコンバージョン」
    • 値:「1回のコンバージョンに応じた固定値」(アクションの重要度に応じて設定)

アプリ運営企業の場合、Firebase SDKを活用することで、より詳細なユーザー行動データを取得し、緻密な広告運用が可能になります。

コンテンツメディアのコンバージョン設定

ニュースサイトやブログなど、広告収益型のコンテンツメディアでは、以下のようなコンバージョン設定が考えられます。

  1. ページビュー数
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」(カスタムイベントを使用)
    • カウント方法:「すべてのコンバージョン」
    • 値:「1回のコンバージョン相当固定値」(平均広告収益を考慮して設定)
  2. 滞在時間
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」(カスタムイベントを使用)
    • カウント方法:「すべてのコンバージョン」
    • 値:「1回のコンバージョン相当固定値」(滞在時間に応じて段階的に設定)
  3. ニュースレター登録
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」
    • カウント方法:「ユニーク」
    • 値:「1回のコンバージョン相当固定値」(メールマーケティングの価値を考慮して設定)

コンテンツメディアの場合、ユーザーエンゲージメントを重視したコンバージョン設定が効果的です。Googleアナリティクスと連携し、ページビュー数や滞在時間などの詳細なデータを活用しましょう。

複合的なビジネスモデルのコンバージョン設定

ECサイトとコンテンツメディアを併用するような複合的なビジネスモデルの場合、以下のようなコンバージョン設定が考えられます。

  1. 商品購入(ECサイト部分)
    • 上記「ECサイトのコンバージョン設定」を参照
  2. コンテンツ閲覧(メディア部分)
    • 上記「コンテンツメディアのコンバージョン設定」を参照
  3. 会員登録
    • コンバージョンタイプ:「ウェブサイト」
    • カウント方法:「ユニーク」
    • 値:「1回のコンバージョン相当の固定値」(会員の平均LTVを考慮して設定)

複合的なビジネスモデルでは、各コンバージョンの重要度を正しく設定し、総合的な広告効果を測定することが重要です。また、クロスセル・アップセルの機会を考慮したコンバージョン値の設定も効果的です。

コンバージョン設定の注意点

コンバージョン設定を行う際は、以下の点に注意しましょう。

  1. 重複カウントの防止
    • 同一ユーザーによる複数回のコンバージョンをどう扱うか、ビジネスモデルに応じて正しく設定する。
  2. アトリビューションモデルの選択
    • ラストクリックだけでなく、ファーストクリックやリニアなど、適切なアトリビューションモデルを選択する。
  3. コンバージョン値の定期的な見直し
    • ビジネスの変化や季節変動に応じて、コンバージョン値を定期的に見直し、最適化する。
  4. プライバシーへの配慮
    • GDPR、CCPAなどのプライバシー規制に準拠し、ユーザーの同意を得た上でデータ収集を行います。
  5. クロスデバイストラッキングの活用
    • ユーザーIDを活用し、複数のデバイスにまたがるユーザーの行動を正確に追跡する。

まとめ

Google広告のコンバージョン設定は、ビジネスモデルや目的に応じて正しく行うことが重要です。本記事で紹介した具体例を参考に、自社の状況に合わせたコンバージョン設定を行い、広告効果の測定精度を向上させましょう。正しくなコンバージョン設定は、広告運用の効率化だけでなく、ビジネス全体の成長戦略にも大きな影響を与えます。定期的に設定を見直し、常に最適な状態を維持することがデジタル、マーケティング成功の鍵となります。

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