データクリーンルームとプライバシーテック – ポストクッキー時代のデータ活用術

セミナーブログ

登壇者紹介

まず初めに、登壇者のお二人をご紹介します。

株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏は、デジタルマーケティングの第一人者であり、数多くの企業のマーケティング支援を行ってきました。

「本日のセミナーでは、弊社の持つデータを使って、クッキーが取れないブラウザでもユーザー分析ができるような環境やレポートについてお話しさせていただきます。」(簗島氏)

 

もう一人の登壇者であるAcompanyの佐藤氏は、ITコンサルティングや財務改善のコンサルティングなどを経験し、現在は株式会社カンパニーでCOとしてプライバシーテックを用いた新しいデータの利活用に取り組んでいます。

「弊社ではプライバシーテクノロジーとプライバシーリスクの両輪を専門として事業を行っています。本日はこれらに関連して、弊社が取り組んでいる内容についてお話しできればと思います。」(佐藤氏)

 

クッキー規制の現状とデータ活用の課題

セミナーの冒頭では、クッキー規制の現状とデータ活用における課題について議論が交わされました。

簗島氏によると、Google Chromeのサードパーティクッキー規制が始まったことで、多くの企業がクッキー規制の影響を感じ始めているとのこと。アドテク系の会社の中には、規制の影響でCPAが悪化しているところもあるそうです。

一方で、データ活用における課題として、これまでのようなターゲティング広告ができなくなる中で、どのような代替手段を用いてデータを活用していくかを考えなければならないという点が挙げられました。

佐藤氏は、プライバシー保護とデータ活用の両立という観点から、データクリーンルームに注目が集まっていると指摘。データクリーンルームを用いることで、企業は自社の保有するファーストパーティデータと外部データを組み合わせ、プライバシーに配慮しながらデータ活用を進められるようになると説明しました。

プライバシーを考慮した効果的なデータ活用と広告戦略

後半のセッションでは、プライバシーを考慮した上で、いかに効果的なデータ活用と広告戦略を立てられるかについて議論が行われました。

簗島氏は、サードパーティクッキーに代わる手法として、自社で収集したファーストパーティデータを最大限活用することの重要性を指摘。ただし、ファーストパーティデータだけでは限界があるため、提携先企業など外部データとの連携も必要になると述べました。

佐藤氏は、プライバシー保護とデータ活用を両立するための技術的なアプローチとして、データクリーンルームにおける秘密計算*などのプライバシーテックに言及。個人を特定せずに機械学習モデルを構築したり、統計的な分析を行ったりできるため、規制に適合しながらもデータ活用が可能になると説明しました。

また、両氏は今後のデータ活用の方向性として、自社データと外部データを掛け合わせ、プライバシーに配慮しつつ、機械学習などを用いて効果的な広告配信を行うことが重要になると指摘。データを分析するだけでなく、得られた知見を実際の広告配信に活かしていく仕組み作りが求められると述べました。

*秘密計算:データを暗号化したまま処理を行い、個人情報を保護しながら計算結果だけを得られる技術。

まとめ

クッキー規制が本格化する中、企業はプライバシーに配慮しながら、効果的なデータ活用と広告配信を行うことが求められています。本セミナーでは、データクリーンルームをはじめとするプライバシーテックの活用や、自社データと外部データの組み合わせによる新たなアプローチの可能性が示されました。

株式会社インティメート・マージャーでは、これからもデータとテクノロジーを活用し、クライアント企業のマーケティング支援を行ってまいります。ポストクッキー時代のデータ活用について、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。