BtoBマーケティングにおけるカスタマージャーニーの作成手順とポイント

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カスタマージャーニーの理解と重要性

「カスタマージャーニー」とは、顧客が製品やサービスを買うまでの一連の体験のプロセスを指すビジネス用語です。Tokyo Digital Marketing Institute(TDMI)の調査によれば、BtoBマーケティングにおいて、カスタマージャーニーの理解と活用が効果的なマーケティング戦略の決定要素になります。

製品認知、情報収集、考慮、判断、購入という、顧客が経験する5つのフェーズを理解することで、マーケティング活動の最適化につながります。これらのフェーズは線形ではなく、顧客ごとに順序や時間が異なるため、各顧客のジャーニーを個別に把握して戦略を立てることが求められます。

カスタマージャーニーの作成手順

カスタマージャーニーの作成には以下の手順をたどります。まずは自社の製品やサービスを購入する顧客像(ペルソナ)を設定します。性別、年齢、職業、趣味、購買動機などを詳細に設定し、そのペルソナが製品にたどり着くまでのきっかけや過程を具体的に描き出します。

次に、ペルソナの各フェーズで何を感じ、何を思い、何を行動するのかを明確化します。このとき、フェーズごとの情報源やコンタクトポイントも特定します。そのフェーズでのペルソナの感情や思考、行動、情報源、コンタクトポイントをマッピングし、これがカスタマージャーニーの基礎となります。

カスタマージャーニーを活用するポイント

カスタマージャーニーを活用したマーケティングでは、各フェーズでの顧客のニーズに応じたアプローチが求められます。認知フェーズでは、製品やサービスの存在を知らせるための広報や宣伝活動を行います。情報収集フェーズでは、製品の特長や価格、使用感などの詳細情報を提供します。考慮フェーズでは、他の選択肢と比較して自社製品の優位性を訴求します。判断フェーズでは、顧客が自社製品を選びやすいようなサポートやキャンペーンを実施します。購入フェーズでは、購入プロセスをスムーズにするための対策を講じます。

また、カスタマージャーニーは一度作成したら終わりではありません。顧客の購買行動や市場環境の変化に応じて定期的に見直し、更新することが重要です。テストと評価を繰り返しながら、顧客体験を継続的に最適化することで、より高い効果を得られます。

BtoBマーケティングにおけるカスタマージャーニーの適用

BtoBマーケティングにおいてもカスタマージャーニーの作成・活用は有効です。ただし、BtoCと比較して決定者が多様であるため、課題解決に焦点を当てたアプローチが必要となります。BtoBでは製品やサービスを良いと感じるだけではなく、その提案がビジネス上の問題をどのように解決するのかを示すことが求められます。

製品やサービスの選定から購入に至るまでのフェーズでは、情報提供や価格交渉、営業との面談などのタッチポイントが増えるため、これらを適切にマネージメントすることで顧客体験を最適化します。また、優れた製品やサービス、提示された解決策だけでなく、購入後のサポートや継続的な関わりを提供することで、長期的な顧客ロイヤルティを確保します。