MECEの基本原則とマーケティングでの活用法を解説

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MECE(ミーシー)の基本原則

マーケティングの世界では様々な分析手法が使われますが、その中でも多くの人が使っている手法の一つがMECE(ミーシー)の原則です。MECEとはMutually Exclusive、Collectively Exhaustive(相互排他的で総体的に網羅的)を意味し、問題を明確に理解し、解決に導くためのロジカルシンキングフレームワークです。

シンプルに言うと、MECEの原則は「重複なく、欠落無く」の2つの軸で全てを分けて考えるというもの。すなわち、相互に重複する要素なく(相互排他的)、全体が網羅されている(総体的に網羅的)という意味が込められています。この考え方を使うことで、問題解決に必要な情報が欠落することなく、また重複することもなく、全体像を見ることができます。

これは従来の問題解決の枠組みが主に「原因と結果」を考えるのに対し、MECEでは「全体と部分」を問うため、新たな視点で問題を捉え直すことができるのが特徴です。

MECEの基本的な活用法

MECEの活用法はその名の通り、問題を独立した要素に分解し、それぞれを評価すること。具体的には、問題やビジネスケースをMECEに基づいてセグメント化(分割)し、それぞれのセグメントについて分析を行うことにより、問題全体を理解し、解決策を導き出すことができます。

それぞれの問題を独立して考えることで、混乱を避け、重複や欠落無く、全体像を見ることが可能になります。また、問題をセグメント化することで、問題の全体像を把握するだけでなく、その一部一部における解決策を描き出す能力も養われます。

この考え方は、極めてロジカルで、具体的なアクションプランを導き出す上で強力な手法となるため、コンサルティング業界を始めとしたビジネス界隈で広く応用されています。

マーケティングにおけるMECEの活用法

それでは、具体的にマーケティングにおけるMECEの活用法を見ていきましょう。マーケティングにおいてもMECEの原則は有用で、市場分析や顧客セグメンテーション、商品開発やプロモーション策定など、さまざまな場面で活用することができます。

例えば、新しいプロダクトの開発を行う場合、顧客ニーズを把握するのに顧客インタビューや市場調査を行うでしょう。ここで、顧客や市場をMECEの原則に基づきセグメンテーションすれば、顧客のニーズに的確に応えたプロダクト開発が可能となります。また、マーケティングや広告キャンペーンを計画する際にも、ターゲットとする顧客をMECEの原則に基づきセグメント化し、それぞれのセグメントに最適化したメッセージや媒体を選定することで、より効果的な結果を引き出せます。

マーケティングにおけるMECEの活用ケースはこれだけに止まらず、競合分析、販売チャネルの最適化、販売予測など、様々な局面で有効に活用することができます。

MECEの注意点と活用強化のポイント

しかし、MECEの原則は強力なツールである反面、使い方を誤ると逆効果になることもあります。最も大きな落とし穴は、全てをMECEの原則に基づき分解しすぎてしまうことです。細分化が過ぎると、全体像が見えにくくなり、また重要な視点を見失ってしまうことがあります。そこで、分析のバランスを見つつ、適切な粒度でセグメンテーションすることが重要となります。

また、分析結果を導き出すだけで終わらせず、実際のアクションに結びつけることが大切です。MECEは問題解決の手段であり、ゴールではありません。セグメンテーションを行ったら、それをどのように活用するのか、具体的なアクションプランを立てることを忘れてはならないです。

MECEの強化のためには、絶えず問い続け、反省し、改善する姿勢が必要です。問題解決のプロセスを振り返ることで、それぞれの問題に対する適切なMECEの活用法を見つけることができます。

MECEの原則を理解し、適切に活用する事で、マーケティング活動はより的確で効果的になります。営業担当者もMECEの原則を活用し、顧客の課題解決に繋げるような提案をすることで、自社の競争力を向上させることができるでしょう。

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