ITP（Intelligent Tracking Prevention）とは、アップル社が開発したSafariブラウザのプライバシー保護機能です。ITPは、ユーザーのウェブサイト閲覧履歴や検索履歴をもとに、サードパーティCookieの利用を制限し、個人情報の収集や広告配信を抑制することを目的としています。これにより、ユーザーのプライバシーを守る一方で、ネット広告に携わるマーケターにとってはデータ収集やターゲティングが難しくなるという問題が発生します。
ITPの影響とマーケターへの課題
ITPの導入により、広告主はユーザーの行動データや興味・関心に基づいた広告の配信が難しくなるため、広告効果の低下やROIが減少するという問題が生じます。また、ユーザーがウェブサイトを閲覧する際に表示される広告が関連性が低いものになると、ユーザーのUX（ユーザー体験）も悪化するという課題もあります。そのため、ITPの規制強化に対応しながら、マーケターはクッキーレス時代に向けてパーソナライズされた広告を配信し続ける必要があります。
対応策1：ファーストパーティCookieへのシフト
ITPによるサードパーティCookieの制限を回避するため、ファーストパーティCookieの利用を検討することが一つの対応策です。ファーストパーティCookieは、ウェブサイト運営者が自ら設置し、ユーザーがそのサイトを訪れた際に生成されるCookieで、ユーザーの許可がない限り、他のサービスや広告配信に利用されません。ファーストパーティCookieを利用することで、ユーザーの行動データや興味・関心などのパーソナライズ情報を自社サイト内で収集し、ターゲティングに活用することが可能です。
対応策2：クッキーレスな成果測定手法の活用
クッキーを必要としない成果測定手法についても、マーケターは取り組んでいくべきです。例えば、ログインユーザーに対するユーザーIDや、端末情報やIPアドレスを利用したターゲティング手法であるフィンガープリント技術などがあります。また、AIや機械学習を活用した行動データの分析や予測モデリングを開発・導入することで、ユーザーの関心事やニーズを把握し、適切な広告配信が可能になります。これらの技術を活用し、クッキーレス時代に向けたマーケティング戦略の構築が求められます。
