Google Tag Manager(GTM)のサーバーサイド機能とは?設定手順と活用方法

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Google Tag Managerのサーバーサイド機能とは

Google Tag Manager(GTM)は、ウェブサイトで使用する様々なタグ、ピクセル、スクリプトを統合的に管理することができるGoogleの無料ツールです。2020年にはGTMの新機能として”サーバーサイド機能”がリリースされました。

それまでは主にクライアント側、つまりユーザーのブラウザ上でタグが動作していましたが、サーバーサイド機能が追加されることでタグの処理をブラウザからサーバー側に移行できるようになりました。これにより、色々な種類のタグ情報をサーバー側で一括管理でき、ユーザーのブラウザでの処理負荷を軽減し、サイトの表示速度が向上する可能性があります。

Google Tag Managerサーバーサイド機能の設定手順

GTMサーバーサイド機能の設定は、基本的にはGoogle Cloud Platform(GCP)上で行います。GCPは専門的な知識が必要なので、一部の先進的なマーケターやエンジニアが主に利用しています。

始めに、Google Cloud Platform(GCP)上に新しいプロジェクトを作成します。その後、「ネットワークサービス」→「ロードバランサ」を選択し、「HTTP(S)ロードバランサ」を作成します。バックエンドの設定では「バックエンドサービス」→「バックエンドバケット」を選択し、新規バケットを作成します。ここでGTM-serverのGithubリポジトリからダウンロードしたファイルをアップロードします。

設定が完了したら、Google Tag Managerのダッシュボードに移動し、新規コンテナを作成します。その際、「Web」ではなく「サーバーサイド」を選択し、ロードバランサのURLを指定します。

Google Tag Managerサーバーサイド機能の活用方法

GTMのサーバーサイド機能を活用することで、以下のようなメリットが生まれます。

1. ユーザーエクスペリエンスの向上: タグの読み込みがサーバーサイドで行われるため、ブラウザの処理負荷が軽減され、サイトの表示速度が改善されます。

2. よりセキュアなデータ送信: データ送信がサーバー間で行われるため、第三者からの不正アクセスや改ざんリスクを軽減できます。

3. 広告効果測定の精度向上: ブラウザに依存せず、安定してタグが動作するため、広告パフォーマンスをより正確に測定できます。

GTMサーバーサイド機能への移行について

全てのタグをサーバーサイドに移行するのは一筋縄ではいきません。一部のタグはクライアントサイドでしか動作しないため、完全移行は現状困難です。そのため、重要なタグについてはクライアントサイドとサーバーサイドのデュアル運用が現実的です。

また、GTMのサーバーサイド機能を有効活用するためには、GCPの専門的な知識や設定スキルが必要です。もし独力での導入・運用が難しい場合は、外部の専門家に依頼することも検討してみてください。

しっかりと理解し、活用していくことで広告運用やサイト運営の品質向上に繋がります。特に表示速度の改善はユーザー体験向上だけでなく、検索エンジンの評価にも直結します。サイト運営に関わる一人一人が理解し、改善点を探し続けることで、継続的な成長が可能となります。