検索クエリとは?
検索クエリとは、ユーザーがGoogleなどの検索エンジンで実際に入力する語句やフレーズのことです。例えば、「SEO対策 方法」や「東京 ランチ おすすめ」などが検索クエリに該当します。クエリは、ユーザーが抱える質問や疑問を解決するために入力されるものであり、その背後にはユーザーの検索意図が存在します。
一方で、キーワードは、マーケティング担当者が特定のターゲット層に対して広告やコンテンツを表示させるために設定する単語やフレーズです。つまり、検索クエリはユーザー視点であり、キーワードは広告主やマーケター視点で使われるものです。
例えば、「SEO やり方」という検索クエリがあった場合、マーケターは「SEO対策」というキーワードを設定して、そのクエリに関連する広告やコンテンツを表示させることができます。
検索クエリとキーワードの違い
検索クエリとキーワードは似ているようで異なる概念です。前述の通り、検索クエリはユーザーが実際に入力した言葉であり、誤字や表記揺れも含まれます。一方で、キーワードはマーケティング施策として設定されるため、誤字や表記揺れは考慮されません。
例えば、「バースデーケーキ ネット通販」という検索クエリがあった場合、マーケターは「バースデーケーキ 通販」というキーワードを設定して広告配信を行います。このように、検索クエリは実際のユーザー行動を反映しており、それに基づいて最適なキーワード設定が行われます。
また、Googleサーチコンソールなどのツールでは、自社サイトがどのような検索クエリで表示されているか確認できるため、それらデータを元にコンテンツ改善やSEO対策を行うことが重要です。
検索意図に応じた3つの分類
ユーザーがどんな目的で検索しているか(=検索意図)を理解することは、SEOや広告運用において非常に重要です。検索意図は大きく3つに分類されます。
ナビゲーショナルクエリ(Navigational Query)
ナビゲーショナルクエリは、特定のウェブサイトやブランド名などにアクセスしたいという明確な目的を持った検索です。例えば、「YouTube ログイン」や「Amazon 公式サイト」などが該当します。この場合、ユーザーはすでにアクセスしたい場所やサイトを決めており、その目的地へたどり着くための手段として検索しています。
このタイプのクエリでは、競合他社から流入を奪うことは難しいですが、自社ブランド名やサービス名で確実に上位表示されるよう対策することが求められます。また、自社名で指名検索された際には、適切なランディングページへ誘導できるよう設計しておく必要があります。
インフォメーショナルクエリ(Informational Query)
インフォメーショナルクエリは、「何かについて知りたい」「疑問を解決したい」という情報収集目的で行われる検索です。例えば、「SEOとは」「デジタルマーケティング トレンド」などが該当します。このタイプのクエリでは、ユーザーはまだ購買意欲が高くないものの、自分の疑問や問題を解決するために情報を探しています。
この場合、有益な情報提供によってユーザーとの信頼関係を構築し、その後の商品購入やサービス利用につなげることが可能です。ブログ記事やホワイトペーパーなどコンテンツマーケティング施策と組み合わせて対応すると効果的です。
トランザクショナルクエリ(Transactional Query)
トランザクショナルクエリは、「何かを購入したい」「サービス契約したい」といった具体的なアクションを伴う意図で行われる検索です。例えば、「オンラインショップ スニーカー購入」や「CRMツール 無料トライアル」などが該当します。このタイプのクエリでは、ユーザーはすでに購買意欲が高いため、コンバージョン獲得につながりやすいです。
この場合、ランディングページ(LP)の最適化やCTA(Call to Action)の設置によってスムーズな購入体験を提供することが重要です。また、この種のクエリでは競合も多いため、広告出稿によって上位表示されることも有効な手段となります。
検索意図とSEO戦略
ユーザーの検索意図に応じたコンテンツ作成はSEO戦略の基本です。特にインフォメーショナルクエリでは、高品質なコンテンツ提供によって自然流入(オーガニックトラフィック)を増加させることが可能です。一方でトランザクショナルクエリでは、商品ページやサービス紹介ページへの誘導強化によって直接的な売上向上も期待できます。
また、Googleサーチコンソールなどのツールを活用し、自社サイトへのアクセス経路となっている主要な検索クエリとそのクリック率(CTR)を確認しましょう。これによって、自社サイトがどんなニーズに応えているか把握でき、新たなコンテンツ作成や既存ページ改善につながります。
検索意図と広告運用
広告運用でも検索意図への理解は不可欠です。特定の商品購入意欲が高いトランザクショナルクエリには積極的に広告出稿し、一方でインフォメーショナルクエリには、有益な情報提供型広告(例:ホワイトペーパー配布)などでアプローチすると効果的です。また、ナビゲーショナルクエリでは自社ブランド名で確実に上位表示されるようブランド保護広告も検討しましょう。
さらに、それぞれのタイプごとに異なるクリエイティブ戦略も必要です。例えば、トランザクショナルクエリ向けには「今すぐ購入」「限定セール中」といった強力なCTAボタン付き広告クリエイティブが効果的ですが、一方でインフォメーショナルクエリ向けには「詳しくはこちら」「無料ダウンロード」といった情報提供型CTAが適しています。
成功事例:ECサイトでの活用
あるECサイトでは、「商品レビュー」関連のインフォメーショナルコンテンツと「今すぐ購入」のトランザクショナルLPを組み合わせた結果、大幅な売上増加につながりました。具体的には、「スニーカー 選び方」というインフォメーショナル記事から「スニーカー 購入」のトランザクションクエリへ誘導し、その後の商品購入率(CVR)が大幅向上しました。
このように、それぞれ異なるタイプの検索意図ごとに最適化されたコンテンツとLP設計によって、大きな成果を生み出すことが可能です。
まとめ:検索意図を理解して成果最大化へ
検索意図とそれに基づく3つの分類(ナビゲーショナル・インフォメーショナル・トランザクショナル)は、SEOおよび広告運用戦略において非常に重要です。それぞれ異なる目的・ニーズに応じた最適なコンテンツ作成と広告運用によって、高い成果が期待できます。また、その効果を最大化するためには定期的なデータ分析と改善作業も欠かせません。
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