バイヤージャーニーとカスタマージャーニーの違いと使い分け方

ビジネスフレームワーク・マーケティング戦略
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はじめに

こんにちは、株式会社インティメート・マージャーのデジタルマーケティング担当です。今日は、マーケティング戦略を立てる上で欠かせない「バイヤージャーニー」と「カスタマージャーニー」の違いと、それぞれの適切な使い分け方について解説します。

デジタルマーケティングの現場で日々奮闘されている皆さん、この2つの用語は似ているようで異なる概念だと感じていませんか?どちらも顧客の行動を理解するための重要なフレームワークですが、その目的と活用方法は少し異なります。

今回は、バイヤージャーニーとカスタマージャーニーの基本的な違いから、それぞれの特徴と活用シーンまで、実践的な視点でお伝えします。この記事を読んで、皆さんのマーケティング戦略に新たな視点を取り入れてみてください。

バイヤージャーニーとカスタマージャーニーの基本的な違い

まず、バイヤージャーニーとカスタマージャーニーの基本的な違いを確認しましょう。バイヤージャーニーは、主にBtoB(企業間取引)の文脈で使われる用語で、潜在顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスを指します。具体的には、以下のような段階を経ると考えられています:

  1. 認知:問題や課題を認識する
  2. 興味関心:解決策を探索し始める
  3. 検討:複数の選択肢を比較検討する
  4. 購入:最終的な意思決定を行う

一方、カスタマージャーニーは、購入後の体験も含めた、顧客との長期的な関係性に焦点を当てています。購入後のオンボーディング、継続利用、アップセル、アドボカシー(推奨)などのステージが含まれます。

つまり、バイヤージャーニーは「いかに購入してもらうか」に重点を置くのに対し、カスタマージャーニーは「いかに長期的な関係を築くか」に重点を置いているのです。

バイヤージャーニーの特徴と活用シーン

バイヤージャーニーは、特にBtoBのマーケティングや営業戦略を立てる上で重要な概念です。BtoBの購買プロセスは一般的に複雑で、複数の意思決定者が関与することが多いため、各ステージで適切なアプローチを行うことが求められます。

バイヤージャーニーを理解することで、以下のようなメリットがあります:

  • 顧客のニーズや課題を的確に把握できる
  • 各ステージに適したコンテンツや施策を展開できる
  • 営業とマーケティングの連携が強化される
  • リードナーチャリング(見込み客育成)の精度が上がる

例えば、認知段階ではブログ記事や動画で課題解決の方法を提示し、検討段階ではホワイトペーパーやウェビナーで自社の強みを訴求する、といった具合です。

バイヤージャーニーは、主に以下のようなシーンで活用されます:

  • 新商品やサービスの販売戦略の立案
  • ウェブサイトやコンテンツ戦略の最適化
  • リードナーチャリングの設計
  • 営業とマーケティングのアラインメント(連携)強化

カスタマージャーニーの特徴と活用シーン

カスタマージャーニーは、顧客との長期的な関係構築に焦点を当てているため、顧客のロイヤルティ向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化を目的としたマーケティング戦略に活用されます。

カスタマージャーニーを理解することで、以下のようなメリットがあります:

  • 顧客の行動パターンや感情の変化を把握できる
  • 顧客体験の向上につながる施策を打ち出せる
  • 解約率の低減やリピート率の向上が期待できる
  • アップセルやクロスセルの機会を見出せる

例えば、オンボーディング段階では製品の効果的な使い方を提案し、継続利用段階ではパーソナライズされたレコメンデーションを行う、などの施策が考えられます。

カスタマージャーニーは、主に以下のようなシーンで活用されます:

  • カスタマーサクセスの戦略立案
  • 顧客コミュニケーションの最適化
  • 解約防止(チャーン対策)の施策立案
  • ロイヤルティプログラムの設計

バイヤージャーニーとカスタマージャーニーの使い分け方

バイヤージャーニーとカスタマージャーニーは、マーケティング戦略の異なる側面に焦点を当てているため、状況に応じて使い分けることが重要です。

一般的に、以下のような基準で使い分けると良いでしょう:

  • 新規顧客の獲得に注力する場合:バイヤージャーニー
  • 既存顧客の維持と育成に注力する場合:カスタマージャーニー
  • BtoBのマーケティングや営業戦略を立てる場合:バイヤージャーニー
  • BtoCのマーケティングや顧客体験の向上を目指す場合:カスタマージャーニー

ただし、この2つのフレームワークは相互に関連しているため、完全に切り離して考えるのではなく、統合的に活用することが望ましいです。

例えば、バイヤージャーニーの購入段階からカスタマージャーニーのオンボーディング段階へのスムーズな移行を意識したり、カスタマージャーニーの知見をバイヤージャーニーの最適化に活かしたりするなど、両者を有機的に連携させることで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができるでしょう。

まとめ

バイヤージャーニーとカスタマージャーニーは、どちらも顧客中心のマーケティングを実現するための重要なフレームワークです。両者の違いを理解し、適切に使い分けることで、新規顧客の獲得と既存顧客の維持・育成の両面で成果を上げることができます。

ただし、これらのフレームワークを実際のマーケティング戦略に落とし込むには、データ分析や顧客理解の深化が不可欠です。私たち株式会社インティメート・マージャーでは、バイヤージャーニーとカスタマージャーニーの設計から、それに基づいた施策の立案・実行まで、包括的なサポートを提供しています。

デジタルマーケティングの世界は日々進化しており、顧客の行動や期待も変化し続けています。バイヤージャーニーとカスタマージャーニーを理解し、継続的に改善していくことが、これからのマーケターに求められるスキルではないでしょうか。

皆さんも、ぜひこの2つのフレームワークを自社のマーケティング戦略に取り入れてみてください。そして、もし課題や疑問があれば、ぜひ私たちにご相談ください。一緒により良いマーケティングの在り方を探求していきましょう。