ポストCookie時代のデジタルマーケティングでの計測課題への対処法
近年、プライバシー保護の動きが高まり、Cookie(クッキー)を使用したユーザー追跡に対する規制が厳しくなってきました。Apple社はSafariでのサードパーティCookieの利用を、Google社もChromeでのサードパーティCookieの利用を2022年に終了すると公表しています。つまり、これからのマーケティングでは、「ポストCookie時代」の新たな計測手法が必要となってきます。そのための解決策を紐解いていきましょう。
Cookie廃止の背景とその影響
まずは、なぜCookieがなくなりつつあるのか、背景を理解することが大切です。電通デジタル研究所の調べによると、83%の消費者は自分のデータがどのように取り扱われるかを心配しており、これがCookieを使用したユーザー追跡に対する規制を強化する大きな要因となっています。この動きに対応するために、GoogleやAppleなど大手テクノロジー企業は、ユーザー追跡の方法を変えることを決定。その結果、Cookieを使ったユーザーデータのトラッキングが困難になる一方、新たなマーケティング環境への対応が求められるようになりました。
ポストCookie時代の計測課題とは
Cookieの廃止により、マーケターや広告主はデジタル広告のパフォーマンスを測定する方法を見つけなければならない状況に直面しています。具体的な課題としては、1. ユーザー属性や興味、嗜好などの個別情報の取得が困難になる 2. クロスデバイスやクロスドメインでのユーザー追跡が困難になる 3. リターゲティングやコンバージョンの測定の精度が落ちる などが挙げられます。これらに対応するためには、よりプライバシーに配慮した新たな広告配信やデータ分析手法が求められています。
ポストCookie時代を生き抜くための解決策
そんなポストCookie時代を生き抜くための解決策として、First Party Dataの活用が有力とされています。First Party Dataとは、企業が直接消費者から取得したデータのことで、ウェブサイトのアクセス情報やEメールの開封情報など、企業が所有し、管理下に置くことができる情報です。これらの情報はプライバシー保護に配慮しつつ、効果的なマーケティングを実施するのに不可欠な情報です。また、ユーザーの許可を得た上での行動追跡や、人口統計学的な情報を元にした広告配信など、新たな広告技術の開発が進んでいます。
また、コンテキスト広告やプログラムマチックDOOHなど、ユーザーの個人情報に依存しない広告も注目されています。これらの広告は、Webサイトのコンテンツや利用者の位置情報などを元に、適切な広告を配信するというものです。 また、合法的にThird Party Dataを取得、活用するデータマネジメントプラットフォーム(DMP)、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の活用も求められています。これにより、広告配信の精度を保ちつつ、プライバシー保護にも配慮することが可能です。
まとめと今後の展望
Cookieの終焉は、デジタルマーケティングに多大な影響を与えることは間違いありません。しかし、それは同時に、新たなマーケティングの可能性を開く機会でもあります。消費者のプライバシー保護を守りつつ、効果的な広告配信をする新たな手法を探ることは、今後のデジタルマーケティングの大きなテーマとなっていくでしょう。Post-Cookie時代の到来に備え、適応力と創造力を持って新たな挑戦に取り組むことが求められています。
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