ハイブリッドクッキー時代のマーケティング戦略 – 感性マッチングと個別IDが導く新しい潮流

本セミナーでは、株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏と、株式会社ソケッツ代表取締役社長の浦部浩司氏のお二人に、ハイブリッドクッキー時代のマーケティング戦略についてお話しいただきました。

登壇者紹介

株式会社インティメート・マージャー代表取締役 簗島亮次氏

簗島氏は、データを活用したマーケティングの専門家です。インティメート・マージャーでは、国内最大級のデータを活用し、広告やサイト改善など、データドリブンなマーケティング施策のお手伝いをされています。

我々は、ウェブ上での様々な行動履歴のデータを活用し、広告やサイト改善など、データドリブンなマーケティング施策のお手伝いをしています。国内最大級のデータを保有しており、オンライン・オフライン問わず、様々なデータをIDに紐づけて収集・活用しています。

株式会社ソケッツ代表取締役社長 浦部浩司氏

浦部氏は、エンターテイメント業界で培った知見を活かし、感性マーケティングの分野で活躍されています。ソケッツでは、記事の分析から、読者の求めているものや興味関心を導き出し、広告のマッチングに活用されています。

我々は、エンターテイメントで培ってきた知見を、感性AI・感性マーケティングを通して、広告の分野でお客様のお力になれればと思っています。記事を分解し、感性AIで分析することで、読者が求めているものや興味関心を導き出し、広告のマッチングに活用しています。

サードパーティクッキー規制の影響と対策

セミナー前半では、サードパーティクッキー規制の現状と、それによるマーケティングへの影響について議論されました。規制により、一部のブラウザではサードパーティクッキーが使えなくなっており、広告のターゲティングやリーチに大きな影響が出ているとのことです。

現状、サードパーティクッキーが使えないブラウザからのアクセスは全体の6割程度です。特にiPhoneユーザーは購買意欲が高い傾向にあるため、リーチができなくなることによる機会損失は大きいと言えます。

この状況に対し、登壇者のお二人からは、ファーストパーティデータの活用や、コンテクストマッチング、個別IDソリューションなど、様々な対策が提示されました。規制の影響を最小限に抑えつつ、新しい手法にもチャレンジしていくことが重要だと述べられました。

感性マッチングと個別IDの可能性

後半では、感性マッチングと個別IDを活用した、新しいマーケティング手法について議論が交わされました。

浦部氏からは、記事の内容から読者の感性を読み取り、広告をマッチングさせる感性マーケティングについて説明がありました。単に関連キーワードを見るだけでなく、記事の文脈や読者の感性をAIで分析することで、より効果的な広告配信が可能になるとのことです。

記事の文脈を読み取ることがとても重要です。例えば「ラグジュアリー」という言葉が使われていても、記事の文脈によってはそれを皮肉っているケースもあります。感性マーケティングでは、記事全体から読者の感性を読み取り、最適な広告をマッチングさせます。

簗島氏からは、個別IDを活用したデータドリブンマーケティングについてお話がありました。サードパーティクッキーが使えない環境でも、ファーストパーティデータと個別IDを組み合わせることで、精度の高いターゲティングが可能だと述べられました。

ファーストパーティデータと個別IDを組み合わせることで、サードパーティクッキーに頼らない形でのターゲティングが可能です。ユーザーのウェブ上での行動履歴などを分析し、興味関心や購買意欲の高いユーザーにリーチすることができます。

これからのマーケティング戦略

最後に、登壇者のお二人から、これからのマーケティング戦略についてお話がありました。

浦部氏は、生成AIとデータの掛け合わせによる、クリエイティブ制作の可能性について言及されました。膨大なデータから導き出した感性や興味関心と、生成AIを組み合わせることで、ユーザー一人ひとりに最適化された広告クリエイティブを生成できるようになるかもしれないと述べられました。

簗島氏は、データ活用の重要性を改めて強調されました。サードパーティクッキーに頼らない新しい手法にチャレンジしていく中で、ファーストパーティデータをいかに活用していくかが鍵になると述べられました。自社に蓄積されたデータを最大限に活用し、マーケティング施策に反映していくことが求められるとのことです。

ハイブリッドクッキー時代のマーケティングにおいては、自社に蓄積されたファーストパーティデータをいかに活用するかが非常に重要です。サードパーティクッキーに頼らない新しい手法にチャレンジしつつ、データを最大限に活かしていくことが求められます。

まとめ

本セミナーでは、ハイブリッドクッキー時代のマーケティング戦略について、第一線で活躍されているお二人の専門家に議論いただきました。サードパーティクッキー規制による影響と対策、感性マッチングと個別IDを活用した新しい手法、これからのマーケティング戦略など、示唆に富む内容が盛りだくさんでした。

マーケティングの世界は常に変化し続けています。規制の影響を受けつつも、新しいデータの活用方法や、AIを駆使した手法など、様々なイノベーションが起きています。重要なのは、変化を恐れずチャレンジし続けること。自社に蓄積されたデータを最大限に活用しながら、ユーザー一人ひとりに寄り添ったマーケティングを実現していくことが、これからのマーケターに求められるスキルなのかもしれません。

セミナーの登壇者お二人の知見を参考にしつつ、皆さんも新しいマーケティング手法にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。変化の激しい時代だからこそ、チャンスは無限大に広がっているはずです。