ポストクッキー時代を見据えたデジタルマーケティング戦略とは?
サードパーティークッキーの規制が進む中、デジタルマーケティングの在り方が問われています。今回、インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏とExchange Wire Japan編集部副編集長の長野雅俊氏に、ポストクッキー時代のデジタルマーケティング戦略について語っていただきました。
登壇者紹介
簗島亮次氏は、株式会社インティメート・マージャーの代表取締役を務めています。元は脳科学や人工知能の研究者で、データを活用した課題解決のスペシャリストです。サードパーティークッキーに代わる新たなソリューションを模索し、デジタルマーケティングの未来を切り拓いていきたいと考えています。
長野雅俊氏は、Exchange Wire Japan編集部の副編集長です。デジタルマーケティングとアドテクノロジーに特化した専門メディアで、最新動向や海外の先進事例などを日々取材しています。
クッキー規制は技術だけでは解決できません。広告主がマーケティングそのものを見直す転換点になるはずです。(長野氏)
クッキー規制の影響と対策
サードパーティークッキーを使えるブラウザは全体の4割程度まで減少します。2024年にはGoogleのChromeでも使えなくなる見通しです。これにより、ターゲティング精度の低下や広告効果の悪化が懸念されます。
対策としては、メールアドレスなどの個人を識別するIDを暗号化して使う方法や、ファーストパーティーデータを活用する方法などがあります。インティメート・マージャーでは、独自の共通ID「IMUID」を開発しています。ユーザーの行動履歴から同一人物を類推し、プライバシーに配慮しながらターゲティングを可能にしています。
広告主に求められる意識改革
長野氏は、クッキー規制によって広告主も大きな影響を受けると指摘します。
ターゲティング精度の低下でCPAが悪化したり、広告費用が高騰したりするリスクがあるためです。(永野氏)
簗島氏は、広告主にはマーケティング全体を見直す意識改革が必要だと訴えます。
ファーストパーティーデータの活用は重要ですが、個人情報保護法など法律面の理解と、プライバシーポリシーの策定が不可欠です。自社にとってどんなデータをどう使うべきか、ユーザーとの関係性を考える良い機会です。(簗島氏)
ポストクッキー時代のマーケティング戦略
今後、デジタルマーケティングはどう変わるべきかを考える必要があります。
簗島氏は、プライバシー保護とパフォーマンスのバランスを取ることが重要だと語ります。
規制は避けられません。その中でいかに広告効果を担保するかが重要になってきます。IMUIDのような新しいソリューションを柔軟に取り入れ、トライ&エラーを繰り返すことが求められます。(簗島氏)
長野氏も、変化を前向きに捉えるべきだと強調します。
外部環境が変わる以上、現状維持は難しいです。新しい手法にどんどんチャレンジし、自社に合ったベストプラクティスを見つけていくことが肝心です。(長野氏)
まとめ
サードパーティークッキーの規制は、デジタルマーケティングに大きな転換点をもたらします。技術的な代替手段を模索すると同時に、ユーザーのプライバシーに配慮したマーケティング戦略が求められます。変化を恐れず、新たな価値を生み出すチャンスと捉えることが重要です。インティメート・マージャーとExchange Wire Japanは、これからもポストクッキー時代のマーケティングを追究していきます。