顧客中心のアプローチで成果を引き出すインバウンド営業のノウハウ

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顧客中心のアプローチで成果を引き出すインバウンド営業のノウハウ

今回は、各業界で活躍する著名人たちが、インバウンド営業への取り組みやその成功要因について語る、まさに実践者からの生の声をお届けします。

インバウンド営業とは、お客様が自発的な行動を起こす-例えば問い合わせや資料請求-をきっかけに営業活動を展開するスタイルのことを指します。これはプル型営業とも呼ばれ、売り手側が有益な情報を発信して見込み客の興味を引き出し、自社サービスの購入につなげるという方法です。

このインバウンド営業と、お客様への直接的なアプローチを行うアウトバウンド営業を、どちらもうまく使い分けるハイブリッド型の営業方法を採用しているところもあるようです。

また、企業のインバウンド営業を強化する上で重要なのが、「インテントデータ」の活用です。これは、対象企業がどのようなものに興味を持っているかを推測したデータを指します。実際に商品やサービスに関わる情報を接触した会社に対して、その情報に基づいたアウトバウンド営業を行うことで、より効果的なセールスが可能になります。

しかし、インバウンド営業での成功を収めるためには、ただ情報を発信するだけでは不十分です。「お客様中心のアプローチ」が重要となります。これは、ペルソナを明確に設定し、そのペルソナが興味を持つであろうコンテンツを作成し、それを適切なチャンネルで発信するというマーケティング戦略です。

この戦略を活用して、ホワイトペーパーやセミナー動画など、さまざまな形のコンテンツを生み出し、それを各種SNSやウェブサイト、リード取得サイト等を通じて積極的に発信しています。

一見すると大掛かりな作戦のように思えるかもしれませんが、最終的にはすべてはお客様のニーズを理解し、それに応えるための戦略です。お客様が何を求め、どのような問題を解決しようとしているのかを理解することが、最も効果的なインバウンド営業を展開する鍵となるのです。

データドリブンなアウトバウンド営業:進化の様子と取り組み事例

現代ビジネスにおいて、アウトバウンド営業は、企業がさまざまなリードに対して積極的にアプローチを行う起点となっています。しかし、一昔前ではこのタイプの営業は、あまり歓迎されないケースがほとんどでした。それが最近では、データを活用した「データドリブン」な戦略によって、その印象が大きく変わりつつあります。その背景と先進的な取り組みを、インディメイトマジャーとベーシックスの取締役である相玉氏、藍沼氏、山下氏、柳島氏に聞きました。

アウトバウンド営業のメリットとは、企業が特定のターゲットに対してアプローチをすることであり、これにより、適切なターゲット設定が行えるため、高い確率でターゲットにアプローチが可能です。インバウンドマーケティングとアウトバウンド営業の両方を強化しているインディメイトマジャーでは、機械による定量的なアプローチが得意とし、商材のテスト検証を各ターゲットセグメントに対して行っています。

さらに同社では、AIやチャットGPT(自然言語処理技術)を活用し、営業の評価や成果を定量的に分析する取り組みを行っています。これにより、主観的な評価からくる摩擦を回避し、コミュニケーションを円滑に進めるとともに、営業力の向上を図っています。

一方、ベーシックスでは、インプットの定期的なテストと、それに基づくデータ分析によって、社員のスキルセットを確認と評価を行っています。これにより、データの読み取り能力やそれを基にした判断力を客観的に評価し、個々の得意分野を見極め、役割の最適化を図ることが可能になっています。

データドリブンな戦略は、単なる営業力の向上だけでなく、組織としての能力や文化をも進化させる力を持つことがわかります。これらの企業の取り組みが示すように、かつては非効率的とされたアウトバウンド営業も、データを活用し、戦略的に行うことで、価値ある取り組みへと変わりつつあります。データの活用によって不確実性を減らし、より具体的な目標設定や効果的なコミュニケーションを可能にすることで、アウトバウンド営業は新たな営業スキルとして認識されつつあります。

「営業の未来」について

専門家たちが思索を深める一幕が見受けられました。ソフトバンク元従業員の水畑さんや、マーケターの宮本さん、そしてインティメート・マージャーの簗島さんが、コロナ禍でDXが一層浸透し始めている現代社会における営業の変革について語りました。

アプローチにデータを活用するという考え方が、今後どれほど成果を上げていくのか。これがDXの取り組みの中で問われていることだと言えます。水畑さんは、B2Cの領域ではAIやその他テクノロジーがほとんどを占めていくだろうと展望。一方で、B2Bでは人対人の関わりが依然として重要になってくると述べました。

これに対して宮本さんは、テクノロジーの進化が顧客の情報収集スタイルを変え、営業の専門性がより求められる状況が生まれると語りました。そのうえで、宮本さん自身もソフトバンクの経験から、営業が重要になるという考えを強調。AIやデータを活用すれば、営業活動を平準化して効率化することが可能だと指摘しました。

一方、簗島さんは人間しかできない分野に注力することの重要性に言及。AIの活用やマニュアル化が進めば、現場のリソースを適切に振り分けていくことが可能になると語りました。

結論として、盛りに盛った議論の中で共通して見られたのは、営業はこれからも専門職としての価値が増していくだろうという見解です。そのうえで、専門的なスキルを持つ営業担当者の採用が重要になってくるとの予測も示されました。テクノロジーの進化がこれからの営業活動に与える影響について、業界の専門家たちは引き続き注目していくことでしょう。”

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