データ×コンテンツ×営業の三位一体で成果を最大化する方法
本記事では、データ活用のプロフェッショナルである株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏、コンテンツマーケティングのプロフェッショナルである株式会社free web hopeの相原ゆうき氏、アウトバウンド営業のプロフェッショナルであるDORIRU株式会社の飯田裕一郎氏の3名が登壇するセミナーの内容をお届けします。
登壇者紹介
簗島亮次氏(株式会社インティメート・マージャー代表取締役)
簗島氏は、インテントデータを活用した営業効率化ソリューションを提供しています。
コロナ禍以降、オンラインでの商談が増加したことで、データを活用した営業活動の効率化への関心が高まっています。
相原ゆうき氏(株式会社free web hope)
相原氏は、ランディングページ制作を中心としたデジタルマーケティング支援を行っています。
ランディングページ経由で獲得したリードのうち、有効なリードは2割程度です。
飯田裕一郎氏(DORIRU株式会社)
飯田氏は、アウトバウンドに特化したインサイドセールス支援を行っています。従業員100名以上の大手エンタープライズ領域の開拓を得意としており、お客様のオフィスには出社せず、まるで内製のチームのようにプロジェクトを伴走するスタイルを取っています。
データ活用、コンテンツマーケティング、営業戦略の最近の傾向
インテントデータを活用して商品に興味を持ってくれそうな見込み客を狙うアプローチが増えていいます。また、商談の音声データから相手の感情を分析したり、議事録を自動生成したりするなど、データ活用の幅が広がっています。(簗島氏)
コロナ禍でホワイトペーパーなどのコンテンツの重要性が高まったものの、リードのクロージングには営業の力が必要だと気づかれるようになりました。その上で、データを活用して有効なリードに営業リソースを集中させる一方で、それ以外のリードに対してはコンテンツで関係性を構築していくアプローチが理想的です。(相原氏)
顧客優位の時代になり、データに基づいた提案が求められるようになりました。その上で、商談時の会話データなどを分析し、お客様の反応に合わせて提案する商材を最適化していくことが重要です。(飯田氏)
顧客インサイトの活用方法
ある保険のカウンターを全国展開する企業の店舗を分析したところ、路面店よりもモールに入っている店舗の方がクロージング率が高いことがわかったそうです。さらに、コインランドリーの横にある店舗の来店率が高いことがわかり、買い物のついでに立ち寄ってもらえるような店舗展開を進めています。このように、データから得られる顧客インサイトを起点に、打ち手を考えていくことが重要です。ただし、データから仮説を立てて施策を実行するまでのプロセスは、人によってブレが生じやすいため、チームでインサイトを出し合ったり、データに基づいて仮説を絞り込んでいったりするなどの工夫が必要です。(相原氏)
データ×コンテンツ×営業の融合によるビジネスの進化
営業活動の中で交わされる会話データから、お客様の反応に合わせて提案すべき商材を提案するレコメンデーションが実現するかもしれないです。(簗島氏)
生成AIの発展により、社長の過去の発言を学習させてSNSを更新したり、セミナーの文字起こしデータからツイートを自動生成したりするようなことが可能になります。音声データを起点にしたコンテンツマーケティングや営業活動が活発化すると予測しています。(相原氏)
コンテンツの良し悪しを、クリック率や商談化率だけでなく、ダウンロードしたユーザーの属性や自重率なども加味して総合的に判断することが重要です。その上で、電話でしか聞けないようなお客様の声を拾い上げ、コンテンツ制作にフィードバックしていくことが理想です。(飯田氏)
まとめ
登壇者らは、データ活用、コンテンツマーケティング、営業という3つの領域が密接に連携することの重要性を指摘しました。特に、顧客との接点で得られるデータをいかに活用し、コンテンツ制作や営業活動の改善に役立てていくかがカギになりそうです。
一方で、データから施策を立案し実行するまでのプロセスは、人の解釈に依存する部分が大きいという課題も浮き彫りになりました。この点については、チームでのディスカッションを重ねたり、機械学習などの技術を活用したりするなどの工夫が求められるでしょう。
いずれにせよ、デジタル化が進む中で、データ活用力の高低が企業の競争力を大きく左右するようになってきました。本記事で紹介した3名の登壇者らの知見を参考に、自社でもデータ×コンテンツ×営業の融合に向けた取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。