GDPRに対応したプライバシーポリシー策定の6つのポイント

Cookie規制・プライバシー関連

GDPRに対応したプライバシーポリシー策定のポイント

EU一般データ保護規則(GDPR)は、EU域内でビジネスを行うすべての企業にとって、個人データの取り扱いの面で重要な意味を持ちます。GDPRの重要な要素の一つに、企業がデータ主体(個人)に対して、どのように個人データを収集、利用、保護するかを明確に伝える「プライバシーポリシー」の策定が義務付けられています。本稿では、GDPRに対応したプライバシーポリシーを策定するためのポイントを解説します。

透明性と分かりやすさ

GDPRは、データ主体に対する透明性を重視しており、プライバシーポリシーは、データ主体にとって理解しやすいものでなければなりません。

  • 明確で平易な言葉の使用: 法律用語や専門用語を避け、簡潔で分かりやすい言葉で記述する必要があります。
  • 具体的で詳細な情報の提供: GDPRで義務付けられている情報(企業情報、データ保護責任者の連絡先、データ処理の目的、法的根拠、データ主体の権利など)を具体的に記載する必要があります。
  • アクセスしやすい形式: オンラインでアクセスしやすい場所に掲載するだけでなく、印刷可能な形式での提供なども検討する必要があります。

データ処理の法的根拠

個人情報の収集・利用には、GDPRで認められた適切な法的根拠が必要です。

  • データ主体の同意: データ主体から、自由意思に基づき、明確な方法で同意を得る必要があります。 特に、16歳未満の子供から同意を得る場合は、保護者の同意が必要となる場合もあります。
  • 契約上の義務の履行: データ主体の個人データが、契約の履行のために必要な場合に適用されます。
  • 法令上の義務の履行: 法律で定められた義務を履行するために、個人データの処理が必要な場合に適用されます。
  • データ主体の利益の保護: データ主体または他の個人の重要な利益を保護するために必要な場合に適用されます。
  • 公益の遂行: 公共の利益のために必要な場合に適用されます。
  • 企業の正当な利益: 企業の正当な利益のために必要な場合に適用されますが、データ主体の利益、権利、自由に優先するものであってはなりません。

データ主体の権利

GDPRは、データ主体に様々な権利を付与しており、プライバシーポリシーでは、これらの権利を行使する方法について明確に説明する必要があります。

  • アクセス権: データ主体は、自身が提供した個人データにアクセスする権利を有します。
  • 訂正権: データ主体は、不正確な個人データを訂正する権利を有します。
  • 削除権(「忘れられる権利」): データ主体は、一定の条件下で、自身の個人データを削除するように要求する権利を有します。
  • 処理の制限を求める権利: データ主体は、一定の条件下で、自身の個人データの処理を制限するように要求する権利を有します。
  • データポータビリティ権: データ主体は、自身が提供した個人データを、他の事業者に移転する権利を有します。
  • 異議を申し立てる権利: データ主体は、自身の個人データの処理に対して異議を申し立てる権利を有します。
  • 自動化された意思決定(プロファイリングを含む)に対する権利: データ主体は、自動化された処理のみに基づく意思決定(プロファイリングを含む)の対象とならない権利を有します。

データセキュリティ

GDPRは、個人データの安全性を確保するための適切な技術的・組織的対策を講じることを義務付けています。 プライバシーポリシーでは、実施している具体的なセキュリティ対策について、データ主体に説明する必要があります。

  • データの暗号化: データの機密性を保護するために、個人データを暗号化する必要があります。
  • アクセス制御: 許可されたユーザーのみが個人データにアクセスできるように、適切なアクセス制御を実施する必要があります。
  • データ漏洩対策: データ漏洩が発生した場合に備え、迅速に検知、対応、報告するための体制を整備する必要があります。

外国にある第三者への個人データの提供

日本の個人情報保護法では、外国にある第三者へ個人データを提供する場合、原則として本人の同意を得る必要があります。 ただし、個人情報保護委員会が定める基準に適合する体制を整備している外国にある第三者に対しては、本人の同意を得ずに個人データを提供できる場合があります。

プライバシーポリシーでは、外国にある第三者へ個人データを提供する場合、その旨とその法的根拠を明確に記載する必要があります。 また、提供先の第三者における個人データの保護レベルについても、可能な限り情報提供することが望ましいです。

定期的な見直し

プライバシーポリシーは、一度作成したら終わりではありません。 法改正や事業内容の変化、新たなテクノロジーの導入などを踏まえ、定期的に見直し、最新の状態に保つ必要があります。

まとめ

GDPR に準拠したプライバシーポリシーを策定することは、企業にとって複雑で時間のかかるプロセスとなる可能性があります。しかし、データ主体の信頼を獲得し、法的リスクを回避するためには、GDPR の原則を理解し、適切なプライバシーポリシーを策定することが不可欠です。

免責事項: 本稿は、一般的な情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスを提供するものではありません。具体的な対応については、専門家にご相談ください。

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