ウェブ広告のプロ4者が語る2024年に成果が出たウェブ広告事例まとめ
2024年のウェブ広告で成果を上げた事例をもとに、現在のトレンドと2025年に向けた具体策を、ウェブ広告のプロ4名が語ったセミナーの内容を紹介します。サードパーティクッキー規制への対応や、AIを活用した運用改善について、2024年の実例を振り返りながら、今後の戦略について議論しています。
登壇者紹介
株式会社イルグルム 執行役員 マーケティングDX推進本部 本部長の廣 遥馬氏は、「アドエビス」のコンサルティングセールスに従事し、現在はマーケティングDX支援事業を担当されています。
株式会社インティメート・マージャー 代表取締役社長の簗島 亮次氏は、同社を創業し上場まで導かれました。クッキー規制や個人情報保護法に関する有識者としても活躍されています。
株式会社ガラパゴス 執行役員の内藤 太郎氏は、大手広告代理店での経験をもとに、AIを活用した広告クリエイティブ制作・改善サービス「AIR Design」のマーケティング・営業部門を統括されています。
株式会社free web hope 取締役の林 健一氏は、デジタルマーケティング全般の戦略立案・実行に携わり、現在は事業計画の設計支援やマーケティング実行支援を行われています。
セミナーの背景と問題意識
2024年は、サードパーティクッキー規制への対応が本格化した年でした。Googleがサードパーティクッキーの廃止を発表したことで、企業は新たな対策を求められるようになりました。
サードパーティクッキーは基本的に使えなくなる前提でサポートを打っていかなきゃいけないので、コンバージョンAPIだったりとかオフラインコンバージョンインポートみたいな、今までのターゲティングとかサードパーティクッキーに依存しないような手法を用いながら、各社まず価値通じを見つけていくというところに駆使されていたかなという印象があります。(廣氏)
また、生成AIの進化により、AIを活用したマーケティング施策が現実的なものになってきたことも、大きなトピックとなりました。
今年が生成AIの黎明期という形で、どんどんうごのふたけの子よのように出た感じで、今年がまともに使えるような年になったというふうに思ってます。特にCloud3GPT-01、GEMINIあたりがちゃんとまともに働いてくれるようになったというところが大きなトピックでした。(内藤氏)
キーメッセージと発言ハイライト
セミナーを通じて強調されたのは、サードパーティクッキーに依存しない施策の重要性でした。コンバージョンAPIやオフラインコンバージョンインポートなどを活用し、ファーストパーティデータの蓄積と活用を進めることが必要とされています。
また、生成AIの活用によって、クリエイティブ制作の効率化や顧客理解の深化が可能になっています。AIを適切に活用し、マーケティング施策に組み込むことが、今後のウェブ広告の成果を大きく左右すると考えられます。
AIをつなげて使うことが大事。もう一つが、カスタマージャーニーをデータでつなげる。要は、広告配信データとアクセス解析データと営業データをちゃんと連携して判断できるようにしましょう。どんな広告でコンバージョンしたことが人が売り上げまでいったのか、ここまでを見ることが大事です。(内藤氏)
実践的な取り組みと事例
イルグルム社の事例では、コンバージョンAPIを導入したD2C企業が、媒体CPAを25%削減することに成功しました。また、不動産会社の事例では、コンバージョンAPIの実装により、CPAが50%改善し、コンバージョン数が2.4倍に増加したそうです。
ガラパゴス社は、自社のウェブ広告改善に取り組みました。効果的な広告やLPの制作、顧客層の課題別分類を行い、広告セットを細分化。その結果、商談数が3.5倍に増加し、商談単価は1/5以下にまで抑えられたとのことです。
free web hope社の事例では、PMAXキャンペーンの運用改善によってコンバージョン数が150%、CPAが140%改善しました。さらに、YouTube広告の効果検証では、統計解析によって申込への貢献度を可視化し、予算アロケーションの最適化に活用したそうです。
今後の展望とまとめ
2025年に向けては、サードパーティクッキーに依存しない環境の整備と、AIの戦略的活用がますます重要になります。まずは自社の課題を正しく把握し、適切な施策を講じることが求められます。
健康診断というかボトルネックを特定するのはすごい大事かなと思ってます。今のマーケティング状況の中にどこにボトルネックがあるのか。そこの一つに定めて、そこに対して徹底的に手こえするっていうのがすごく大事なんじゃないかなと私は思います。(廣氏)
セミナーを通じて、ウェブ広告の最前線で活躍されるプロの知見を学ぶことができました。2024年の実例と2025年に向けた展望は、デジタルマーケターにとって多くのヒントを与える内容だったのではないでしょうか。今回の各社の取り組みを参考に、自社のウェブ広告戦略を見直すきっかけとしていただければと思います。