データ活用の未来を切り拓く3社が語る、BIツールと生成AI、そして活用人材の重要性

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データ活用の未来を切り拓く3社が語る、BIツールと生成AI、そして活用人材の重要性

データ活用の未来について、株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏、コクー株式会社取締役でデータサイエンス事業部長の藤永大氏、ウイングアーク1st株式会社ソリューション営業部の矢島陸氏の3名が議論を交わしました。

 

登壇者紹介

簗島亮次氏は、株式会社インティメート・マージャーの代表取締役を務めています。データ活用やアルゴリズムコンテストでの受賞経験を持ち、現在はDMPの事業を提供しています。

藤永大氏は、コクー株式会社の取締役であり、データサイエンス事業部の事業部長を務めています。人材ビジネスに長年携わり、現在は「BI女子」というデータ活用人材サービスを展開しています。

矢島陸氏は、ウイングアーク1st株式会社のソリューション営業部に所属しています。社内のAIコンテストで優勝した経験を持ち、BIツールDr.Sum」や「MotionBoard」の提案を行っています。

 

BIツールとAIの現状

矢島氏によると、BIツールの導入企業は増加傾向にあるものの、活用率や利用頻度には差があるとのことです。

利用頻度に関しては、活用率が75%以上の企業のうち、半数ほどが1日に5回以上ご利用されています。このことから、BIの活用もかなり進んでいると感じています。

ウイングアーク1st株式会社 矢島陸氏

 

一方で、BIツールを導入しても社内への浸透・定着化が課題となっているようです。簗島氏は、データを作る人とデータを使う人の間にギャップがあることを指摘し、生成AIを活用してコミュニケーションを円滑にすることを提案しました。

例えばインティメート・マージャーのような場合、活用する側の人々が求めるアウトプットを生成AIのプロンプトに記載し、それに基づいて出力されたデータを見やすく加工する作業を行っています。各担当者ごとに出力を調整したり、出力を統一するのは非常に手間がかかりますが、一方で使用するデータが共通であることも多いです。そのため、データを作成する側が共通のデータセットを用意し、加工の部分をプロンプトでうまく吸収することで、限定的な用途のデータではなく、汎用的なデータを特定の用途に合わせて抽出・加工し、担当者に提供することが可能になると考えています。

株式会社インティメート・マージャー 簗島亮次氏

 

データ活用における課題と対策

藤永氏は、特に中小企業や地方企業において、データ活用人材の不足が課題となっていると述べました。そこで、コクー株式会社では「BI女子」というサービスを提供し、データ活用の支援を行っているそうです。

私たちは人材をキーワードにビジネスを展開しているため、少子化による労働需給ギャップが進む中で、各地方では人口が減少している上に、採用がますます難しくなっている現状があります。特に、データサイエンティストデータ人材BIが使える人材の採用に関しては、本当に苦労しているとよく聞きます。

コクー株式会社 藤永大氏

 

BI女子」は、データ活用のスキルを持った女性人材を企業に常駐させ、BIツールの導入から運用までを伴走型でサポートするサービスです。藤永氏は、単発のスポット支援だけでなく、長期的な運用支援が重要だと強調しました。

 

データ活用の未来と経営へのインパクト

簗島氏は、データ活用によって意思決定のスピードと精度が向上すると述べました。また、生成AIを活用することで、データ活用におけるコミュニケーションコストを削減できると指摘しました。

私たちの周りでもそうですが、経営者や個人に近い企業の社長は、生成AIを活用することで自分自身の生産性を向上させる取り組みを進めていくべきだと思います。ただ、生成されたデータを各担当者にわかりやすく加工させるのは手間がかかり、最終的には社長向けの資料作成にばかり時間を費やすという会社も多いです。しかし、それは本質的な能力ではありません。例えば、新卒で入社した人が社長向けのデータ作成スキルを上げても、それが汎用的なスキルとは限りません。そのため、データを出す側も見る側も、コミュニケーションコストを削減することが非常に重要だと思っています。

株式会社インティメート・マージャー 簗島亮次氏

 

矢島氏も、データ活用によって意思決定のスピード感が向上することを認めました。また、BIツールと「BI女子」の組み合わせによって、専門的な相談にも対応できるようになると述べました。

 

まとめ

データ活用の未来を切り拓くためには、BIツール生成AIといった技術だけでなく、それらを活用できる人材の育成・確保が重要です。インティメート・マージャー、コクー、ウイングアーク1stの3社は、それぞれの強みを生かしながら、データ活用の課題解決に取り組んでいます。今後も、これらの企業の取り組みに注目が集まりそうです。


【注釈】

DMP(データマネジメントプラットフォーム):企業が持つ顧客データと外部データを統合し、分析・活用するための基盤システムのこと。

BI(ビジネスインテリジェンス):企業内外のデータを収集・分析し、意思決定に役立てるための仕組みやツールのこと。

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