クッキー規制下でのSEOの役割と広告への影響とは? 〜ポストクッキー時代に向けたSEOとソリューションの生かし方〜
本記事は、株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏とブランディングテクノロジー株式会社デジタルマーケティング本部マネージャーの片山健氏による対談形式のセミナーの内容をまとめたものです。
登壇者紹介
簗島亮次氏は、株式会社インティメート・マージャーの代表取締役を務めています。片山健氏は、ブランディングテクノロジー株式会社のデジタルマーケティング本部でマネージャーを務めており、中堅・スタートアップ企業向けのネット広告や衛生対策を中心とした集客支援を行っています。
簗島氏:ECサイトのLTVを考えたときに、顧客単価や独自性の高いユーザーにしかリーチできなくなってきていることで、中長期的な売上の悪化が起こるケースがあります。そういった側面から、ポストクッキー対策を検討するお手伝いができればと思います。
片山氏:弊社では23年間、Google Japanと同い年からネット広告や衛生対策に取り組んできました。デジタルマーケティングをワンストップでご提供できる会社だと思っていただければ幸いです。
クッキー規制がデジタルマーケティングに与える影響
簗島氏によると、クッキー規制の影響は主に2つあるとおっしゃっています。1つ目はターゲティングへの影響で、今までのようなリターゲティングや拡張配信の一部ができなくなることです。2つ目はトラッキングへの影響で、今まで取れていた情報が取りづらくなり、広告効果が見えづらくなることです。
片山氏:弊社の運用でも、クッキー規制前と後でCPAが18%〜50%ほど悪化するケースがありました。また、コンバージョン数も下がってしまうため、最適化がかけにくくなるという負の連鎖が起こります。
クッキー規制対策としてのSEOの役割
簗島氏:クッキー規制によってターゲティング精度が悪化すると、SEOが対策として機能してきます。SEOは決めたキーワードを上位表示させるため、ターゲットとぶれずにアプローチができるのが強みです。
片山氏:「SEOで拾ってきたキーワードでライトな簡易登録のコンバージョンを設ければ、ファーストパーティーデータが集めやすくなり、広告にも活用できます。SEOは直接のコンバージョンだけでなく、ユーザーデータを拾っていく上でも効果的だと考えています。
ポストクッキー時代の広告戦略とSEOの未来
簗島氏:クッキー規制対策として、今まで通りの方法に投資し続ける会社と、新しい領域に投資していく会社の2極化が進むと予想しています。新しい媒体にチャレンジすることで、自社に合った費用対効果の高い媒体が見つかるかもしれないです。
片山氏:SEOとリスティング広告は、お互いの弱点を補完し合う関係にあります。SEOで分母を集め、広告で強いLTVが見込めるユーザーにアプローチするなど、両者を組み合わせることが重要だと考えています。
また、AIの発展によるサーチエンジンの変化や、強調スニペットなどの新しい表示形式への対応も必要になってくるだろうと予想しています。SEOは常に変化し続ける領域なので、日々の情報キャッチアップが欠かせません。
まとめ
クッキー規制によって、デジタルマーケティングは大きな転換期を迎えています。SEOは規制の影響を受けにくく、ターゲットを絞ったアプローチが可能なため、ポストクッキー時代の有力な施策の1つになってきます。一方で、SEOだけに頼るのではなく、リスティング広告など他の手法とも組み合わせ、トータルでの戦略を立てることが重要です。
企業はこの機会に、自社の強みを生かせる新しい媒体や手法を模索し、データを蓄積していくことが求められます。変化の激しいデジタルマーケティングの世界で生き残るには、常にアンテナを張り、柔軟に対応していく姿勢が必要不可欠と言えます。
セミナー登壇者の簗島氏と片山氏は、それぞれの立場から具体的な事例を交えつつ、ポストクッキー時代を見据えた戦略について語ってくれました。今後のデジタルマーケティングを考える上で、示唆に富む内容となっています。