データを武器にしたコンテンツ制作の秘訣 – 顧客インサイトを捉えるためのデータ活用と実践的アプローチ
本日は、株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏と、株式会社ファングリー代表取締役の松岡雄司氏のお二人に、コンテンツ制作におけるデータ活用と実践的アプローチについてお話を伺いました。
登壇者紹介
簗島亮次氏は、株式会社インティメート・マージャーの代表取締役を務めており、データを使った様々な挑戦をしてこられました。
サードパーティクッキーの規制によって、ターゲティング広告の効率が下がっていく中で、顧客理解やユーザー属性の把握が難しくなってきています。そこで、インティメート・マージャーでは、データに生成AIを掛け合わせることで、顧客理解の解像度を高めるような取り組みを行っています。(簗島氏)
松岡雄司氏は、株式会社ファングリーの代表取締役であり、コンテンツマーケティングやブランディングの領域で豊富な経験を持っています。
顧客インサイトを把握することは、コンテンツマーケティングにおいて非常に重要です。顧客ニーズと顧客インサイトの違いを理解し、顧客に深堀りのインタビューを行うことで、より質の高いコンテンツを作成することができます。(松岡氏)
コンテンツ制作におけるデータ収集と分析の現状
コンテンツ制作において、データ収集と分析は非常に重要ですが、現状ではPVやサイトへの流入数など、表面的なデータを見ているケースが多いようです。しかし、コンテンツマーケティングを行う上では、ターゲットとするユーザーが実際にサイトに来ているかどうかや、そのユーザーに合ったコンテンツを作成しているかどうかを見ていく必要があります。
ターゲットにしている人がどれくらい来ているかを見ていきたいというニーズは増えてきています。インティメート・マージャーのデータを使うことで、多角的にデータを見ていくことができます。(簗島氏)
顧客インサイトの活用方法
顧客インサイトを活用するためには、顧客の行動だけでなく、行動する前の考えや悩みを理解することが重要です。
顧客に具体的なヒアリングを行い、導入する手前に何を考えていたのかを聞くことで、顧客インサイトを深堀りしていくことができます。また、ソーシャルメディアの発言をマイニングすることで、エモーショナルなデータを収集し、インサイトとして定義することもできます。(松岡氏)
コールセンターや商談のログをデータ化していくことで、顧客の生の声を活用することができます。取れた商談と取れなかった商談で話している内容を比較することで、自社の強みや弱みを把握することもできるでしょう。(簗島氏)
実践的アプローチと事例紹介
松岡氏はライフル社のリブランディングのデータを活用した成功事例を紹介しました。
ライフル社は不動産のイメージが強かったのですが、実際は介護など多角的なサービスを提供しています。そのイメージを払拭するために、『ライフルストーリーズ』というオウンドメディアを展開し、多様性や既成概念を払拭するようなコンテンツを継続的に発信しています。その結果、不動産以外のユーザーやブランドイメージが向上し、PVやセッション数も増加しています。(松岡氏)
簗島氏からは、ウェブサイト内のコンテンツ整理に、インティメート・マージャーのデータを活用した事例が紹介されました。
ウェブサイト内の異なる階層にあるコンテンツでも、ユーザー像が近い場合があります。そのようなコンテンツ同士を誘導し合うことで、ユーザーにとって知りたい情報や興味を持つ可能性が高い情報を提供することができます。(簗島氏)
まとめ
コンテンツ制作において、顧客インサイトを捉えるためのデータ活用と実践的アプローチは非常に重要です。表面的なデータだけでなく、顧客の行動や考えを深堀りし、エモーショナルなデータも収集することで、より質の高いコンテンツを作成することができます。また、データを活用することで、ウェブサイト内のコンテンツ最適化やリブランディングなども効果的に行えます。
簗島氏と松岡氏のお話から、データ活用と顧客理解の重要性を再認識することができました。今後、コンテンツ制作においては、データを武器にした顧客インサイトの活用が、ますます求められていくでしょう。
【専門用語の解説】
- サードパーティクッキー
- ウェブサイトを跨いでユーザーを追跡するために使用されるクッキー。広告のターゲティングなどに利用されてきたが、プライバシー保護の観点から規制が進んでいる。
- オウンドメディア
- 企業が自社で所有・運営するメディア。自社の情報を発信したり、ブランドイメージを向上させたりするために活用される。
- カスタマージャーニーマップ
- 顧客が商品やサービスを認知してから購入、アフターフォローまでの一連の流れを可視化したもの。顧客の行動や心理を理解し、適切なアプローチを行うために活用される。