セールスの未来を拓く!自然言語×顧客データの活用術
消費者の行動を可視化し、来店を促進する広告施策の最前線について、pickupon株式会社の小幡洋一氏、株式会社Everybeyondの馬渡拓海氏、株式会社インティメート・マージャーの簗島亮次氏の3名が議論を交わしました。
登壇者紹介
pickupon株式会社の代表取締役である小幡洋一氏は、デザインやHCI領域をバックグラウンドに持ち、システム制作会社でCGMメディアの立ち上げや**PR効果測定ツール(SaaS)**の開発に携わってきました。2018年2月にはpickupon株式会社を設立し、代表取締役に就任しました。現在は、**会話サマリーAI電話「pickupon(ピクポン)」**の開発と営業を統括しています。
株式会社Everybeyondの代表取締役である馬渡拓海氏は、BtoB特化のマーケティング支援会社で年間50社以上の支援実績を持つコンサルタントとして活躍後、SaaS企業に転職し、営業とマーケターを兼務してきました。現在は、BtoBマーケティング全体の設計やインサイドセールス/MA設計、ウェビナーやイベントの企画・運営、営業戦略の立案などを幅広く手がけています。
株式会社インティメート・マージャーの代表取締役社長である簗島亮次氏は、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を首席で卒業後、2013年に同社を創業しました。2019年10月には東証マザーズへの上場を果たし、以後はクッキー規制や個人情報保護法に関する総務省のワーキンググループでの講演や、各種メディアでの寄稿など、専門家として活躍されています。
セミナーの背景と問題意識
近年はオンラインでの購買行動が活発化していますが、実店舗への来店につながらないケースも多く見られます。たとえば、ECカートに商品を入れても、最終的に購入されないという課題があります。
究極的にはPOSデータまで紐付けたいという話を耳にすることもありますが、日本ではPOSデータを提供している事業者が、広告データと紐付ける仕組みを整えているとは言い難く、現時点ではまだ発展していない状況です。(簗島氏)
このような状況の中で、オンラインとオフラインの行動を可視化し、来店を促進する仕組みを構築することが重要な課題となっています。
キーメッセージと発言ハイライト
セミナーでは、以下のようなキーメッセージが議論されました。
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オンラインとオフラインの行動を可視化し、来店を促進することが重要です。
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来店計測によって、広告施策の効果検証や最適化が可能になります。
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来店データとウェブ上の行動データを紐付けることで、より精度の高い分析を行うことができます。
来店計測ができると、どのキャンペーンが当たっているのかが非常にわかりやすくなりますし、指標としても活用できますよね。(馬渡氏)
このように、来店計測を行うことで、施策の成果を可視化し、PDCAサイクルを回しながら継続的な改善が可能になります。
実践的な取り組みと事例
セミナーでは、具体的な取り組み事例も紹介されました。ある家電メーカーでは、ウェブ広告に接触したユーザーの行動を追跡し、全国の家電量販店への来店を計測することで、広告効果の可視化に成功しました。
さらに、来店データとウェブ上の行動データを紐付けることで、より精度の高い分析が可能になります。Google Analytics 4を活用し、オンラインとオフラインの行動を一元管理することで、効果的な広告施策の立案に役立てています。
販売キャンペーンでは、実際にどの施策が当たっていたのかが明確にわからないことがあります。来店率を測定できるようになれば、キャンペーンをA/Bで分けて、来店率を比較することで効果を検証できると思います。(馬渡氏)
このように、来店計測を通じてA/Bテストや効果検証を行うことで、施策の精度を高めていくことができます。
今後の展望とまとめ
セミナーでは、今後の展望についても議論が交わされました。オンラインとオフラインの行動を可視化し、それらをシームレスにつなげることが、これからのマーケティングにおいて極めて重要になると考えられています。
また、来店計測によって得られたデータは、チラシ配布などのオフライン施策の効果検証にも活用できます。オンラインとオフラインを横断的に評価し、予算の最適配分を行うことで、マーケティング全体の効率化につながります。
来店データをもとに、市内でポスティングした情報がどれだけ来店につながったのかを見たり、ウェブ広告が効果的だったのかどうかを来店という視点から判断したりすることで、費用対効果を確認する取り組みも少しずつ増えてきているように感じています。(簗島氏)
このように、消費者の行動を可視化し、オンラインとオフラインを連携させたマーケティング施策を進めていくことが求められています。来店計測を活用し、データドリブンなマーケティングを推進することで、施策の精度をさらに高めていくことができます。
本セミナーを通じて、来店計測広告の最前線や自然言語と顧客データの活用術に関する理解が深まったのではないでしょうか。オンラインとオフラインの行動を可視化し、効果的な広告施策を展開していくことで、セールスの未来を切り拓いていきましょう。