デザインフローの進化系 – データと生成AIで成果を最大化する最先端の制作手法
本セミナーでは、株式会社インティメート・マージャー代表取締役の簗島亮次氏と、株式会社GIG XDesigner事業部のエキスパート/マネージャーである小林新氏の2人が登壇し、デザインフローの現状と課題、そして未来について議論しました。
デザインフローの現状と課題
小林氏によると、理想的なデザインフローは、リサーチフェーズ、プロトタイプフェーズ、開発フェーズの3つのフェーズに分かれています。しかし、実際には期間や予算の都合上、開発フェーズのみを踏まざるを得ないケースが多いとのこと。
この場合、発注者側の情報量が制作に大きく影響してしまうため、コミュニケーションの課題が生じやすいそうです。
また、プロジェクトメンバー間で共通認識を持つことの難しさも、デザインフローにおける課題の一つだと小林氏は指摘しました。
やっていて難しいなと思うのは、全員が人間であるということ。プロジェクトメンバーに共通認識を持たせて、これでいこうぜとやっていくのが、非常に人とのコミュニケーションが肝になってしまう。(小林氏)
データと生成AIがもたらす変革
簗島氏は、データと生成AIを活用することで、デザインフローにおけるコミュニケーションの課題を解決できると述べました。例えば、リサーチフェーズでは、サイトに来ているユーザーの属性や興味関心をデータから分析し、ペルソナを作成することができます。
これにより、プロジェクトメンバー全員が共通の理解を持ってデザインに臨むことが可能になります。
また、生成AIを使ってクリエイティブの制作を効率化することで、より多くのパターンのクリエイティブを作成したり、ユーザーの属性に合わせてパーソナライズしたりすることもできるようになります。
データと生成AIを使って、世の中を効率化していく。人がやらなきゃいけないことに集中していく世界を実現できれば。(簗島氏)
デザインフローの未来予想
簗島氏は、将来的にはデザインフローの各フェーズにおいて、人間とAI・データが分業していくことになるだろうと予想しています。答えが決まっていて論理的に考えれば誰でも同じ結論に至れるような作業は、AIに任せることができます。
一方で、答えがなく人間が決めなければならないことは、機械ではなく人間の仕事として残っていくでしょう。
小林氏も、制作の簡略化・自動化が進む中で、そもそもどんなものを作るべきかというコンセプトを考えるのは人間の役割だと述べました。つまり、スタートとゴールのデザインは人間が担い、その間のプロセスはAIが代替していく可能性が高いということです。
究極考えると、ものを作りたい思いがあって、最終的な作った後の効果がスタートとゴールだとした時に、その間のフローは、どんどん置き換えられていくだろうなというイメージ。(小林氏)
まとめ
デザインフローは、データと生成AIの活用によって大きく変革しようとしています。リサーチやクリエイティブ制作といった一部の工程はAIに置き換えられる一方で、コンセプトメイキングのような抽象度の高い仕事は人間の領域として残っていくでしょう。AIをうまく活用しながら、人間ならではの創造性を発揮していくことが、これからのデザイナーやクリエイターに求められる資質なのかもしれません。
セミナー登壇者のお二人が提供する、ペルソナ像速急分析レポートやクロスデザイナーのサービスを活用しながら、デザインフローの進化の波に乗っていきましょう。