ECサイトにおけるデータ活用の最前線 〜顧客理解と商品の魅力化を両立する方法とは〜

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ECサイトにおけるデータ活用の最前線 〜顧客理解とパーソナライズの実現に向けて〜

ECサイトでは、データを活用した顧客理解パーソナライズの実現がますます重要になっています。本セミナーでは、データ活用の専門家である坂居広行氏と簗島亮次氏をお招きし、ECサイトにおけるデータ活用の現状と今後の展望について議論されました。

 

登壇者紹介

坂居広行氏は、awoo株式会社のContent Managerとして、イベント・セミナー・YouTube動画・ラジオ・ブログなどを通じて、ECサイトにおけるハッシュタグの活用方法サイト回遊率・CVR改善に関する情報を発信しています。

簗島亮次氏は、株式会社インティメート・マージャーの代表取締役社長を務めています。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を首席で卒業後、2013年に同社を創業し、2019年10月には東証マザーズに上場されました。上場後は、クッキー規制個人情報保護法に関する総務省のワーキンググループでの講演や、各大手新聞社での掲載実績も多数あります。国内外の大手プラットフォーマーに対して、クッキー規制へのソリューションも提供しています。

 

セミナーの背景と問題意識

ECサイトでは顧客の多様化が進んでおり、従来の会員属性データ行動データだけでは、顧客のニーズを十分に把握することが難しくなっています。そのため、心理思考データといった新たなデータを活用し、より深く顧客を理解していくことが求められています。

顧客が多様化してるっていうような表現をするケースが多いです。正直、多様じゃなければ、会員属性データと行動データだけで十分で、買わなかった理由も1個だし、ユーザーも特定の人ばっかりだから、1個のことを仮説立てて検証していけば、改善されていくと思います。(簗島氏)

 

このように、顧客の多様化に対応するためには、心理思考データなどの新しいデータを活用し、顧客理解をより深めていくことが不可欠です。

 

キーメッセージと発言ハイライト

セミナーでは、ECサイトにおけるデータ活用について、以下のような重要なポイントが議論されました。

  1. 会員属性データ行動データに加えて、心理思考データを活用することで、顧客理解をより深めることができるという意見がありました。

  2. 商品に適切なラベリングを行うことで、ユーザーの検索体験が向上し、能動的な商品探索が可能になるという点が挙げられました。

  3. ユーザーの行動データを活用することで、よりパーソナライズされた商品提案を実現できるという議論もなされました。

  4. 商品データユーザーの行動データを組み合わせることによって、内容が変化する動的なキャンペーンページを生成することが可能になるといった展望も共有されました。

商品データをよりリッチにすることで、お客様自身で商品を探す体験もできますし、行動データをよりリッチにすることで、ブランド側からの提案をよりリッチにさせるということができます。(坂居氏)

 

このように、商品データとユーザーの行動データを適切に活用することで、能動的な商品探索パーソナライズされた商品提案の両立が可能になります。

 

実践的な取り組みと事例

セミナーでは、実際のECサイトにおけるデータ活用の具体的な事例も紹介されました。

たとえば、アパレルブランドのラコステでは、ゼロパーティデータを取得するために、サイト内でゲーミフィケーションを導入しています。ラコステのロゴマークには年代ごとのバリエーションがあり、それを集める仕組みによって、ブランドに対する理解度愛着度を測ることができます。

また、ロクシタンでは、商品のラベリングを適切に行うことで、ギフトシーンに応じた商品検索が可能になっています。ギフトの目的やシーンに合わせた商品選びを支援することで、ユーザーの利便性を向上させています。

 

今後の展望とまとめ

セミナーでは、今後のECサイトにおけるデータ活用の展望についても意見が交わされました。

商品データユーザーの行動データを組み合わせることで、動的なキャンペーンページの生成が可能になります。商品の並び順を価格順・新着順・閲覧回数順などに変更したり、在庫状況に応じて表示する商品を切り替えたりすることができます。

僕らのデータとかも掛け合わせたりすると、今日の気持ちに合わせたキャンペーンページみたいなのが出来上がったら、いいですね。今日のおすすめ商品みたいなのが、毎日変わるページとかが出来上がると思ったら、すごい面白いなと思いました。(簗島氏)

 

このように、データを適切に活用することで、ユーザーの気持ちに寄り添ったパーソナライズされたECサイトを実現することが可能です。

ECサイトにおけるデータ活用は、顧客理解パーソナライズを実現するための重要な取り組みです。商品データユーザーの行動データを適切に活用し、新しいデータも取り入れながら、多様なニーズに応えていくことが求められています。本セミナーを通じて、データ活用の可能性と実践的な取り組みについての理解を深めることができました。

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