クッキーレス時代の勝利の方程式 – コンテンツ×ターゲティング×データ活用

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2024年4月4日、デジタルマーケティングの最前線で活躍する3社、株式会社インティメート・マージャー、株式会社マイクロアド、株式会社デボノによる共催セミナーが開催された。テーマは「クッキーレス時代のデジタルマーケティング戦略 – コンテンツ、ターゲティング、データ活用の勝利の方程式」。サードパーティクッキーの規制が本格化し、デジタルマーケティングの在り方が大きく変わろうとしている中、勝ち残るための戦略とは何か。各社の専門家が登壇し、具体的な戦術を解説した。

株式会社インティメート・マージャー – データ活用のプロフェッショナル

最初に登壇したのは、株式会社インティメート・マージャーのデジタルマーケティング担当、簗島氏だ。同社は元々アドテクノロジー領域のDMP(データマネジメントプラットフォーム)事業を展開。サードパーティクッキーに依存しない形でのデータ活用基盤の構築を進めている。

簗島氏は、クッキー規制の影響について次のように語る。「日本ではiOSユーザーが多いため、すでに100人中60人はサードパーティクッキーが取得できない状態。今後はAndroidやPCでも規制が進み、8割近くがクッキーレスになると予想されます。しかし、iPhoneユーザーには若年層や高所得者層が多く、デジタルマーケティングのメインターゲットです。つまり、狙うべきユーザーにアプローチできなくなるのが現状なのです」

同社では、クッキーに依存しない形でのデータ活用を推進。自社の持つ購買データやIPアドレスを使った企業ターゲティング、AIを活用した類似ユーザー抽出など、多彩なソリューションを用意している。

株式会社マイクロアド – ターゲティング広告のリーディングカンパニー

続いて登壇したのは、株式会社マイクロアド。同社は2007年の創業以来、DSP事業を中心にデジタル広告領域で事業を展開。200以上のデータプロバイダーと連携し、オフラインの購買データやIPアドレスを使った企業ターゲティングなど、高度なターゲティング広告を実現している。

マイクロアド社は、クッキー規制後のターゲティング広告の在り方について、次の3つのアプローチを挙げる。「1つ目は、オーディエンスを面単位でターゲティングする手法。2つ目は、Googleが提唱するプライバシーサンドボックスの考え方に則り、車に興味のある100人単位でグルーピングしてアプローチする方法。3つ目は、ユーザーのプライバシーに配慮しつつ、クッキーに代わるIDを使ってターゲティングを行う手法です。弊社ではこの3つのアプローチを組み合わせ、クッキーレス環境下でもターゲティングの精度を維持する努力を続けています」

株式会社デボノ – コンテンツマーケティングのエキスパート

最後に登壇したのは、株式会社デボノ。同社はビッグデータやAIを活用し、クライアントのコンテンツ制作やマーケティングDXを支援している。

デボノ社は、クッキーレス時代にはコンテンツマーケティングの重要性が高まると指摘する。「ターゲティング広告に頼れない時代、自社の魅力を伝えるコンテンツの力が問われます。しかし、ただコンテンツを量産しても意味はありません。誰にどんな情報を届けるのか、緻密なペルソナ設計とカスタマージャーニーの策定が必要。自社の商品・サービスを買ってくれる顧客像を正確に把握し、購買プロセスに沿ったコンテンツを提供することが求められるのです」

デボノ社は、自社の持つデータを活用し、LTVの高い顧客像を特定。その上で、認知→興味関心→情報収集→比較検討→購入検討といった各フェーズに適したコンテンツを用意することを推奨する。「この作業は一朝一夕にはできません。しかし、コンテンツマーケティングにしっかり取り組むことが、クッキーレス時代を勝ち抜く鍵になるはずです」

クッキーレス時代のマーケティング、鍵を握るのはデータ活用力

セミナーの最後には、3社のスピーカーによるパネルディスカッションが行われた。テーマは「クッキーレス時代のマーケティング、鍵を握るのはデータ活用力」。コンテンツマーケティングにしろ、ターゲティング広告にしろ、自社で保有するファーストパーティデータをいかに活用するかが勝負の分かれ目になるという点で3者の見解は一致した。

ファーストパーティデータを起点に、サードパーティデータも組み合わせながら、統合的なデータ活用基盤を構築することが理想だ。自社サイトの行動データ、CRMの購買データ、オフラインの顧客接点データなど、あらゆるデータをIDで紐付け、セグメントを組み合わせることで、クッキーに頼らない新しいターゲティングが可能になる。

一方、データ活用の前提となるのが、顧客のプライバシーに対する配慮だ。個人を特定できる情報は適切に管理し、オプトアウトの仕組みを整備するなど、ユーザーの権利を守ることが大切である。データを活用しつつ、ユーザーの信頼を得られるマーケティングを追求することが、これからのマーケターに求められる資質と言えるだろう。

クッキーレス時代のデジタルマーケティングは、技術だけでなく、戦略とクリエイティビティが問われる時代だ。コンテンツ、ターゲティング、データ。この3つの要素を高次元で組み合わせ、新たな顧客体験を創造する。それが、激動の時代を勝ち抜くためのマーケターの使命なのである。

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