登壇者紹介
簗島亮次氏(株式会社インティメート・マージャー代表取締役)
簗島氏は、データを活用した最適化基盤サービスの提供・運用・開発を行う株式会社インティメート・マージャーの代表取締役です。同社は、サードパーティクッキーに依存しないポストクッキーソリューションを提供し、多くの企業に採用されています。
山崎源氏(REHATCH株式会社)
山崎氏は、広告の媒体データとCRMやSFAなどの基盤データを統合・可視化するBIツール「ONE」の開発・提供を行うREHATCH株式会社に所属しています。同社は、マーケティングのコンサルティング事業も展開し、幅広い領域で企業をサポートしています。
CPA高騰の背景とは
近年、インターネット広告市場の競争激化により、CPA(顧客獲得単価)が上昇傾向にあります。この背景には、以下のような要因があると考えられます。
- 競合他社の参入増加による入札単価の上昇
- サードパーティクッキーの規制強化によるターゲティング精度の低下
- 広告表現の規制強化による訴求力の低下
簗島氏は、特にサードパーティクッキーの規制強化が与える影響について言及しました。
サードパーティクッキーが使えないブラウザが増えてきていますが、iOSやWindowsのエッジは、ECサイトの売上を上げていくために重要なターゲットです。しかし、そこに対するマーケティングが非効率になってきており、結果としてECサイトの売上やLTVが悪化している企業が増えています。
LTV最大化による広告効果改善
CPA高騰への対策として、山崎氏はLTV(顧客生涯価値)の最大化に注目しています。
CPAが高騰する中で費用対効果を合わせていくには、ユーザー獲得後の価値を最大化させることが重要です。そのためには、まずLTVを可視化し、それを最大化するように広告運用を最適化していく必要があります。
山崎氏は、LTVを起点とした広告運用の最適化により、広告経由の利益を15倍に伸ばしたクライアント事例を紹介しました。
ポストクッキー時代の広告運用戦略
簗島氏は、ポストクッキー時代に適した広告運用戦略について、以下のようにアドバイスしました。
- 試作の視野を広げ、様々な手法にトライする
- CPAだけでなく、売上や利益などのビジネス指標も重視する
- オフラインデータも活用し、ターゲティング精度を高める
また、山崎氏は、クリエイティブの重要性が高まると指摘しました。
ターゲティングの精度が下がる中、クリエイティブが果たす役割は大きくなります。生成AIを活用し、PDCAサイクルを高速に回すことで、効果の高いクリエイティブを生み出していくことが求められます。
まとめ
CPA高騰が進む中、ポストクッキー時代に適した広告運用手法とLTV最大化が求められています。本セミナーでは、業界の第一線で活躍する専門家から、具体的な戦略や事例を交えた貴重なお話を伺うことができました。広告主の皆様におかれましては、本記事の内容を参考に、より効果的な広告運用を実践していただければ幸いです。