登壇者紹介
本セミナーには、デジタルマーケティングの第一線で活躍する2名の専門家に登壇いただきました。
- 株式会社インティメート・マージャー 代表取締役 簗島亮次氏
- 株式会社ハックルベリー 代表取締役 安藤祐輔氏
ECサイトの成長に必要な施策とは
ECサイトを成長させるためには、自社の規模感やリリース時期に合わせて優先順位をつけることが重要です。特に、コンバージョンレートが低い状態で集客に力を入れても効果は限定的。自社の現状を把握し、ボトルネックとなっている部分から改善していくことが求められます。
簗島氏によると、「ECサイトを立ち上げたばかりの会社がいきなりリスティング広告を始めて、コンバージョンしないケースは意外と多い」とのこと。時間を買うような広告出稿よりも、まずはコンバージョンレートを高める施策を打つべきだと指摘します。
離脱率が高い原因と改善のポイント
ECサイトで離脱率が高くなる原因として、安藤氏は以下の点を挙げました。
- ECサイト運営者の意識が、デザイン性や商品の見せ方など「攻撃」の部分に偏りがち
- 離脱率やコンバージョンレートをKPIとして重視する文化が弱い
- 自社の離脱率が高いのか低いのか、適正な水準が分からない
離脱率の改善には、ECサイト運営のリーダーが顧客理解度を高め、改善の軸を定めることが肝要です。例えば、購買者の行動データを分析し、離脱率が高いページや要因を特定。対策を打つ際は、セグメントごとに最適な施策を考えることが求められます。
また、コンバージョンレートの改善には、画面遷移を減らすことが有効とのこと。安藤氏は、チャットボット型のLPを導入することで、ノーコードでコンバージョンレートを改善できると説明しました。
集客施策と連動させた離脱率改善
簗島氏は、離脱率の改善をサイト内施策だけでなく、集客施策とも連動させることが重要だと指摘します。
「集客時のクリエイティブやターゲティングを工夫することで、サイトに合ったユーザーを集めることができる。チャネルごとに来訪者の属性を分析し、マッチしたユーザー体験を提供することが離脱率の改善につながる」
そのために同社では、生成AIとDMPのデータを掛け合わせ、チャネルごとの来訪者属性を可視化するレポートを提供。データに基づいた効果的な施策立案をサポートしているとのことでした。
まとめ
ECサイトの離脱率改善とコンバージョンレート向上は、売上アップに直結する重要な取り組みです。自社の状況を的確に把握し、優先順位の高い施策から着実に実行していくことが求められます。
特に、顧客理解に基づいた改善の軸を定めること、UIなどサイト内要因の改善と集客施策を連動させることが、高い成果を生む鍵といえるでしょう。
専門家の知見を取り入れながら、地道なPDCAを重ねていくことが、ECサイトの継続的な成長につながります。ぜひ参考にしてみてください。