「ポストCookie時代」の到来と新たなターゲティング技術の開発
近年のデジタル広告業界では「ポストCookie時代」への移行が急速に進行しています。このため、従来のCookieベースのターゲティング戦略ではなく、新たなアプローチが求められています。この動向の中、データプラットフォームカンパニーの国内最大級パブリックDMPを提供する株式会社インティメート・マージャー(以下、IM)とコマースメディアを展開するCriteoは、共通IDソリューション「IM Universal Identifier（IM-UID）」を活用した新たな連携を始めたと発表しました。 この連携では、IMの提供する「IM-UID」が、Cookieに依存しない形でCriteoが提供するターゲティング広告ソリューションに技術提供され、新たな広告配信が実現しています。これにより、クッキーの廃止後でも広範囲のユーザーにリーチし、パブリッシャーの収益改善にも寄与することが期待されています。
実証テストによる効果実証と今後の展開
さらに、IMとCriteoの連携では実証テストが行われ、その結果も発表されています。テストキャンペーンにおいては、「IM-UID」を活用したターゲティング広告が、クッキーに依存する旧来のターゲティングソリューションと比較して、平均してCPC（クリックあたりの原価）が30%改善し、リーチ範囲も20％拡大したとのこと。これにより新たなターゲティング技術の有効性が実証され、広告主、パブリッシャー、そしてユーザー皆にとってよりよい広告のエコシステムの構築に寄与すると考えられます。 今後、両社はこの新たなアプローチをさらに推し進めると共に、新しいターゲティング技術の進化を支えるための連携を強化していく予定です。
AIの活用と広告業界の意識
一方で、「デジタル広告業界における日本のマーケターのAI活用とその影響に関する意識調査」を発表したCriteoによれば、サードパーティークッキーの廃止後の対応に困惑しているマーケターが約6割を超え、そのうち９割がAIの活用が重要と回答しています。これはAIの力を最大限活用すれば、優れたパーソナライゼーションを実現し、広告主は効率的に顧客エンゲージメントを高めることができるとの認識が広がっていることを示しています。
広告業界の今後の展望
「ポストCookie時代」の到来は、広告業界に新たな挑戦を突きつけると同時に、新たなチャンスをもたらしています。IMとCriteoの連携やAIの活用など、新たな取り組みが広告者やパブリッシャーによって推進されている現状からは、広告業界がどのように進化し、新たなマーケティングの可能性を切り開いていくのか期待が高まります。サードパーティークッキーの廃止による影響を最小限に抑えつつ、広範囲のユーザーにリーチし、パーソナライゼーションを達成する新たな広告技術の開発と活用が、広告業界の成長を牽引することでしょう。
